美の京都遺産 2015.12.27


(ナレーション)
実に118年

その空間で人々は数多の美と出会い心を動かされてきた

明治30年帝国京都博物館として開館
神仏分離政策によって失われていく文化財を守り伝えるために創設された

以来日本の文化財特に平安遷都以降の歴史を物語る文化財を中心に扱ってきた

6000点を超える館蔵品
そしてそれとほぼ同数の寄託品を保管展示している

5月20日
京都の大学で日本美術史や仏教美術などを学ぶ15名の学生が集まった
彼女たちは京都市の小中学校に出かけ文化財に親しむ授業を行うボランティア
京都国立博物館が募集した…
文化財に親しむ授業を取りまとめる…
(水谷さん)博物館の役割といいますと作品を展示するというのがいちばん皆さんふだん親しんでらっしゃる姿かと思うんですけども展示するだけではなかなか…興味ある人は来てくださるんですけれどもそうでない方はずっと自分にとってなんとなく縁遠いものっていうふうに感じてることもあると思うんですけれどもちょっとしたきっかけがあればすごく「ああ〜面白いな」とか「あっこんな知らなかったことがあるんだ」って楽しく見ることができるんですね。
ですのでぜひすごく小さいうちから…子供のうちから博物館とか文化財といったものに親しんでもらいたいなっていうことで始めました。
文化財に親しむ授業が始まったのは6年前
これまでに延べ42校の小中学校を訪れ授業を行ってきた
この日訪れた京都市立下鳥羽小学校では尾形光琳の「八橋図屏風」の複製品を使いその魅力の一端を感じてもらう
今日は二人で講師を担当させていただきます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
じゃあ屏風を開きます。
(趙さん)何がどのように描かれているんでしょうか?じっくり観察してみてください。
(趙さん)はいどうぞ。
はい。
ええ〜杜若という花がすごくたくさん咲いてる絵がすごくきれいだなと思いました。
(趙さん)そうですね。
杜若のお花がたくさん並んでいてなんだかすごく豪華なきれいな感じしますね。
はい。
次はこの屏風に描かれていないものに注目してみます。
あっはいどうぞ。
(生徒)はい。
人が描かれていません。
(趙さん)あっすごい!よく観察してます。
はい。
さっきも言ったようにこの屏風は旅を寂しくする男の物語を描いてますね。
主人公をわざわざ描かないことで私たち見る人が主人公の目線になってこの風景を見ているようにもなってるかもしれませんね。
スケッチでより注意深く作品を見る
京都はお寺とか神社とか博物館美術館っていうのがたくさんあります。
そういう所にたくさん行って一緒に行った人とこういうところがいいねとかそういうことを話し合ってみてください。
文化財の価値というものを小さいうちから知っておくということは本当にこの町を生きるうえで大事な基礎となる教養でありなんというか…精神を育む活動だと思います。
夏休み
京都国立博物館で小学校4年生から中学生を対象にしたあるワークショップが開かれた
それは本物の刀に触れるワークショップ
日本の風土から生まれた文化財の魅力を子供たちに知ってほしいと企画された
(末兼さん)日本刀のことです。
体を半身にしてでね横に擦ったりしないようにゆっくり刀を抜きます。
こっちの抜いた鞘は置いておく。
はい。
この力で最初の鯉口を切ります。
鯉口って口のとこね。
ぎゅ〜ってなる。
だからまず左手で持って。
開いたら刃を必ず横にしない。
でここを手で持って体を半身にちょっとゆっくり引っ張って。
いちばんよく間違える…。
ここで抜くと抜き終わったときに支えがなくなるからトンッと落ちちゃう。
抜き終わってトンッと落ちちゃうとこの先っぽがすぐ欠けちゃうからこのテーブルの外に出るようにする。
そしたらほら落ちても何もない。
鞘を固定したまま手だけ引っ張る。
はい。
よし抜けた。
もうちょっといける。
うんいけた。
怪我がないよう刃は落とされている
刀は普通研ぐものだと…毎日研ぐのかなぁと思っていたけど油分を塗ったり油分を取ったりして毎日大変な苦労をしていることが分かりました。
今まで社会とかでは武器にして使われていたのでずっと武器だと思ってたけど飾りとかによく使われるっていうの初めて知りました。

京都国立博物館に展示されている仏像で最も大きい金剛寺の大日如来坐像
その光背の化仏が取り外される

(浅見さん)光背に34体の小さな仏様が付いている。
それを外して撮影調査をすると。
作品がいろいろな情報を持ってるわけですね平安時代鎌倉時代に。
それを探っていかないと作品自体はそのままでは何も言わないのでそれを調査研究することによってどういうふうに作られているかとか何か表されているかとかどんな人たちが作ったのかとかそういったことが分かってくるっていうことですね。
・もうちょい。
・オッケー。
そんなもんやな。
ここ平成知新館は昨年9月の開館以来およそ100万人の来館者を迎えた
仏像に積もった微細な綿埃を取り除く作業が行われる
作業に当たるのは博物館の敷地にある美術院国宝修理所の職員たち
先ほな置いてもらおか。
はい。
指抜いてください。
はい離します。
日本画の筆を丁寧に使って掃除機で埃を吸い取る
(掃除機の音)
日本中の彫刻文化財と向き合って35年になる
この方たちは今この方たちが本来安置されるべきお寺…お堂が修理の最中なんですよ。
修理をしてる最中なんです。
それで同時にじゃあその中のお像も修理しようという形で今回の修理が始まったんですけども。
で先にお像の修理が終わったんでお堂の修理が終わるまで博物館でお預かりし展示しようというそういう状態なんですね。
私たちの文化財の修理方針っていうのは基本的にはもう現状維持といいまして今の趣を大切にしてこの方たちが作られたオリジナルな情報を後世に残していくということを基本として考えて…考えながら修理をしていくという。
そこがいちばん気を遣ってますね。
(水谷さん)博物館の職員だけが保存や環境に気を遣って守っていっても物だけが残されたとしてもほんとの意味で守るっていうのは世の中の人がみんな自分たちの宝物だと思って自分たちにとって大切なものだと思って守っていかないと文化財だけが保存されていったとしても誰もそれを知らないとか興味がないっていうふうにもし思ったとしたらそれはほんとの意味で伝えられているってことにはならないのでそういったことも含めて守って伝えていきたいというふうに思っています。
文化財を守り伝える
その営みに欠かせない人と美の出会いを作り出す京都国立博物館である
2015/12/27(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]

「京都国立博物館・2」

詳細情報
お知らせ
この番組は2014年11月16日に放送されたものです。
◎この番組は…
古都1200年の歴史の中で守り続けられてきた寺社仏閣・祭り・伝統工芸などの中より「美の再発見」をテーマに、ハイビジョン撮影による高画質映像でお送りする「映像美術館」。
 
音楽
久石譲
 
公式HP
【番組HP】
http://www.mbs.jp/kyoto/
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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