大坪実佳子
2015年12月31日11時48分
3月に北陸新幹線が開業したことで、全国から修学旅行を誘致している広島市が危機感を抱いている。例年、富山、石川両県から計約80の中学校が広島を訪ねてきたが、新幹線の開通で東京に流れる恐れがあるからだ。昨年から今年にかけて職員が相次いで両県を回り、つなぎとめ作戦を展開している。
石川県加賀市立錦城中を10月、広島市の嘱託職員、白石正文さん(64)が訪れた。広島平和記念資料館、もみじ饅頭(まんじゅう)づくり体験――。平和教育や観光をアピールする40種類ほどの資料を挟んだ分厚いファイルを前に、同資料館で改修工事が続いていることについて「ご迷惑をおかけします」と頭を下げた。網谷豊校長(59)は「丁寧な対応が印象に残った」と振り返り、「総合的な学習に平和学習を取り入れているので、今後も広島に行く方針は変わらない」と述べた。
白石さんは旅行会社OB。レンタカーに乗り、2泊3日で石川県内の中学校約30校を回った。好感触に「学校を訪問すると、個別のニーズや要望を聞ける。歴史の教科書に載りきれない、原爆が落とされた背景や当時の広島の街並みなどの情報が詰まった資料もお渡しできる」と語った。
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