・父が亡くなったとき、その実感がなくて不思議だった。
しばらくして、正月に帰省したときに、
こたつのある位置に「いない人」がいると気づいた。
そうか、いない人になったんだ。
実感なんてものはないんだ、
「いない人」のいる世界を過ごすんだ。そう思った。
吉本隆明さんのときは、
ご家族が、その場とその時間を創っていた。
生まれて死ぬというあたりまえのことを、
ほんとうにあたりまえにやろうとしたら、
あんなふうにするんだろうなと、こころから思えた。
そして、そうしてほしいというのが
誰よりも亡くなった人の望みなのだということを、
そこにいただれもが、よく知っていた。
母は、正月の寒い日に、
亡くなったという電話に乗ってやってきた。
一生のうちに、母と交わしたことばは、
一冊の本の分量にも満たないだろう。
ものごころつく前に生き別れていたから、
少し他人で、少し母で、その両方を足しても、
まるごとのあの人にはならなかったような気がする。
そういう思いも、このごろになってわかることだ。
伊賀の「土楽」福森さんのところへ、
暮れにもちつきに行くことも、もう10年近くになる。
このご一家は、口と腹と心に大きなもてなしをくださる。
もちをつくのは、なかなかの大仕事で、
ぼくは、いつもおあそび程度にしか杵を持っていない。
「まだ、ひと臼まるまるつききったのは、
ヒグチさんと、イワタさんだけですよ」と言われた。
そういえば、2年前だったか、
岩田さんと暮れと正月の予定をすり合わせたら
12月30日のもちつきの日だけだったので、
じゃいっしょに行こうと、京都駅で待ち合わせて、
電車を乗り継いで福森さんのところに行ったのだった。
どうしてだろう、そのことをすっかり忘れていた。
ほんとに、思い出したら、思い出になったというわけか。
いや、岩田さんとは、まだ会えるような気がしている。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
この日で、今年が亡くなるのか。三百六十五日よく生きた。
土曜日、日曜日と祝日の「ほぼ日」は9時に更新しています。
昨日の「今日のダーリン」を読み逃した方はこちら。
しばらくして、正月に帰省したときに、
こたつのある位置に「いない人」がいると気づいた。
そうか、いない人になったんだ。
実感なんてものはないんだ、
「いない人」のいる世界を過ごすんだ。そう思った。
吉本隆明さんのときは、
ご家族が、その場とその時間を創っていた。
生まれて死ぬというあたりまえのことを、
ほんとうにあたりまえにやろうとしたら、
あんなふうにするんだろうなと、こころから思えた。
そして、そうしてほしいというのが
誰よりも亡くなった人の望みなのだということを、
そこにいただれもが、よく知っていた。
母は、正月の寒い日に、
亡くなったという電話に乗ってやってきた。
一生のうちに、母と交わしたことばは、
一冊の本の分量にも満たないだろう。
ものごころつく前に生き別れていたから、
少し他人で、少し母で、その両方を足しても、
まるごとのあの人にはならなかったような気がする。
そういう思いも、このごろになってわかることだ。
伊賀の「土楽」福森さんのところへ、
暮れにもちつきに行くことも、もう10年近くになる。
このご一家は、口と腹と心に大きなもてなしをくださる。
もちをつくのは、なかなかの大仕事で、
ぼくは、いつもおあそび程度にしか杵を持っていない。
「まだ、ひと臼まるまるつききったのは、
ヒグチさんと、イワタさんだけですよ」と言われた。
そういえば、2年前だったか、
岩田さんと暮れと正月の予定をすり合わせたら
12月30日のもちつきの日だけだったので、
じゃいっしょに行こうと、京都駅で待ち合わせて、
電車を乗り継いで福森さんのところに行ったのだった。
どうしてだろう、そのことをすっかり忘れていた。
ほんとに、思い出したら、思い出になったというわけか。
いや、岩田さんとは、まだ会えるような気がしている。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
この日で、今年が亡くなるのか。三百六十五日よく生きた。
土曜日、日曜日と祝日の「ほぼ日」は9時に更新しています。
昨日の「今日のダーリン」を読み逃した方はこちら。
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