NHKアーカイブス「浅田真央 飽くなき挑戦〜シニアデビューから10年〜」 2015.12.27


太平洋側は晴れる所が多いでしょう。
(浅田)試合でよい演技ができた時のあの達成感というのをまた感じたいなと。
(場内アナウンス)「8番浅田真央さん日本」。
(森田)
この冬再び世界を目指してリンクに戻ってきました
(拍手と歓声)
(解説)トリプルアクセル。
(実況)降りた!
最後の大会と心に決め全てを懸けて臨んだソチオリンピック
(拍手と歓声)
その後1年浅田選手は競技生活から離れました
うんと長生きしちゃったハハハ!
しかしスケートに対する情熱は消えていませんでした
自分としてあまり…
今年で…
長い道のり。
ここに至るまでも厳しい挑戦の日々でした

この10年NHKでは浅田選手の戦いを記録し続けてきました。
世界トップレベルの争いに足を踏み入れた10代
天才と呼ばれた少女を待っていたのは重圧と隣り合わせの毎日でした
得意のジャンプでまた失敗するかもしれない不安。
真央さんは弱気な心と闘っていました。

失意に終わった初めてのオリンピック
悔しさを晴らすため自らのスケートを一から見直しました
そして始まった…
浅田真央選手飽くなき挑戦の軌跡を見つめます
(拍手と歓声)こんにちは。
今シーズン浅田真央選手が帰ってきました。
今日は過去の映像を振り返りながら更に進化する浅田選手の挑戦の軌跡にスポットを当ててまいります。
早速ゲストのお二人ご紹介致しましょう。
まずはアルベールビルオリンピック1992年ですが銀メダリストそしてさまざまな挑戦で女子フィギュアスケートに新しい時代をもたらした伊藤みどりさんです。
よろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
そして冬のオリンピック4大会でフィギュアスケートの中継を担当した刈屋富士雄解説委員です。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
伊藤さん浅田真央さんはかねてから最も憧れの尊敬するフィギュアスケーターが伊藤みどりさんだというふうに話していらっしゃいますけれども伊藤さんも92年のオリンピックのあとに一度引退されてそれから4年後に復帰ですもんね。
そうですね。
まず第一報に復帰宣言の話を聞いた時はやっぱりその道を選んだかというほっとした気持ちになりました。
浅田選手がまだ「ハーフハーフ」と言ってた時に一緒にお仕事をさせてもらった時があったんですけど「みどりさんは引退はどうして決めましたか?引退してからなぜ復帰をしたんですか?復帰するためにはどう乗り越えましたか」という質問が多い中であれあれ?真央ちゃんやる気なのかなと。
どういうアドバイスをされたんですか?やはりやってみたいとか挑戦したいと思った時が大きなチャンスであると思うので「継続は力なり」という言葉を贈りました。
その浅田真央さんジュニアの時代からも注目されていましたけれどもその当時の真央さんの印象っていうのはどうですか?2005年の時に世界ジュニアカナダで行われた時にトリプルアクセルも見れてそしてジュニアチャンピオンになれた瞬間を見れてとてもうれしくてワクワクしてたのを覚えています。
何か伊藤みどりさんの衣装を着てらしたそうで。
そうですね私が大事に着てた衣装を真央ちゃんも大事に着ていてくれてるという事はとてもうれしいですね。
刈屋さんはそのジュニア時代からどういうふうにご覧になってましたか?立ち姿というか雰囲気がすごく品がある。
ですから特にヨーロッパのジャッジですとかあるいは北米のジャッジが点数を出したくなるようなそういう雰囲気を持った上で伊藤みどり以来のやっぱりジャンプもしっかりと引き継いでるというすごい選手が出てきたなと思いましたよね。
シニアの10年というのはその進化をどのようにご覧になっていますか?浅田選手を見る上で3つの段階に分けられると思うんですよ。
ジャンプが好きでトリプルアクセルに憧れてどんどん跳んでいた時の浅田選手の一つの集大成がバンクーバーでありでもそこで技術的にちょっとずれてきてるというんでもう一回スケートを見直してソチに臨んだ。
これはフィギュアスケーターとしてのアスリートとしての集大成だったんじゃないかなと。
じゃあ今回第3章と言ってもいいんですけれども1年間休んで復帰してきた彼女は今度はフィギュアスケーター浅田真央のアーティストとしての集大成にこれから今向かっているんじゃないかと。
つまりフィギュアスケーター浅田真央のいよいよ完成期入ったんじゃないかというふうに私は思うんですけどね。
それではその刈屋さんの言う3つの時代の最初の時代の浅田真央選手の番組をご覧頂きたいと思います。
2005年弱冠15歳でグランプリファイナルを制した浅田選手なんですがその直後のトリノオリンピックには年齢制限で出場する事ができませんでした。
その4年後のバンクーバーオリンピックを目指して歩み始めた当時16歳の浅田選手に3か月間密着取材しています。
ご覧下さい。
アメリカ・ロサンゼルスから車で3時間ロッキー山脈の山あいにある小さな町レイクアローヘッドです。
ここが練習用のリンクです。
標高1,500メートルの高地にあります。
標高が高く空気が薄いためちょっと体を動かしただけでも息が切れスタミナ作りに適しています。
ここは世界でも数少ない選手専用のリンクです。
恵まれた練習環境を求めてヨーロッパやアジアなど世界各国から選手が集まってきます。
このアルトゥニアンコーチが真央さんの新しい指導者です。
何人ものオリンピック選手を育ててきました。
2人が取り組んでいるのは女子では最高レベルのプログラムです。
(アルトゥニアン)ジャンプジャンプ!得意のジャンプを改良。
より高くより軽やかに跳ぶ事を目指しています。
やっぱりみんなにいいなって思われるスケーターにもなりたいしあとはもっとジャンプだけじゃなくてスピンとかスパイラルとか表現力とかももうちょっと頑張りたいです。
平成2年名古屋市に生まれた真央さん。
初めてスケート靴を履いたのは5歳の時でした。
以来急速に才能を開花させます。
(拍手)女子では世界で初めての快挙でした。
更に女子では成功者の少ない3回転半ジャンプトリプルアクセルにも成功。
日本にジャンプの天才少女がいるという噂が世界に広まりました。
そして昨シーズン15歳でシニアの大会に出場。
トリプルアクセルを中心とした得意のジャンプで快進撃を続けます。
世界の強豪が集うグランプリファイナルでは初出場で優勝。
当時の世界チャンピオンスルツカヤ選手を破る快挙でした。
(観客)真央ちゃんこっち向かないといかんよ。
一躍トップスケーターの仲間入りを果たした真央さん。
天真らんまんな笑顔で人気も急上昇しました。
遠い先の目標はやっぱりオリンピックで完璧な演技したい事です。
(取材者)オリンピックで完璧な演技?はい。
…してメダルを取りたいです。
アメリカに渡った真央さんはすぐにアルトゥニアンコーチと今シーズンのプログラム作りに取りかかりました。
特に力を注いだのはフリーの演技です。
女子ではかつてないハイレベルな内容になりました。
注目は演技開始直後の3つのジャンプです。
まず3回転半トリプルアクセルを2回続けて跳びます。
女子では真央さんだけです。
そして3回転の連続ジャンプが続きます。
この3つを含む全てのジャンプの基礎点は合計51点。
トリノオリンピックで金メダルに輝いた荒川選手の得点38.4を大きく上回ります。
特に最初のトリプルアクセルには難しいステップを加えました。
前向きに踏み切って3回転半。
トリプルアクセルは女子ではまだ世界で数人しか成功していない大技です。
その助走に加えたステップ。
足の向きを前後に大きく切り替えます。
従来のトリプルアクセルは助走でゆったりとタイミングを計りバランスを整えてからジャンプします。
新たな演技ではステップが入った事でバランスやタイミングが乱れるおそれがあります。
しかしこのジャンプが成功すれば大きな得点になります。
初めはこれ難しそうだなと思ってできなさそうって思ったんですけどちょっとは自分の中でも不安はあるんですけどでも別にそんなにも初めうまくいけば大丈夫かなって感じ。
10月スケートシーズンの本格的な到来を告げるグランプリシリーズがアメリカで始まりました。
(取材者)初日だけども今どんな心境なんですか?え〜今は…今は別に緊張したりとかは全然してないです。
世界6か国で開かれるグランプリシリーズ。
選手はこの中から2つの大会に出場します。
そして総合成績の上位6人がグランプリファイナルに進出。
頂点を争います。
真央さんはアメリカ大会と日本のNHK杯に出場する事が決まっていました。
この大会の2週間前真央さんは初めて新しいプログラムを披露しました。
ところがトリプルアクセルで転倒。
真央さんには珍しい得意なジャンプでの大きなミスでした。
この時何が起きたのでしょうか。
運動生理学を研究する中京大学の湯浅教授に分析を依頼しました。
その結果成功例と失敗例では助走のスピードに違いがある事が分かりました。
失敗例は助走のスピードが毎秒3.4メートル。
成功した時よりも0.3メートル遅かったのです。
これは私たちがふだん感じてる速度とはうんと違う小さく感ずるけれども選手にとっては実はそれは極めて大きい時間差なんです。
要するに秒のところで微妙なコントロールをしたりする訳ですからその中で起こる0.3メーターの速度の差っていうのは極めて大きいと考えないといけない訳ですね。
助走でステップを踏む事はジャンプを更に難しくする挑戦だったのです。
フリーの演技が始まりました。
最初のジャンプが新しく取り組んだステップからのトリプルアクセルです。
(実況)あっと…。
動揺した真央さんその後もミスを重ねます。
笑顔のないフィニッシュ。
一つのジャンプ失敗から演技全体が大きく崩れてしまいました。
ちょっと自信が…自信はあったんですけどでもやっぱりちょっとトリプルアクセルの勢い…でもスピードはあったと思うんですけど何か自分でも分かんないです。
真央さんは安藤選手とマイズナー選手に逆転を許して3位となりました。
NHK杯があるのでそこでいい演技ができたらいいなと思います。
トリプルアクセルの失敗。
そして崩れてしまった新しいプログラム。
真央さんは思わぬ精神的な弱さを見せてしまいました。
大会から戻った翌日休みも取らずに練習を再開しました。
(浅田)死にます…。
疲れがとれない体で練習です。
基礎のステップからやり直します。
鏡に向かって何度も何度も助走のスピードやジャンプのタイミングを確認します。
得意のジャンプでまた失敗するかもしれない不安。
真央さんは弱気な心と闘っていました。
(浅田)前みたいに勢いよくできたら大丈夫だと思います。
思いっきり…思いっきりです。
ジャンプを難しくしているもう一つの原因が育ち盛りの体です。
この1年で身長は4センチ体重は2キロ増えました。
食事にはこれまで以上に気を遣うようになりました。
脂肪の多い食べ物を避けて体重を管理します。
好きな食べ物も口にする事ができなくなりました。
この日はハロウィーンです。
リンクに通う子どもたちもパーティーに出かけます。
真央さんたちはパーティーにも参加しないで練習です。
ステップからのトリプルアクセル。
まだ回転数こそ2回転ですが徐々に調子は上がってきました。
NHK杯まであと2週間。
真央さんが突然フリーのプログラムの変更を申し出ました。
主な変更点は2つです。
一つは最初の3回転半ジャンプ。
ステップからのトリプルアクセルに集中するため2番目のトリプルアクセルをやめて2回転半にしました。
しかし合計点が下がるため続く3回転の連続ジャンプをより難しい組み合わせにしました。
1人で練り直してきた新たなプログラム。
真央さん自らの決断で更にレベルの高い内容となりました。
大会直前のプログラム変更。
毎日夜まで練習が続きました。
NHK杯女子シングルが始まりました。
この大会に合わせて作った衣装を着て公式練習に臨みます。
真央さんのトリプルアクセルに注目が集まります。
(シャッター音)ところがなかなかうまく跳べません。
もう一回チャレンジ。
(シャッター音)練習では2回転倒。
本番に向けて不安を残す内容でした。
果たしてトリプルアクセルは跳べるのか。
その一点に質問が集中します。
トリプルアクセルを跳んで…。
トリプルアクセルを決めたいです。
トリプルアクセルが跳びたいと思ってるしやっぱりそれを決める事で…。
自らに言い聞かせるように真央さんは前向きなコメントを繰り返しました。
優勝してグランプリファイナルに進みたい。
本番を前に一人集中力を高めます。
(アナウンス)「本日はNHK杯国際フィギュアスケート競技大会にお越し頂きましてまことにありがとうございます」。
ショートプログラムが終わった時点でトップは真央さん。
3位に終わったアメリカ大会と同じ展開です。
本番1時間前真央さんは突然意外な行動に出ました。
気持ちを落ち着かせようと会場の様子をのぞき始めたのです。
(浅田)どれぐらいお客さん入っているかというのはちゃんと見ておかないとやっぱり出てわ〜っと思わないように。
動揺しちゃうので。
およそ5,000人の観客の前で演技が続きます。
2位につけていた村主選手がほぼミスのない演技でトップに立ちました。
本番30分前一人集中力を高める真央さん。
不安や重圧と向き合いながら最後まで自分の心と闘っていました。

(拍手)・・
(拍手と歓声)
(場内アナウンス)「10番浅田真央さん日本。
音楽は『チャルダッシュ』です」。
(英語のアナウンス)真央ちゃん頑張れ!アメリカで毎日練習を重ねたステップからのトリプルアクセル。
(実況)くるか。
(拍手)
(実況)支えました。
着氷が乱れます。
それでも以前のような動揺は見せません。
(浅田)自分はもう跳べたと思っていたので失敗したって思わずに次につなげていけたのでよかったなって思いました。
(拍手と歓声)自らプログラムに入れた3回転の連続ジャンプ。
(拍手と歓声)しっかりと決めた真央さん勢いに乗ります。
(手拍子)
(拍手)
(拍手)
(拍手)
(拍手と歓声)最後まで集中力を切らさず滑りきりました。
ようやく満面の笑顔が真央さんに戻ってきました。
(拍手と歓声)真央ちゃん!真央ちゃん!真央ちゃ〜ん!
(拍手と歓声)自己ベストを上回る歴代最高得点で優勝。
グランプリファイナル進出を果たしました。

(浅田)優勝しないといけないというふうなのは初めてだったのでやっぱりいつもよりもすごい緊張したしいつもよりもうれしかったです。
自分を追い込んだ中でそういうふうにできたって事はすごいプラスになったのかなって思います。
上手にできた…その追い込みの中で上手にできたって事はこれからのプラスになったのかなって思います。
真央さんはこのあとグランプリファイナルで再びトリプルアクセルに挑みましたが失敗。
難しい演技への挑戦はまだ道半ばです。
2007年放送の「ドキュメントスポーツ大陸」。
トリプルアクセルに果敢に挑戦する浅田真央さんの姿でしたけれどもこのジャンプでは伊藤みどりさん先駆者でいらっしゃいますよね。
やっぱり特別な思い入れのあるジャンプではないですか?そうですねやはり自分の何がオリンピックとか世界選手権で見せたいのかとか自分のモチベーションとなるものがやはりトリプルアクセルでしたのでそれをできた時の満足感というんですか充実感はやはり頑張っててよかったって思う瞬間でしたので…。
やはりでもそこを成功させるまでも当然たくさん練習したり自信をつけたり失敗したり真央ちゃんもね随分苦労したり悩んだりうまくいかなかったって話もしてましたけどでもそれをうまくタイミング合って気持ちも乗ってできた時のトリプルアクセルがやっぱり質のいい…得点にもつながっていると思うのでそれに何と言っても誰も跳んでいないというか誰もやってないものをまた世界に見せたい挑み続けてるっていう事はすごい事だなと思って今真央ちゃんのトリプルアクセルを見ながら思ってましたね。
刈屋さん。
伊藤みどり選手そして浅田真央選手がこのトリプルアクセルに挑戦をして成功させている事というのは女子フィギュアの世界にとって刺激にもなってるでしょうしやっぱり影響も…。
ものすごく大きいと思いますよね。
フィギュアスケートっていうのは技術の部分と芸術の部分その両方で世界を競う訳ですよ。
それが技術的な進歩がもしなければ芸術の部分で勝負するという事になった時に何をもってどっちが優れているかっていう基準がどんどん曖昧になっていってしまいますよね。
ですからやっぱり技術的な部分はとっても重要でですから伊藤みどりさんがすごいトリプルアクセルを見せる事によって見てる人の心がやっぱり揺さぶられる訳ですよ。
同じように跳ぼうとする人も出てくるしそれに負けないジャンプをやろうとする人も出てくるしあるいはスピンやステップでその得点をしのごうする人も出てくるしほかの選手たちにどんどん波及していく訳ですね。
そこにやっぱり女子のフィギュアとしての進歩がある。
同じように浅田選手がやはりプルシェンコですとかほかの選手が一番高く評価してるのは最高難度の技を常に挑戦し続けたプログラムを作ってきた事だっていう事なんですよ。
つまりやはり伊藤みどり選手にしても浅田選手の挑戦っていうのは女子のフィギュアスケートをスポーツとして前進させてきたその大功労者であるというふうに思いますよね。
そうですね。
体の変化とともにトリプルアクセルを跳ぶのがだんだん難しくなってきたという場面がありましたよね。
ご自身もそういう体の変化とともに感じる難しさというのはありましたか?私の場合はやはり高校生ぐらいになるとやっぱり食べたい食べたいとか思った時期を自分でコントロールしなきゃいけなかったり成長とともになかなかうまくタイミングが合わなかったり身長がねキュッと伸びたり…。
もちろんトリプルアクセルって難しい技はたくさん練習しないといけないですのでそこはやはり私なんかはダイエットしながらとか練習をし続けましたけれども。
私が初めてトリプルアクセルを跳んだNHK杯の時のトリプルアクセルと92年のアルベールビルの2回目でトリプルアクセルを成功させた時と同じトリプルアクセルでもジャンプがこう…。
もちろん年齢も違いますしその時にかかるプレッシャーも違いますしその時の気持ちだったり体調であったりまあタイミングであったり全てのものがこう…マッチしていないと自分の理想とするトリプルアクセルはできていませんでしたね。
やっぱり刈屋さんこの体の変化それから年齢によるスケーティングの違いっていうんでしょうかね難しさっていうのは…。
難しいと思いますよ。
数多くの選手を見ていくと大体10代の選手がまず世界のトップに躍り出てきますよね。
ジュニアからシニアに移る14〜15歳。
この時にすごいなと思った選手が2シーズン後3シーズン後にいなくなってるケースの方がむしろ多かったり「あれ?どうしちゃったんだろう」っていうぐらいに跳べなくなってたりとか…。
だからその中でやっぱりジュニアからシニアに移ってきて10年間世界のトップに居続ける浅田選手がいかに努力してるのかって事がうかがえるんじゃないかなと。
では次の番組ご覧頂きましょう。
先ほどの番組から7年後23歳になった浅田選手を追っています。
目標だったバンクーバーオリンピックの金メダルには届きませんでした。
その後自分のスケーティングを一から見直しスケート人生の集大成としてソチオリンピックを目指した浅田選手に迫っています。
2014年の「NHKスペシャル」からご覧下さい。
風が強すぎてマップが。
シーズン前真央さんはお姉さんと一緒にニューヨークを訪れていました。
これ乗っちゃいましょう。
サンキュー。
ソチオリンピックをどのようなプログラムで戦うのか。
(ノック)ウェルカム。
ウェルカムハ〜イ!演技の曲を決めに来たのです。
待っていたのはタチアナ・タラソワさん。
バンクーバーオリンピックでもコンビを組んだ振り付け師です。
フリーの演技の曲選び。
1曲目はワルツ。
もう一つは「ピアノ協奏曲」。
最後と決めたオリンピックにどちらの曲で挑むのか。
真央さんが選んだのはロシアの作曲家ラフマニノフの「ピアノ協奏曲」でした。
心の病に苦しんでいたラフマニノフ。
病気を克服し数年がかりで作り上げた大作です。
苦難に満ちた人生を色濃く反映した旋律。
真央さんは強く引かれました。
金メダルを目指して臨んだ初めてのオリンピック。
前半のショートプログラム。
(歓声)トリプルアクセルを成功させます。
後半のフリー。
(解説)トリプルアクセル。
(実況)完璧に回りきりました。
更にもう一回。
(歓声)オリンピック史上初めて合わせて3回トリプルアクセルを決めました。
しかし…。
そのあとのジャンプで続けてミス。
願いはかないませんでした。
金メダルは韓国のキム・ヨナ選手。
スピード感と表現力あふれる演技で得点を積み重ねていきます。
(拍手と歓声)2人の得点差は20点余り。
なぜここまで大差がついたのでしょうか。
2人の得点を比べてみます。
ジャンプやスピンなどの技術点の差はおよそ17点。
主に表現力を表す演技構成点では6点。
トリプルアクセルを3回決めたにもかかわらず技術点の差が大きい事が分かります。
更にその差を決定づけたのがジャンプの出来栄えによって加算される得点。
真央さんの場合トリプルアクセルを含むほとんどのジャンプが0点台。
それに対しキム・ヨナ選手は全てのジャンプが1点から2点加点されています。
その差は10点近くに上っていました。
フリー1回目のトリプルアクセル。
踏み切りで力んで沈み込んでいました。
なんとか回りきろうとふんばって跳び上がっていたのです。
そして2回目。
スピードが落ち見栄えが悪いと見なされました。
金メダルへの最大の武器と考えていたトリプルアクセル。
逆に大きな課題を突きつけられたのです。
自分のジャンプを一から見直したい。
バンクーバーのあと真央さんは新しいコーチの指導を仰ぎます。
佐藤信夫コーチ。
数多くのオリンピック選手を育ててきた世界指折りの指導者です。
佐藤コーチが真央さんに指示したのはジャンプを跳ぶ前にまず基礎からやり直す事。
ジャンプに意識が行くあまり土台となるスケーティングが乱れていると指摘されたのです。
佐藤コーチが求めたのはスピード感あふれる力強い滑り。
121212…。
はいいいです。
一蹴り一蹴り氷を強く押し力を伝えきる。
スピードに乗った滑りができれば流れるようなジャンプが跳べると考えたのです。
ただ押すだけじゃスピードって出なくてもっと氷を捉えて上下運動しないとか自分の感覚が全然最初の方は出なくて。
どうやって…こういう感覚なのかな違うのかなって思いながらやっていた。
バンクーバーの次のシーズン。
真央さんはこれまで経験した事のないスランプに陥ります。
試合でトリプルアクセルが決まりません。
ほかの演技にも影響する悪循環。
シーズンを通して一回も優勝できなかったのはシニアになって初めての事でした。
佐藤コーチと話し合った真央さんはトリプルアクセルを試合で跳ぶのをやめました。
自分の演技の中心にあった大切なジャンプを失う事になったのです。
オリンピックの舞台でまたトリプルアクセルを跳びたい。
今シーズンを前に新たな筋力トレーニングに取り組み始めました。
678。
鍛えるのはジャンプの回転の軸となる体の中心部分。
速いスピードに耐えられる強い体をつくるためです。
12345。
バンクーバー以降助走スピードを上げようとしてきた真央さん。
その成果がようやく見え始めていました。

(拍手)
(拍手)大きな自分の武器として見せ場として今シーズンも挑戦していきたいなという思いがあります。
シーズン直前真央さんはタラソワさんのもとでプログラムの振り付けを決めていました。
ソチオリンピックに向けて作るのはほかの誰にもできない最高難度の演技構成。
ラフマニノフの「ピアノ協奏曲」に乗せて滑ります。
今シーズンのフリー。
そのジャンプの構成です。
3回転半のトリプルアクセルを最初に据え3つの連続ジャンプを含む7つのジャンプを跳びます。
この構成をバンクーバーと比べてみます。
トリプルアクセルは減りましたが難しいジャンプが増えた事で基礎点は5点以上アップ。
フィギュア女子の歴史で誰も成し遂げた事のない高得点を狙うプログラムです。
プログラムのテーマは真央さん自身のスケート人生。
18年間の喜びと苦しみそして出会いと別れその全てを込めます。
(拍手)練習のあと見ていた人が駆け寄ってきました。
サンキューベリーマッチ。
誰にもできない事に挑み続けてきた。
その自信が真央さんを強くしていました。
ソチオリンピックまであと3か月。
本番に向け試合でどこまで力を出し切れるのか。
練習で成功させてきたイメージを確認していました。

(拍手)フリーの演技。
冒頭のトリプルアクセル。
(拍手と歓声)スピードに乗ったジャンプ。
僅かに両足を着きましたが流れは止まりませんでした。
助走スピードはバンクーバーの頃より大幅にアップ。
スピードを生かして跳び上がりました。
踏み切る姿勢はバンクーバーと比べ沈み込んでいません。
氷に着いた右足は止まらず流れるような軌跡を描いています。
トリプルアクセルが演技に勢いをつけていきます。
自らのスケート人生を演じきる最高難度のプログラム。
中盤の連続ジャンプ。

(拍手)体力的に厳しい終盤。

(拍手)次々と成功。
苦しみながら自分と闘い続けたこの4年間。
その思いを最後のステップに込めます。

(手拍子)
(拍手)
(拍手と歓声)
(拍手)
(場内アナウンス)「136.33」。
(拍手と歓声)
(実況)136.33!207.59。
出ました浅田真央自己最高得点!バンクーバーオリンピックで出した自己最高得点を3年9か月ぶりに更新。
最高難度のプログラムに挑んだ事が確かな成長につながっていました。
とにかく最後にやったって思えるような演技をする事が今一番そうなりたいなって思っている事ですね。
やっぱり笑顔で終わってるのがいいなと思っていて。
だから本当に最後のステップは全ての力を出すっていう思いでやってます。
最後のオリンピックで最高の演技を。
浅田真央選手23歳。
その思いを胸に金メダルに挑みます。
バンクーバー大会のあとにスケートを一から佐藤コーチのもとで見直した浅田真央さんですけれどもやはり長い間スケートをやってそれなりの成果を上げてきた選手がこういう一からやり直すっていうのは大変な挑戦なんじゃないですか?そうですね。
まずすごい勇気がいりますね。
今まである程度できたものを一からスケーティングからやり直すっていうのはすごい大変な事に挑戦し始めたんだなというのは思いましたね。
通常だったらジャンプの技術の矯正から入るんですよ。
跳び方だけ変えたりとかっていう事を。
それをですね本当にスケーティングそのものの技術を…。
基本の滑りから…。
基本の滑りからやり直す…っていう事はこれ言葉で言ったら簡単ですけど僕はそこまでやった選手ってのは彼女しか知りませんしこれ大変な事だろうなと思って見てまして…。
何が大変かっていったらそれをまずしっかりと1年か2年の間にマスターしなければいけないっていう事とその間に試合で負ける事が出てくる訳じゃないですか。
それに耐えて必ずその技術を物にするんだっていうこの本当にしんの通った信念というかこれはすごいなと。
必ずうまくいくって保証は何もないんですよね。
私だったら多分しないと思いますね。
もしやったとしても自分がうまくできなかった時の心の…っていうんですかまた次できるんだろうかその不安の方が大きくなってしまう…。
そういう本当に人間が成長する上で本当に頑張らなきゃいけないところを頑張ってる真央ちゃんの姿がやっぱり応援したくなる頑張れと私たち見てる方ものめり込ませてしまう要素を人間的にもとても魅力的だなっていうのは思いながら応援してましたね。
そしてこうした基礎の基礎から見直すというところと併せて最高難度の演技というものにも取り組んでいった訳ですよね。
フィギュアというのは点数で感心や感動するものではなくて作品そのもので見てる人の心を揺さぶってこそのスポーツである…っていうどちらかというとやはり浅田選手はそういうスタイルなんですよね。
ですからその中で女性ができる最も最も最高難度のジャンプの種類を組み込んでなおかつ見てる人の心に訴えかけるようなスケーティングや音楽表現やそういうのも全部入れたこれこそ最高の女性のフィギュアだろうっていうのをソチでやろうというのがこの時の彼女の考えですね。
その4年間の集大成がソチオリンピックだったんですけれどもショートプログラムで浅田選手はトリプルアクセルの転倒などでまさかの16位。
それを受けたフリーのこん身の演技短くですけれどもご覧下さい。
(場内アナウンス)「マオ・アサダ」。
(拍手と歓声)
(実況)こだわってきたトリプルアクセル。
(解説)トリプルアクセル。
(実況)スッと降りた。
(解説)トリプルフリップ。
トリプルループ。
(解説)トリプルフリップダブルループダブルループ。
3連続も安定しています。
(解説)トリプルループ。
(実況)全て跳んだ。
(解説)力強い情熱的なストレートラインステップです。
(拍手と歓声)
(解説)いや〜すばらしかったですね。
(実況)浅田真央のスケーティングです。
いや〜もう本当この演技を本当に世界中の人たちが過去にもう一回演技を見たい演技はどれかっていった時の中の一つに必ずこのソチのフリーは挙げられるぐらいとても感動的な…。
技術…もちろんトリプルアクセルとか全ての技術もあるんですけどトータル的な真央ちゃんの思いが詰まった演技っていうのはやっぱり心を打たれるフリー演技でしたね。
でもこの演技を終えた時に真央さんが休養という選択をした時の気持ちは推し量る事ができますか?やはりこれだけねこう張り詰めた中でストイックに練習したり試合に出たり…。
あのままずっと思いのままで続ける事はやはりもう彼女の中では思いがいっぱいで悩む時期だったんでしょうね。
そして1年の休養を取ってバンクーバーソチに続く今度はもう3度目の挑戦のために戻ってきた訳ですね。
さあ今シーズンの真央さんどうご覧になってますか?本当に1年をお休みしていてジャパンオープンに出ていた時はこのレベルまで持ってい…。
シーズン始めの中にこのプログラム構成で挑戦していく事がすごいなというのは思いましたね。
本当にそうですね。
それとやっぱりソチの時にフリーですばらしい演技をしました。
でも彼女がやっぱりハーフハーフと思ったのはまだ表現力の部分がちょうど自分でいろんな事が分かってきて更に自分でこういうふうもできるっていう本当にこうまだその部分がね上り調子だった部分を体のどこかで感じてたんじゃないかなと思うんですね。
ですからもっといい作品が出来るかもしれないっていうふうに心のどこかで思っていた事が復帰する大きなエネルギーになったんじゃないかなという推測をしてるんですけど。
でもやっぱりその境地に行くまでにはやはり1年休養という時間がなければ真央ちゃんの自分の気付きがなかったと思うのでやはり1年自分のスケート人生を振り返りながら今後を考えて「やっぱりやりたいんだ。
試合に出たいんだ」っていう思いがやはり更に強くなってそれが後押しになって帰ってきたのかなっていうのは思いますね。
はい。
それではここで先日行われたグランプリファイナルでの浅田選手の演技短くですけれどもご覧下さい。

(解説)トリプルアクセル!
(実況)きれいに決めた!次も大事なジャンプです。
(解説)落ち着いていってほしいです。
トリプルフリップトリプルループ。
(実況)高さも最高。
(歓声)
(実況)つなぎの演技で場内に悲鳴が起きました。
(実況)さあ練習で決められなかったルッツジャンプに挑みます。
(実況)あ〜。
手拍子が起きます。
最強のステップ。
(拍手と歓声)復帰のシーズンでグランプリファイナル出場というのは本当に快挙だと思いますけれどもこのファイナルでは6位という結果でしたね。
あの…この前のファイナルはいまひとつちょっと調子が悪かったですけれども例えばトリプルアクセルにしてもすごい力強いトリプルアクセルが戻ってきているのが印象とやっぱりすごい進歩しているところに輪をかけて表現力真央ちゃんしか出せない味ができているという事は戦える力があるんだという事を見せた事によってこの波っていうのは全然私は心配にしてない事でならないんじゃないかと。
今のを見ても明らかに表現力が増してますし多分生で見たらもっとはっきり分かると思うんですけれども緩急がものすごくつくようになってきたんですよね。
ですからそれはやはりスケート技術を基礎から見直してきた成果。
ですね。
やはり今まで経験した事を踏まえながら唯一無二のスケーターになって帰ってきているなという印象を受けますね。
浅田さんが活躍していく上での課題というものがあるとしたら?やはり周りの声に惑わされないという事だと思います。
やっぱりいろんな声が入ってくるしいろんな期待の声が出てくると思いますし自分自身も目の前の大会での結果という事を求めてくる気持ちとの闘いにもなると思いますけれどもでもやっぱり彼女の浅田真央としてのアスリートプラスアーティストとしての最高傑作これが見たいんですよね。
恐らく本人もそれを作りたいそれをどこかで披露したいというできればオリンピックであってほしいんですけれどもでもその作品を是非到達してほしいなという思いですよね。
4年後のオリンピックを期待する声も大きいんですけれども。
私はそんなに焦る事なく真央ちゃんなりのペースでやはり若い時のようになかなか思うように体が動かなかったり疲れとかは年齢とともにきっとくるでしょう。
でもやはり自分の心と体に耳を澄ませながら一日一日を過ごしていく事がすごい大事な事であってそれがオリンピックにつながる道…第一歩だと思うので大変な事はたくさんあると思うんですけれどもそれを乗り越えた暁にはやり終えた時の満足感充実感はやはり試合でしか味わえない事なんですよね。
だからやっぱりそれが恋しくて真央ちゃんは試合に帰ってきたと思うのでそれを忘れず頑張ってもらいたいなと思っています。
今日はどうもありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2015/12/27(日) 13:05〜14:15
NHK総合1・神戸
NHKアーカイブス「浅田真央 飽くなき挑戦〜シニアデビューから10年〜」[字]

世界の舞台に戻ってきた浅田真央選手。シニアデビューから10年、いまめざす理想のスケートとは?これまでNHKが記録した番組から進化の軌跡と、今後の可能性を考える。

詳細情報
番組内容
この冬、フィギュア浅田真央選手が世界の舞台へ戻ってきた。15歳のシニアデビューから10年。ジャンプの素質でトリプルアクセルに磨きをかけ臨んだバンクーバー大会、一からスケートを見直し、総合力の向上に心血を注いだソチ大会、そして「達成感をまた感じたい」とさらなる進歩をかける現在。25歳の浅田選手が目指す理想のスケートとは?その可能性は?伊藤みどりさんを招き、NHKが記録してきた番組や最新映像から占う。
出演者
【出演】伊藤みどり,【解説】NHK解説主幹…刈屋富士雄,【キャスター】森田美由紀
キーワード1
フィギュア
キーワード2
浅田真央

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ
スポーツ – マリン・ウィンタースポーツ
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:860(0x035C)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: