(吠える声)動物園で生まれたかわいらしい動物の赤ちゃん。
そんな赤ちゃんの成長にはいくつもの物語があります。
今回は飼育員さんだからこそ撮影できた取って置きの映像でご紹介します。
最初は…離れ離れになった母と子の再会の物語です。
ゴリラの赤ちゃんが生まれたのは…2011年12月オスの赤ちゃんゲンタロウの誕生です。
生まれたばかりの赤ちゃんをしっかりと抱き締めるお母さん。
我が子がいとおしくてならない様子です。
しかし誕生から4日目。
赤ちゃんが脱水症状を起こしてしまいます。
このままでは赤ちゃんの命が危ないと飼育員さんの手で育てる事になりました。
(飼育員)上手上手!すぐ吸い始めた。
(飼育員)ああ吸った吸った吸った。
実はお母さんのお乳が出ていなかったのです。
親子は離れ離れになってしまいました。
一度人が育ててしまうと赤ちゃんを親元に戻す事は難しいといわれています。
自分がゴリラであるという事を認識できなくなるというのです。
(飼育員)ガウ〜。
頑張れ。
頑張れ頑張れ。
頑張れよ。
赤ちゃんを親元に戻すためお母さんとの対面が始まりました。
お母さんは赤ちゃんを気にしていますが赤ちゃんにはまだ分からないようです。
(飼育員)ほら元気。
(鳴き声)生後4か月が過ぎるとお母さんと一緒に暮らす部屋に慣れるため一日1時間その中で過ごす事になりました。
(飼育員)来れる?来れる?環境にはすぐ慣れ生後8か月にはげんこつをついて歩くようになりました。
これはナックルウオークと呼ばれるゴリラ特有の歩き方。
まだまだ体は小さいですが少しずつゴリラらしくなってきました。
そして…。
飼育員さんから離れ歩きだした赤ちゃん。
向かったのは隣の部屋にいるお母さんのもと。
お母さんの事が気になり始めたようです。
ついにこの日が来ました。
お母さんが赤ちゃんのいる部屋にやって来ました。
一緒に暮らす日が来たのです。
最初はどう接すればいいのか戸惑っていた赤ちゃん。
でも数日後にはちゃんとお母さんに甘えられるようになっていました。
一度抱きついたら離れようとしません。
人の手で育てられた赤ちゃんをお母さんゴリラのもとに戻す事ができたのは日本で初めての事です。
そして1か月後にはお父さんとも一緒に暮らせるようになりました。
一度離れ離れになってしまったゴリラの親子。
今赤ちゃんは両親にたっぷり甘えてすくすくと成長しています。
かわいい。
めっちゃかわいい。
続いては…仲良し姉妹の物語です。
ゾウの姉妹が暮らしているのは…2013年6月メスの赤ちゃん砥愛の誕生です。
小さな体に見えますが体重はおよそ80キロ。
自分の力で立ち上がろうとしますが…なかなか立ち上がれません。
誕生から7時間後どうにかふんばり…。
歩けるようになりました。
そんな赤ちゃんの様子を隣の部屋から見守っているのが7歳のお姉さんゾウです。
生後2週間が過ぎた頃初めてお姉さんゾウを赤ちゃんの部屋に入れる事になりました。
野生のゾウはメスと子どものみで群れを作りメス同士が協力し合って子育てをします。
お姉さんも赤ちゃんになれてくれるといいのですが。
興味津々で近づくお姉さん。
しかし接し方が分からず鼻で赤ちゃんを押さえつけてしまいます。
赤ちゃんを守ろうと鼻で引き寄せるお母さん。
結局この日は姉妹で仲良く遊ぶ事はできませんでした。
このころから赤ちゃんは鼻を上手に使えるようになってきました。
お母さんのマネをして餌をつかんだり…。
飼育員さんにちょっかいを出してみたり…。
そして柵に掛かった鎖を揺らして鳴らします。
何度も鳴らしては隣の部屋をのぞいています。
しばらくすると柵の向こうから鼻が伸びてきました。
お姉さんです。
赤ちゃんは鎖を鳴らす事で遊びたい気持ちを伝えていたのです。
鼻で「いい子いい子」とあやしているよう。
お姉さんも少しずつ赤ちゃんとの接し方を学んでいきます。
(子ども)出てきた!あ〜来た来た!
(子ども)ゾウちゃ〜ん!初めて外の運動場に出る日が来ました。
しかしなかなか出ようとしません。
ちょっと緊張しているようです。
しばらくすると…。
(子ども)ゾウちゃん!お母さんの後をついて出てきました。
(子ども)お目々もかわいいしさ鼻がちっちゃくてかわいいな〜。
初めての外の世界に大はしゃぎの赤ちゃん。
(子ども)ゾウさ〜ん!今ではお母さんやお姉さんと並んで歩けるようになりました。
遊び相手はもちろんお姉さん。
柱に隠れて「いないいないばあ」をしているのでしょうか?お姉さんにたっぷり甘えている赤ちゃんゾウ。
姉妹で仲良く成長しています。
最後はシベリア東部に生息する…飼育員さんに育てられた赤ちゃんの成長記録です。
アムールトラの赤ちゃんが生まれたのは…
(鳴き声)2012年10月元気な赤ちゃんの鳴き声が響きます。
3頭のアムールトラの赤ちゃんの誕生です。
ところが翌日異変が起きます。
赤ちゃんが1頭しか動かなくなってしまったのです。
生き残ったのは一番大きく生まれたオスのテンでした。
育児ができなくなってしまったお母さんに代わって赤ちゃんは飼育員さんの手で育てられる事になりました。
ミルクのあとには必ず背中をたたいてゲップを出させます。
(ゲップ)ゲップを出さないとミルクを吐いてしまい気管に詰まらせる危険があるからです。
更にトラの赤ちゃんを育てるとなるとこんな事まで…。
お尻を刺激してあげないとまだ自分では排せつもできないのです。
体重は生まれた時の4倍にまで増えました。
このころになると何かをかみたくてしかたがないようです。
よく見ると歯が生え始めています。
更に成長はこんなところにも。
(鳴き声)用を足し終わったと鳴き声で知らせています。
歩くのも随分上手になりました。
でも下ばかり見て歩いていると…。
(ぶつかる音)目が完全に見えるようになるまではもう少し時間がかかるようです。
この日は園内に繰り出してお散歩です。
屋外の広いスペースでとてもうれしそうな赤ちゃん。
茂みを見つけるとまっしぐら。
森にいる気分なのでしょうか。
しかもこの表情。
一人前にハンターみたいです。
このころから少しずつ肉も食べ始めました。
これまでどおり飼育員さんと遊びたくてたまらない赤ちゃん。
でも随分力が強くなってきました。
1年後体重は170キロに。
既に王者の風格さえ漂いますが1歳半はまだまだ子ども。
飼育員さんの愛情に包まれてすくすく成長しています。
かわいらしい動物の赤ちゃんたち。
全国の動物園で元気いっぱい育っています。
2015/12/28(月) 16:35〜16:50
NHK総合1・神戸
元気いっぱい!動物の赤ちゃん▽ニシローランドゴリラ・アフリカゾウ・アムールトラ[字]
全国の動物園で続々と誕生するかわいい赤ちゃん。飼育員さんだからこそ撮影できたとっておきの映像で、愛らしい姿や命の誕生と成長をめぐるエピソードをお伝えする。
詳細情報
番組内容
飼育員さんだからこそ撮影できた、とっておきの映像で、愛らしい姿や命の誕生と成長をめぐるエピソードをお伝えする。今回ご紹介するのは3つの物語。まず最初は、京都市動物園のニシローランドゴリラ、離ればなれになってしまった母と子の物語。続いて、愛媛県とべ動物園のアフリカゾウ、仲良し姉妹の物語。最後は、静岡県浜松市動物園のアムールトラ、飼育員さんに育てられた赤ちゃんの成長記録。
出演者
【語り】小口貴子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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