平らな地面を走行していったかと思ったら、その先にあるコンクリートの垂直の壁を登り始め、しかも壁の上を自由に動き回れる、こんな不思議な4輪車ロボットが登場した。ディズニーの研究部門であるディズニーリサーチ(チューリヒ)と、スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHチューリヒ)が共同開発した「バーティゴー(VertiGo)」がそれ。
秘密は前輪と後輪の上にそれぞれ取り付けられた2つのプロペラにある。プロペラは斜め前後に傾くようになっていて、後ろに傾ければその風力で前方への推進力が生まれ、逆に前に傾けるとブレーキがかかる仕組み。左右に曲がる前輪のステアリングと、このプロペラの動作を組み合わせて制御することで、多少ラフな草地を含めて自由自在に走り回ることができる。
ただ、VertiGoの名前の通り、本来の目的は垂直(Vertical)に進む(Go)ロボットの開発。そこで、平地から壁に移る時には、後方のプロペラが機体を前に押し、前方のプロペラが垂直上方に機体を引っ張り上げることで、壁を登れるようにした。壁に乗ってからは、機体を壁に押し付けつつ、地面に落ちないよう停止を含め移動スピードをコントロールする二つの力をプロペラで加え、壁に張り付いて走行することができる。
用途は今のところ不明だが、もしかするとアトラクションや玩具、あるいは偵察・軍事用に使えるかもしれない。
垂直な壁の上を自由に走り回る4輪車ロボット、ディズニー研究部門が開発
2つのプロペラの風力で、前進・停止さらに壁にも密着
ニュースイッチオリジナル
ディズニーリサーチのニュースリリース
藤元 正 18時間前 |
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これには、映画『めまい』(Vertigo)のヒッチコック監督もびっくりかもしれません。この仕組みを使って、人が乗る壁面走行ロボットを作るのはかなり難しいと思われますが、もしできたら、壁の上からの眺めはまさにめまいものでしょう。 0 |
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