楽しむ事ができるんですよね。
(テーマ音楽)ありがとうございました。
(拍手)
(大竹)いや〜!面白いっすね。
(又吉)やっぱり落語は面白いですね先生。
まあやっぱりね年の瀬は笑って過ごしたいですよね。
そうですね。
先生あのう笑いっていう感情をですね何か経済学でその感情に対する研究みたいなものは何かあるんですか?ありますよ。
あります!?はい。
笑いがね私たちの選択や選考に影響するっていうことは意外に多いんですよ。
あっそうなんですか。
はい。
ですから又吉さんお笑いの世界にいるんで必然的にその影響出てるはずですよ。
へぇ〜!そうですか。
はい。
(たい平)どうもありがとうございました。
あっ!いや緊張しますね何か。
お二人だけを前に落語ってのはすごい緊張します。
いやたい平さんもうすごいよかったです。
そうですか。
ありがとうございます。
今回のゲストは落語家の林家たい平さん。
大学卒業後林家一門に入門。
テレビや映画などでも大活躍のたい平さん。
笑いを巡って又吉さんとどんな会話を交わすのでしょうか?
(兄)ねえ父さん「喜怒哀楽」っていうけど「喜」も「楽」もうれしい時の感情だよね。
何が違うの?
(父)う〜ん。
(兄)喜ぶは分かりやすいけど「楽」って具体的にどんな感情なんだろう?
(父)う〜ん。
(兄)もういいよ。
「オイコノミア」見てれば分かるだろうし父さんの役立たず…。
(父)う〜ん。
今の気持ちが「哀」だということはよく分かるよ…。
お笑い芸人の又吉さんいつもどうやったら人を笑わせられるのか考えているのですよね?今回の「オイコノミア」そんな又吉さんの本丸「笑い」についに経済学から斬り込みます!実は経済学には「笑い」の研究がたくさん。
人々に笑いつまりは幸福をもたらすことが経済学の使命だからなのかもしれないですね。
又吉さんは高座に上がられたことあるんですか?いや僕高座はないですね。
やっぱり立ってしゃべってるのと実際座るのでは全然こう客席の見え方が違うんですよね。
ちょっと座っていただいて。
座っていいんですか?ええどうぞどうぞ。
すいません失礼します。
あ〜!なるほど。
どうですか?やっぱ全然違いますでしょ?お客さんの顔が近いですね。
そうなんですそうなんです。
高座僕たちは「高座」って呼んでるので高く座るんですね。
だからお客さんを少しこう見下ろすような形で。
はいはい。
笑う時ってアッハッハッって笑うじゃないですか?はい。
下向いてお客さん下向いてるとあごがこうきてますからアッハッハッって笑えないんですよ。
うん。
はいはい。
だから少しお客さんは上向いてるようなぐらいのほうが笑いやすいんです。
アーハハハッ。
なるほど。
お話はしやすいんですね。
じゃこれは。
そうなんです。
ただもうリアルにというかもう反応がすぐに伝わってきてしまうという。
よければいいけど駄目だった時は怖いっていう。
怖いです怖いです。
スタイルですよねこれは。
はい。
そんな高座の上からお届けする「オイコノミア」!大いに笑っていただきます!トゥフッフッフッフ〜。
(笑い声)たい平さんも又吉さんも落語と漫才っていうことでジャンルは違うんですけどもどちらも人を笑わせるっていう仕事をされてますよね?どういうきっかけでこのお仕事をされるようになったんですか?子供の頃からひょうきん者っていうふうには近所では言われてたんですね。
でも落語に出会ったのは大学生でして。
僕大学でデザインの勉強してたんですけど。
デザインは人を幸せにするためにあるという何か抽象論だったんですがどうやったら幸せになるかなと思ったときにある時落語に出会ったんですよ。
であっそうか!絵を描いてデザインしなくても落語でしゃべって人が幸せになる。
だったらこれは同じことやってるんだなと思ってそれからすごく落語に興味を持って。
うん。
やっぱ…うん。
こんないい仕事ないなというので今落語家になってるんですけどね。
又吉さんは?そうですね僕はひょうきんではなかったんですけど。
ホント?ひょうきんではなかったんですがお笑いがすごい好きだったんです。
見てて芸人さんのやるネタとかが好きでそれで自分でもやりたいなと思って人がやっぱり笑ってくれるとうれしいんですよね。
それでなったんですけどね。
すっごいうれしいですよね。
やっぱり笑ってもらうっていうかこんなにたくさんの笑顔を自分がこうしゃべってるのに独り占めできるっていうね。
ねえ。
そうですね。
ありますよね。
ああそうですか!はい。
たい平さんも又吉さんもそう言われると少し責任感ある話になるかもしれませんよ。
責任重大ですね。
そうですね確かに。
今ね日本まあ結構不況が長く続いたじゃないですか。
でこれからもまあねえ明るいほうになってほしいけれども必ずしもそうはなるかどうか分かんないっていうところありますよね。
でもまあそういう時代にこそ……なるかもしれないんですよ。
(2人)ふ〜ん。
その又吉さんに日本経済の未来がかかってると。
あっ!いや僕だけにかかってるわけじゃないですから。
かなりかかってますよ。
いやそんなことないです。
(手をたたく音)中嶋君例のあれ。
あっなんかどっかの番組に似てますね。
そうですね。
「例のもの持ってきて」ってやってましたね。
はい。
え〜っとこちらをご覧いただきたいんですけれども。
これはですねGDPの成長率とお笑い番組の放送時間をグラフに取ったんですよ。
あっ。
う〜ん。
似てますね!ああ似てる。
ギザギザがね!でしょ?GDPの成長率とお笑い番組の放送時間確かに2つのグラフには関係がありそうな感じですねぇ!ホントにピッタリ!更に景気が停滞した時期にお笑いのブームがやってくるとも言われています。
先輩たちから僕聞いたことありますよ。
ああそうなんですか。
それこそ柳家金語楼師匠だとか。
すっごい爆笑王で売れたような師匠とかの時にはもう大不景気だった。
はい。
うん。
へぇ〜!…っていうふうに聞きましたね。
へぇ〜!そうなんですね。
はい。
それはやっぱつながりが昔からあるっていう。
そうみたいですね。
やっぱり笑うと元気になるじゃないですか。
不景気だとみんな沈み込んじゃってて。
笑いを求めるんでしょうね。
そうですね。
暮らしの中に。
だから多分ね…なんでしょうね。
リーマンショックとかテレビでやってた時にあんまり直接僕たちの職業とは関係ないと思ってたんですけどこのグラフで見るとムチャクチャ関係あった…。
(笑い声)気が付かなかっただけでね。
気が付かなかったですけどもしかしたら確かに全体もう80年の頃からなんとなくこう関連性があるような動きですもんね。
そうですね。
僕が落語家になった時にはバブル全盛期だったんですよ。
すっごいバブルだったから大学卒業した同級生ももう就職し放題。
ボーナスすごい出る。
だから演芸場はもうガラ〜ンとしてて。
えぇ!?そうなんですか。
だって働いて給料もらってワッハハッワッハハッ笑ってればわざわざお金払って寄席に来て笑おうなんてしなくていいわけですよね。
なるほど。
だからお客さんも少ないしなり手もいなかったんですよ。
へぇ〜!全然前座って言って修業の人間が入ってこないので僕たち一番少ない…これ生涯前座って言って修業で終わっちゃうんじゃないかなって。
下が入ってこないから。
なるほど。
いつまでも1年生みたいな。
そうそうそう。
へぇ〜!それバブルだったですよ。
だからまさに。
ああそういうのもあるかもしれないですね。
就職状況がよかったらお笑いには入ってこないと。
こない。
まあ不況の時にお笑いブームになるっていうことで…確かに。
でそういう大きなエネルギー持っている可能性があるとまあ経済学では考えられてるんですよ。
ですからねたい平さんも又吉さんもこの時代大変大きな責任があるんですよね。
2回目ですよ。
僕の責任もう2回目です。
なんか背負わされてますよね今。
アハハハハッ!まさにその「笑う門には福来る」という。
責任重大ですよ!又吉さん。
アハハッ。
僕に押しつけないでくださいよ。
アハハハハッ!でも大事ですよねお笑いは。
ホント大事。
そうですよ。
まあこの番組ねお笑い番組じゃないんですけども。
ああそうだったんですか!?はい。
経済の番組です。
「オイコノミア」見てまあ大いに笑っていただいてそして景気回復っていうことになればいいですね。
いやホントそうですね。
笑うと楽しい気分になって何となくいい事がありそうだっていうのはみんなが誰でも感じてる事かもしれないですよね。
実は行動経済学の研究でも人は……というふうにそのうそういう実験結果があるんですよね。
もう実験が出てるんですね。
この実験…片方のチームには大爆笑のコメディー番組をもう片方には風景が写るビデオを見せてその後計算テストをさせたのですがなんとな〜く結果は想像できますよねぇ。
ねっ。
どうですかね?まあ笑って幸せになってるわけですからいい状態で計算に向かえてるかもしれないですけど笑いすぎた人はもうどうでもよくなって。
アハハハッ!ものすごい点数下がってる可能性もありますよね。
頭トッチラカッテルかもしれないね。
そうですね。
やっぱりねコメディービデオを見てその幸福度が高まったグループというのは足し算の正答数が風景ビデオを見た人たちよりも…
(2人)えぇ!?1割ですよ。
1割!1割も。
はい。
どういうお笑いのビデオ見せたのか気になりますね。
見たい見たい見たい!最近そういえば会社の皆さんで落語を聞くっていうそういう機会が多いんですよ。
ああ。
多分それって笑ってまたあしたから楽しく仕事ができるっていう今の先生の話を聞くと生産性が上がるってことですか?そうかもしれないですね。
ねえ。
そういうことできっと企画してくれてるんですね。
そうですよね。
仲よくなりそうですしね。
落語見に来たら。
なんかもっと映画とか見てしまったらそれぞれ意見分かれて仲悪くなるかもしれんけど落語とかだとみんなでこう一緒に楽しんで帰れそうじゃないですか。
う〜ん。
どうですか?朝礼の時に流す落語漫才シリーズっていうのを。
アハハハハッ。
朝礼でですか?はい。
いいかもしれないですね。
あっ会社で?そうそうそう。
それでも先生ホントにヒットするんじゃないですか?私もこの研究結果もうちょっと早く知っておけば「子供を試験前にちゃんと笑わせてやったのに!」って思いましたね。
アハハハハッ。
そうですね。
緊張感持たすよりもそうやったほうがもしかしたらいいかもしれないですよね。
テストとかだと。
そうなんですよ。
だから校長先生の朝礼で校長先生もなんかダジャレとかおやじギャグとか言うといいですね。
朝礼の時にね。
ちゃんとウケないと駄目ですけどね。
スベったらどうなんですかね。
そういう時。
余計何か緊張感を生み出してしまうかもしれないですね。
一番偉い人がスベっちゃうと…。
(笑い声)ええその可能性もありますけど。
うん。
やっぱり朝礼用のやっぱお笑いビデオですよ。
これからは。
なるほど。
先みんなで見て。
はい。
いいかもしれないですね。
作ろうとしてないでしょ!全然!ハハハハッ。
全然作ろうとしてないですよね。
絶対作ろうとしないです。
そんなことないですよ。
早速今夜からもう。
今夜から!?制作に取りかかりたいと思います。
ハハハハッ。
(笑い声)あれ大竹先生の経済学って何か心理学的でもありますよね?そうですね。
伝統的な経済学はねロボットみたいな人間っていうかまあね心がないような人間で自分のことだけ考えてすごく計算して利益を最大化するような…。
はいはい。
…人を想定してたんですよ。
はい。
でもまあそういう人あんまりいないですよね?う〜んいない。
だけどまあマーケットで生き残るのはそういう人なんですけども。
はぁ。
だけど大多数の人はそうじゃないんですよね。
私たちやっぱりそのう感情で生きてますからそのうすごく腹が立ったりとかねえ楽しくなったりしたときにもう行動が変わったりするじゃないですか。
うん確かに!「やけくそだ〜!」って言ってすごくたくさん買い物して女の人たちはなんか意外と心が落ち着いたりとかね。
そうですね。
そういうのも経済影響しますよね。
そういうことを取り入れた学問というのが「行動経済学」って言われてるんですよ。
あるんですか。
はい。
それが最近になってどんどん進んできてて今まで紹介したような研究っていうのは行動経済学の研究ですね。
えぇ〜!今年9月アメリカのオバマ大統領が大統領令を発表しました。
これは大統領の命令。
そこには今後……と書かれています。
行動経済学は今世界的にも注目を集めているのです。
例えばねこう家電製品屋さんに行ってず〜っとこう掃除機2万3,000円なんですけど。
い〜や2万3,000円かと思って1週間毎日いやどうしよう?2万3,000円かぁって思って。
やっぱちょっと2万3,000円は高いなぁと思って帰り道にスナックに寄って4万円使っちゃたりするんですよね。
4万円で掃除機買えたなぁみたいな。
そうですね。
なんですかねあれね。
多分あれそれは2万3,000円の掃除機買えなかったっていうストレスを飲むことによって…。
アハハハハッ!だから買ってりゃ多分4万円も飲んでないと。
飲まなかった。
そうか。
恐らく…。
確かにそうかもしれない。
まあもうひとつはねメンタル・アカウンティングというのがあって。
だから掃除機だったら2万円とかっていうのを大体想定してちょっと高いか安いかとかって考えるんですけど飲むのはまた全く違うこうお財布があって。
あっ確かに。
それで考えてしまうと。
ああ。
野菜とかだったら10円20円高いか安いかとかって一生懸命悩むじゃないですか?はいはい。
だけどそのう例えば又吉さんがちょっといい服を買うときにまあ1,000円ぐらい違ったらこういろいろ悩むかもしれないけど10円違うかどうかで悩まないじゃないですか。
そうですね。
だけど同じ10円なんですよね。
確かに。
ホントですね。
はい。
そういうもの何に使うかによってもちょっと。
はい。
感覚が違ってきますよね。
なるほど。
ホントだ。
そういうのが行動経済学?そうですね。
へぇ〜!はい。
(笑い声)たい平さん。
はい。
実はね私以前講演会で落語と経済学をテーマにお話しさせていただいたことあるんですよ。
あっ落語?はい。
あっそういえば落語ってすごく経済的なことを扱って笑いにくるんでこうみんなに教えるみたいな。
そういう話ってありますよね。
今日はねまあそういうことでちょっと無理言ってたい平さんに経済と関わるような落語を見せてもらおうと思うんですよ。
はい。
ぜひ見てみたいです。
お願いしたいのは「千両みかん」。
「千両みかん」。
まあ落語の話の中にはね価格の不思議さを笑いにしたものっていうのがいくつかあるんですけれども中でも「千両みかん」っていうのは…確かに。
僕も大好きな話の1つです。
(出囃子)
(拍手)え〜一席の間のおつきあいを願っておきますがある大店の若旦那心の病でもって患いついてしまいました。
まあ心の病ですから両親にはなかなか話すことができない。
そこで「誰に話せるんだ?」と聞いたところまあ子供の頃から世話になってる番頭さんにだったら話せるということになりまして番頭さんが若旦那の部屋に参ります。
「何ですか?私に言ってください」。
「実はねみかんが食べたいんだよ」。
「えっ?みかん!?みかんが食べたくて大店の若旦那が患ってたんですか?なんですね。
どんなことだと思ったらみかんが食べたかった。
だったらね部屋中みかんだらけにしますんでそれでみかん食べてすぐに元気になってくださいよ」。
「旦那様分かりました」。
「どうしたい?」。
「ええみかんが食べたいそうでございまして『そんな事だったらみかんたくさん買ってきますんで』と言ったら何だか赤みが差してまいりましてすぐに元気になりますよ」。
「番頭さん何て事を言ったんだい。
今は季節をいつだと思ってる。
真夏ですよ。
この暑い夏にみかんどこにある!?」。
「いけません!どうしましょう?」。
「『どうしましょう?』ってここで悩んでたってしかたがない。
江戸は広い。
何とか探し出してくれ」。
江戸じゅうを探してようやくみかんをたった1つ見つけた番頭さん。
しかしその値段は千両!?今の金額でなっななななななな〜んと!およそ1億円!困った番頭さんは大旦那に相談します。
すると…。
「安いじゃないか!千両でせがれの命が助かるんだったら安い!番頭さん買ってきておくれ」。
「若旦那みかん買ってきましたよ」。
「はぁありがとう。
おとっつぁんが千両出してくれた。
むいとくれ」。
「みかん10袋。
1袋百両か。
この筋だって1分ぐらいの値はあるな。
若旦那食べてください」。
「ありがとう」。
(食べる音)「はぁおいしいよ。
ありがとう!」。
「百両…2百両。
ああ3百両と4百両まとめていっちゃった…。
5百両6百両7百両…」。
「番頭さん。
これであたしは元気になります。
あとここに3袋残ってます。
1つは千両出してくれたおとっつぁんにもうひとつはおっかさんにあとの1つは暑い中江戸じゅう走り回ってみかんを見つけてくれた番頭さんお前さん食べとくれ」。
「分かりました。
ありがとうございます。
そうさせて頂きます。
早くよくなってくださいよ」。
番頭みかん3袋持ちまして廊下に出ます。
「はぁ。
長いことここに奉公して来年正月明けにのれん分けしてもらえる時のお金が多くて50両だ。
今俺の手の中にはみかん3袋…3百両!のれん分けしてもらえる金が50両…。
今俺の手の中には…3百両!50両!3百両!」。
「番頭さん。
よく頑張ってくれた。
のれん分けですよ。
お前さんののれん分け50両だ」。
「ありがとう存じます。
旦那様ありがとう存じます」。
「それからうちのせがれが患ったときに番頭さんには随分と世話かけた。
みかん買ってきてもらった時にねあたしも心配でどうなるかと思って廊下に出たんだ。
そん時に番頭さんが手の上にみかん3袋載せてね『50両!3百両!』。
つらい思いをさせてしまった。
悪かったね。
だからね今日はここに50両とは別に3百両を支度をしたからこれ持っとくれ」。
「いや〜そんな3百両なんて畏れおおございます!」。
「いいから見てごらん!」。
「へぇ!よろしいんですか。
あっ…みかん3袋」。
(拍手)ありがとうございました。
面白〜い。
面白い。
たい平さん。
ありがとうございました。
いやいやお恥ずかしい。
ありがとうございました。
ホントに心の底から笑いました。
いや〜もうすごい駆け足で。
はい。
ホントにあのねぇ30分近くゆっくりやるとある話ですから。
多分大竹先生が知ってる「千両みかん」ではないと思うんです。
そうですね。
実はあのホントの「千両みかん」っていうのは「3百両!50両!」って言いながらあの番頭がいなくなっちゃうんですよ。
はいはいはい。
だけどそれはあまりにも悲しいなって。
はい。
次の日とか気が付くわけじゃないですか?うわ〜!3百…みかん持って今まで何十年も勤めたのにみかんで人生棒に振るみたいだから。
何か救いの手がないかなと思ってあそこからの先は自分で考えたサゲなんです。
ああそうなんですね。
50両3百両のところは駄目だ駄目だと思いながら見てましたもん。
そうでしょう。
駄目だぞって。
アカンアカンアカンって思いながら。
悪魔がこの辺にいてね。
はい。
このね「千両みかん」の笑いのポイントっていうのはまあね言うまでもないんですけども…それと……というのを誤解しちゃうっていうところですよね。
う〜ん。
だからその10房千両の価値があるのは大旦那だけなんですよね。
この世にね。
他の人にそんな値段で売れるわけがないのに共通価値があるっていうふうに番頭さんが誤解しちゃうと。
う〜んなるほど。
…いうところですね。
はい。
まあ私たちね品物の価値って言われると普通やっぱり即座にいくらで売れるのかっていうふうにその価格で考えますよね。
はい。
でそうするとそのう実は価格と価値っていうのは同じだっていうふうについ考えちゃうんですけれども実は違うもんですよね。
その私たちは価格よりも自分が持っている価値がそれより高いんだったら買うし逆だったら買わないじゃないですか。
(2人)はい。
だから普通は価格と価値って違うんですよ。
ああそっか。
いっしょくたにしちゃいがちですよね。
それがね。
だから自分にとって価値がすごく高いっていうのは安い価格それよりも安い価格なんだから買っちゃえばいいということなんですよね。
だからといって自分が持っている価値で人には売れないわけですよ。
その値段では。
又吉さんのその服っていうのはやっぱり結構又吉さんしか価値を見いださないっていうのもあるじゃないですか。
あっ僕…なんすか?それ。
ダサイって言ってるんですか?いやいやそんなことはない。
まあまああのうたまにちょっと個性的な服を着たりすることがありますがそういう服のことですよね。
そうですよ。
又吉さんが着たら似合うけど私が着ても似合わないというのはたくさんありますよ。
はい。
そういうのはだから又吉さんにとってはすごい価値のあるものですよね。
なるほど。
そうですね。
だからよく全然今よりもっとお金がなかったときに洋服屋に行って高いけど欲しい服あるじゃないですか。
もういっつも心配でいつ売れるんだっていう。
でセールまでいけたら半額で買えるんでセールまで何とか何とか残ってくれと思うんですけどやっぱ1つも売れないですもんね。
(笑い声)セールのもう4つぐらいセールの時並んでてあっ誰も買わへんかったんやこれっていう。
僕だけドキドキしてて「頼む!もう売れないでくれ!」って思いながら見るんですけど…。
(笑い声)又吉さんにとって芸人の仕事でもある人を笑わせるっていうのは一体どういうことなんですか?やっぱり自分でやってても楽しいですしお客さんに笑っていただけるとホントにうれしいですからね。
仕事なんですけどもうなんか仕事じゃないような…。
はい。
まあでも仕事っていうとこですかね。
もし芸人で食べていけなくなっても趣味で他の仕事やってても何かたまに何かやるでしょうね。
人に笑ってもらうような何かをどっかで発表すると思いますね。
多分これはもともと自分の好きな事なんでしょうね。
又吉さんそういう事言っちゃってこれからギャラ安くなるかもしれませんけど大丈夫ですか?いやいや先生やめてくださいよ。
そんなこと言うの。
アハハハハッ!ええ。
言っとかないとね今ね。
今言っとかないとこれ見てる人がいいんだ。
ギャラ安くていいんだとなっちゃうといけないからね。
はい。
いや仕事はね仕事ですよね。
でも楽しくやってるという…。
もちろんです。
分かりました。
アメリカのピーター・マグロウという行動経済学者がいるんですが彼は「笑いとは何か」そして何が物事を面白くするのかというのを世界を旅しながら検証したんですよ。
えぇ!?へ〜!変わった方ですね。
そうですね。
経済学者の中でも変わった人だと思いますけどね。
先生もちょっと経済学者の中では変わった…。
そうですね。
ハハハハッ。
…人ですよね。
変わってますね。
ハハハハッ。
そうですね。
はい認めます。
はい。
彼はね人間っていうのはあらゆる生物の中で笑うっていう能力を持っている変わった生き物だということでそういう心理をさまざまな角度から追究するためにですねいろんな研究を行ったんだそうです。
ああ。
アメリカの経済学者ピーター・マグロウ教授は世界中の笑いを研究。
その結果……と結論づけました。
これってどういうこと?大竹先生!教えて。
あのう逸脱って言うのはね「正しくない」とか「不安な」とかまたは「危険な状態」という状態であると同時に「問題ない」「受け入れられる」「安全」っていう無害な特性を同時に持っていると。
う〜ん。
ねぇちょっと普通じゃないっていう状態とでもまあ安心して受け入れられるっていう両方の特性を兼ねたときに笑いは発生するというふうに考えたんだそうです。
あの亡くなった桂枝雀師匠が多分言葉は違うけど同じことを言ってましたね。
はい。
緊張の中のポンっとこうはじけた時の緩和。
はいはい。
ってずっと枝雀師匠はおっしゃってましたね。
緊張と緩和だって。
似てますよね。
緊張っていうのはちょっとえっと…まあ危険なっていう感じで。
それから緩和っていうのは無害だっていうか安全だとかっていうことですよね。
うわっ!すごい!あのうマグロウ教授っていうのは日本では「パンサー」の尾形さんが面白いって本に書いてるんですよ。
どうでしょう?あっ日本にもいらっしゃったんですね。
ハハハハッ!そうですね。
いやいや尾形君ももちろん面白いですけど何でこんだけおってよりによって尾形君なんやろっていう。
その…尾形君も別に経済学者に面白いって言ってもらえるとは思ってやってないと思います。
何でそこに刺さったんやろって多分思ってると思うんですよ。
本人も。
どうして「ピース」が出てこなかったんでしょうね?そうですね。
伝えときます早速。
日本でもね落語とか漫才とかそれから漫談コントと。
いろんなお笑いの芸がありますよね。
で笑いというのはこの先どんな方向に向かうんでしょうね?どうなんですかね。
でもそのう落語っていうものがその古典落語みたいなものが今見ても面白いというのは人間の本質みたいなものは何を面白いと思うかとかはその根本は変わってない部分が大きいですよね。
そこを現代風の僕たちがやるコントとか漫才だと何かが足されるのかもしれないですし根本は多分大きくは変わらないんでしょうね。
うん。
はい。
又吉さんがほぼ毎月開催しているお笑いライブ。
そこで又吉さんは「お笑い芸人」として「笑いとは何か?」をずっと追求しているのです。
それ誰のコスプレしてるん?
(五明)ども又吉です。
(笑いと拍手)やりすぎ。
ここやりすぎ。
(笑い声)
(ジョー)又吉君は綾部君のどこが好きなの?
(笑い声)
(五明)そんなん!言わんといてくださいよ〜!どうして又吉さんは人を笑わせるのですか?まあ笑ってもらうとうれしいですからね。
あとまあ単純に自分が笑ってるときに気持ちよかったからっていうのもありますね。
はい。
人を笑わすことにはこだわりがある又吉さんもこんな笑いは経験したことありますか?こっちですかね。
・
(笑い声)
(笑い声)又吉さんちょっと引き気味?でも参加してもらいますよ。
ファイト!笑ってはりますねぇ。
(笑い声)
(杉本)はい目を見て笑いま〜す!
(笑い声)実はこれ「ラフターヨガ」というヨガの一種。
笑うことでリラックスしてストレス解消ができるのだとか…。
笑ってますねぇ。
私たち笑ってる時にこう頭では分かってるんですよ。
なぜか…はい。
(杉本)面白いと思って笑ってください。
僕その壁一気に越えれないですよ。
(笑い声)ちょっと何か月かかかるかもしれないです。
だまされたと思って。
なるほどなるほど分かりました。
面白いんだと思って。
今度はですねその周りの人とハイタッチをしながら今自分は楽しいんだぁと思いながらあのう笑ってみてください。
笑ってくださ〜い。
(笑い声)あ〜なるほど!あっちょっとできました。
ちょっとできました。
私も昔ず〜っと…はい。
もうなんのために生きてんだろうと思ってたから。
でこれをやることによってあっこんな簡単に意識切り替えることができたんだぁと思って。
なるほど。
はい。
僕はでも突き詰めてというか割とすぐ笑うほうなんですよ。
あんまり笑わないイメージがあると思うんですけど。
ハハハハッ。
はい。
1人でよく笑ってるんですよね。
そのそこでやっぱりストレスは解消できてんねやろなぁとは自分では思うんですけど。
でも多分そういう事ですよね?そういう事です。
それをもっといろんなところで笑えたらいいという事ですよね。
あのう自分でも…どこでもできます。
なるほど。
そうですよね。
タダですから。
それがすごいですよね。
これが新しい「笑い」なんですねぇ!
(笑い声)
(笑い声)たい平さんも又吉さんもやっぱり舞台に上がる時は基本的には笑顔ですよね?
(2人)そうですね。
基本的には笑顔ですね。
そうですか?又吉さん。
いや僕疑われるんですけど笑ってても笑ってると思われないんですけど笑ってますからね。
今も笑ってますから僕。
これ。
そうなんですか?笑ってますよ今。
どの辺りが笑ってます?えぇ!?鼻がちょっとピクピクしますね。
ああそれが笑顔です僕の。
アハハハハッ!僕なりの。
なるほど。
結構識別するの難しいですね。
難しい難しい。
基本的には笑顔ですよやっぱり。
あっそうですか。
まあ実はね本物の笑顔って言われている表情があるんですよ。
(2人)えぇ〜!これはそのフランスの精神科医デュシェンヌっていう人が発見したということにちなんで「デュシェンヌスマイル」っていうふうに呼ばれてるんですけども。
口角があがっていて目の端にカラスの足跡のようなシワができる表情だそうですよ。
ほぅ〜!ちょっと全員でやってみましょうか。
やりましょうやりましょう。
はい。
えぇ?ハハハハッ!
(笑い声)どうでしょう?又吉さんの顔…!?ちょっと…モナリザのほほ笑みみたいになってますよ。
できてなかったですか?全然今。
たい平さん得意ですよね。
(大竹又吉)あぁ〜!笑顔ですねそれは。
ホント?ありがとうございます。
先生は?先生!
(たい平又吉)アハハハッ!先生もちょっと怪しいですよね。
飲み屋にね。
少し酔っ払っちゃってるサラリーマンの人いますよね。
ああいう人ね。
又吉さんもう一度やって。
又吉さん。
僕はできてましたよ。
(笑い声)なんか悲しい事があったみたいな顔してるよ。
面白いですね。
まあこれはね自分でコントロールすることが難しい表情筋っていう筋肉を使うんでそのう難しいんですよね。
なるほどね。
なるほど。
まあ今回皆さんにお願いして高校の卒業アルバムの写真を持ってきていただいて…。
何に使うんだろうと思いながら持ってきましたよ。
はい。
(手をたたく音)中嶋君例のあれ。
はい。
見せましょう。
はいじゃん!あっ先生かわいい。
あっ大竹先生…。
先生かわいい。
眉毛がかわいい。
きれいな顔されてますね。
なんかハンサムですね。
あのトシちゃんにして下さいって言ってパーマかけてた頃ですよ。
ハハハハッ!へぇ〜!いやこうやってね卒業写真持ってきて頂きましたけれどもこれには理由があるんですよ。
何ですか?この時の表情がその後の人生にかなり影響するっていう研究結果があるんですよ。
そんなの見られるって事?そうなんですか?はい。
アメリカのある女子高校の卒業生を対象にした調査。
卒業アルバムの写真でそれぞれの生徒がどのぐらいデュシェンヌスマイルができているのか調べました。
そして彼女たちの卒業後の生活を比較したのです。
すると…。
え〜デュシェンヌスマイル度が高い女性は…その満足度も高くなっていたと。
えっ!?それだけじゃなくって心身ともに健康である傾向も高いと。
え〜!じゃ幸せになれる可能性が高いってことですね。
そうなんですよ。
笑ってなかった人のほうが離婚率は高かった。
えぇ〜!?いやいや俺の!俺の俺のなんで俺の写真見るの!気になりますもんやっぱり。
いやいやいや。
でどう…どうなんですか先生?僕たち。
笑ってないじゃないですか。
ハハハッ。
えっ!?たい平さん笑ってないですよそれ。
まあ確かに。
ちょっと気取って撮ってたかもしれない。
意志がねハッキリしてる顔されてますけど。
大竹先生笑ってますもんね。
うん笑ってる。
アルカイックスマイルだね。
弥勒菩薩のような笑顔だね。
僕もだいぶ笑ってますもんね。
いや笑ってない。
笑ってない。
にらんでる。
恨んでるよ。
誰か恨んでる目をしてるよ。
恨んではないですよ。
年を取るにつれてデュシェンヌスマイル度が高かった女性っていうのはそうでない女性と比較すると有能で心理的にも安定しててかつ成功するために努力をしていると。
おぉ〜。
嫌な事があっても立ち直るのが早いっていう。
あっプラス思考になれるって事だ。
結論を出してるんです。
すごい!なんすか?俺たち笑ってない写真見せて先生笑ってるからどうだって今。
そうですよね。
成功率高いっていう。
それが言いたかった?先生必死で探したでしょ?笑ってる写真。
(笑い声)いやいや。
そんな事ないですか?そんな事ない。
俺たち何も言われないからね普通の写真持ってきたのに先生ものすごい必死で探したよね。
笑ってる写真…笑ってる写真。
そんなことはない。
この女性の研究だとハッキリしてた。
ああでも一理あると思う。
ただまあ日本はねアルバムであんまり笑うっていう習慣がないですよね。
確かに確かに。
あのうまあこの笑顔の形づくるだけで脳が前向きになったりやる気も出やすくなるっていうことが…。
ほぅ〜!研究でも明らかになってるそうですよ。
へぇ〜!で女性はねよく目の目尻のシワっていうのを気にされること多いですよね。
でもまあ実はそれこそねえこのシワこそ幸せをつかむカギかもしれないじゃないですか。
う〜ん。
シワだからしわ幸せじゃない?ああなるほど。
座布団!あれ座布団ないの?しわ幸せじゃないの?出てこないですね。
出てこないね。
アハハハッ!なるほどね。
はい。
(父)母さんはいつも笑顔だよね。
(母)オホホホホッ!怒ってる時も笑顔は絶やさないようにしてるんですよ。
(父)なるほど。
それでいくつになっても若々しいんだな。
母さんは。
(兄)笑いながら怒るって怖いよ。
(救急車の音)又吉さん。
はい。
来年も笑顔の多い1年にしたいものですね。
そうですね。
だから笑うことによってまあ幸せになる楽しくなるっていう。
先生がずっと責任重大ですよって僕とたい平さんにおっしゃってましたけど。
はい。
確かに僕らが舞台上で何かをやってお客さんが笑わない場合お客さんはちょっとだけ不幸になってる可能性があるっていう事ですよね。
そうですねぇ。
そりゃ確かに責任重大やなと思いました。
いややっぱり幸せにして頂いて。
はい。
でみんなの生産性を上げると。
そうですね。
「生産性を上げるぞ!」と思って舞台に出ることは多分一生ないと思いますけどね。
でも楽しんでもらえるように。
そうですよ。
ええ。
来年も頑張っていきましょう!そうですね。
頑張りましょう!又吉さん経済学から新しい笑い見つけることができましたか?
(マネージャー)はあ…まいったなぁ。
2015/12/28(月) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「笑う門には福来る “笑い”の経済学」[字]
又吉さんのライフワーク、“笑い”に経済学からアプローチ!笑えば成績や景気もよくなるかも?笑門来福!落語家・林家たい平さんも交え、笑いの持つ力の本質に迫ります!
詳細情報
番組内容
お笑い芸人として又吉さんのライフワーク、“笑い”に、経済学からアプローチ!実は、お笑いを見ると楽しくなるだけでなく、テストの結果がよくなったり、景気にもプラスの影響があるかもしれない、というのです。高座から世相を見つめる落語家・林家たい平さんも交え、笑いの持つ力の本質に迫ります。オイコノミアを見て、笑顔で新年を迎えましょう!
出演者
【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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