新・牡丹と薔薇 #21【発覚!!驚愕の事実」】 2015.12.28


(富貴子)あら。
(美輪子)富貴子。
うちのローズガーデンの薔薇よ。
私が自分で摘んできたの。
(富貴子)まあ。
こちらのサロンに飾っていただきたくって。
(富貴子)すごいわ。
何て豪華な。
どうしましょう。
こんなにたくさん。
今生けるわね。
本当に色とりどりね。
奇麗。
どうかしら?こんな感じで。
いいんじゃない?ああ。
何とも言えないほのかな香り。
この部屋中が薔薇の香りでいっぱいになりそう。
美輪ちゃん。
うれしいわ。
本当にありがとう。
今うちのローズガーデンは秋の薔薇の真っ盛りなの。
何種類ものつる薔薇。
新しく開発した新種の薔薇もいっぱい咲き誇ってるし薔薇のアーチは絢爛としてため息が出るくらいだわ。
ねえ。
見に来ない?薔薇の花たちが富貴子に会いたくて待ってるのよ。
ねえ。
来てよ。
私と一緒に来て。
薔薇たちに会ってやってよ。
ねえ。
来てよ。
私と一緒に来て!ああ。
やっぱり来てよかった。
秋の薔薇ってまた特別な風情があるわね。
華やかなのに少し哀愁が漂って。
でしょう?一つ一つの花の表情が違ってるのね。
見飽きないわ。
ええ。
(萌子)遠目から見ても奇麗な子だわ。
スタイルも抜群だし。
(眞澄)ええ。
(萌子)美輪子と連れ立って歩いてるといかにも姉妹って感じじゃない?何だか優雅で晴れやかで古い西洋の絵にでも出てきそうな2人ね。
(眞澄)ええ。
本当に。
まあ。
青紫の薔薇だわ。
この薔薇の名前分かる?いいえ。
マスミっていうのよ。
マスミ?うちのパパが結婚したときに新しく開発した薔薇に母の名前を付けて結婚記念に贈ったの。
まあ。
そう。
だからマスミ?うちの母の名前は眞澄なの。
あなた知ってた?いいえ。
そろそろカフェで一休みしましょう。
さあ。
おいしいローズヒップティーでも飲んで。
(萌子)いい?眞澄。
あんたあんまり感情に溺れちゃ駄目よ。
まだはっきり決まったわけじゃないんだから。
こういうときは冷静に相手を見極めなきゃ。
(眞澄)分かってるわよ。
(萌子)まっ私が客観的な目で見届けてやるわ。
任しときなさい。

(ドアの開く音)ねっ。
こっちへ来て。
美輪ちゃん。
お母さん。
富貴子よ。
これが富貴子なのよ。
今日はどうしても富貴子を母と会わせたかったの。
こちらがおばあちゃまよ。
(萌子)よくいらしたわね。
富貴子さん。
初めまして。
どうかよろしくお願いします。
富貴子。
あなたはこっちへ座って。
(萌子)お座りなさいな。
どうぞ。
失礼します。
富貴子。
シュガーは?いいの。
どうぞ。
(萌子)富貴子さん。
あなたのご両親は?親たちは長く鎌倉に住んでいまして。
(萌子)そう。
鎌倉に?でも2人とも死にましたので。
(眞澄)えっ?亡くなったの?はい。
父は私がアメリカへ行く前に亡くなりことしの春4年ぶりに帰国したのも母の訃報を受けたからなんです。
(眞澄)そうだったの。
そのご両親が西山さんなの?えっ?いえ。
それは…。
(萌子)でもあなたは西山を名乗ってるんでしょう?西山富貴子じゃないの?すみません。
私美輪ちゃんに西山って言いましたけどそれは…。
(萌子)どうしてなの?西山は私たちの姓だし気に掛かってしかたがなかったのよ。
どうして西山なんて?おばあちゃま。
いいじゃないの。
どうしてそんな根掘り葉掘り聞くのよ?
(萌子)あなたは黙ってなさい。
これは重大なことなの。
ちゃんと答えてもらいたいわ。
じゃあ正直に言いますけど。
私が西山を名乗ったのは逗子の産婦人科の先生をお訪ねして私の出生の秘密を伺ったときに実母の旧姓が西山だって知らされたからなんです。
逗子の産婦人科医院で?何だかとても懐かしくて。
西山って名乗った方がしっくりする気がして。
ふーん。
そうなの?じゃああなたのご両親の姓は?両親は吉田っていいます。
(萌子)吉田?鎌倉にありそうな姓ね。
それであなたが訪ねていった逗子のお医者さまの名前は?何て産婦人科医院なのか教えてちょうだい。
稲垣。
稲垣先生ですけど。
稲垣。
やっぱりそうだわ。
なぜあなたは稲垣産婦人科医院へ?当時母が不妊症で子供ができなかったそうです。
それで生まれたばかりの私を養子縁組に。
養子縁組?ええ。
ですから戸籍上は実の親子関係なんですけれど父が死ぬ前に実は養子だと話してくれまして。
それで…。
それで稲垣産婦人科医院へ?そうなんです。
すごいわねぇ。
じゃあそこで西山眞澄っていう母親の名前を捜し当てたのね?そして横須賀の佐島にある私の実家を訪ねたってことね?ええ。
カルテの住所を頼りに。
(萌子)そして私の親戚に自分は眞澄の子供だって言ったんでしょう?そう言ったのはあなたなのね?ええ。
言いました。
(萌子)やっぱり…。
やっぱりそうだったんだわ。
どうしても捜したかったんです。
本当のお母さんと会いたい気持ちを抑えられなかったので。
(萌子)もう間違いないわよ。
この子はあんたの子よ。
あんたが稲垣先生に名前を付けてもらって養子に出した富貴子なのよ。
昭和57年12月28日生まれで誕生日も同じなんだもん。
あんたの子に決まってるわよ。
ねえ。
抱いてやりなさいよ。
眞澄。
しっかりと抱いてやりなさいよ。
じゃあ…。
じゃあ富貴子は私の本当のお姉ちゃま?そうなのよ。
お母さんはねパパと結婚する前に富貴子を産んで養子に…。
養子縁組させていたの。
その富貴子がやっと帰ってきたんだもん。
こんな奇跡ってありゃしないわ。
だからなんだわ。
何だか富貴子が他人のような気がしなかった。
やっぱり…。
やっぱり富貴子は。
そうなのよ。
美輪子。
血のつながったホントのお姉さまなのよ。
美輪ちゃん。
ごめんなさい。
あなたに最初に会ったときから私にはあなたが妹だって分かっていたの。
そうよ。
分かっていたからあんなに泣いてしまって。
そうなのね。
こんな妹がいるんだと思ってうれしくて。
切なくて。
富貴子。
富貴子。
私のお姉ちゃま。
そうなのね?富貴子。
あなたは富貴子なのね?お母さん…。
ごめんなさいね。
苦労したのね。
許して。
許してちょうだいね!いいんです。
いいんです。
こうして会えたんですもの。
富貴子…。
(萌子)まあまあ。
こんな日が来るなんて夢みたいじゃないの。
お母さんはね生まれてすぐに手放したあなたのことを忘れたことなんかなかったのよ。
ええ。
ええ。
残念だけどあなたのお父さんは交通事故で…。
ええ。
そのことも逗子のお医者さまから聞きました。
だからこそ私にはお母さんしかいないんだと思って必死に捜したんです。
許してね。
許してちょうだいね。
(萌子)これでばらばらだった家族がやっと一つになれるんだわ。
富貴子。
あなたにこの牡丹のペンダントをあげるわ。
ぼたんが死ぬときまで身に着けてたこのペンダント。
ほら。
火事で焼けたから少し汚れてるでしょう?いいの。
いいのよ。
そんな大切なもの。
これはね絶対あなたが身に着けるべきものなの。
だってぼたんはあなた自身だもの。
あなたはぼたんの生まれ変わりだもの。
私にはこれがあるから大丈夫。
ほら。
こうして。
お母さん。
おばあちゃま。
私たちは牡丹と薔薇の姉妹なの。
ぼたんが死んでもこうして姉妹でいられるなんて何て不思議な巡り合わせなのかしら。
そうね。

(崑一)そうか。
美輪子が盛んに「ぼたんの生まれ変わりだ」なんて言ってた女が眞澄の産んだ子だったのか。
そうなのよ。
パパ。
亡霊なんかじゃなかったの。
富貴子の方じゃ最初に私に会ったときから私が妹だってことちゃんと分かってたのよ。
だからあんなに泣いて。
(萌子)自分の出生の秘密を知りたくて色々調べたんですよ。
(萌子)もう何もかも符合がぴったり合ってるんですもの。
ホントに泣けてしまって。
やっぱり富貴子って名前のとおりぼたんだったのよ。
(崑一)そうか。
同じ姉でも今度はお母さんの血筋。
同腹の姉妹か。
美輪子の直感恐るべしだね。
ねえ。
パパ。
富貴子をこの家に連れてきちゃ駄目かしら?一緒に住みたいの。
いや。
そりゃ姉妹ってことなら駄目とは言わないけど…。
いや。
どうなんだろう?あっ。
でもね私はもう少し確証が欲しいのよ。
胸にずしんと実感できるものが。
まだそんなこと言ってんの?あんただってあんなにぼろぼろ泣いてたじゃないの。
それはそうだけど…。
(萌子)母親のくせに冷たいわねぇ。
あの子の言ってることに嘘はないわ。
もう今思い出したって涙が出てしまう。
(崑一)不安ならDNA検査で調べるって方法もある。
そうねぇ。
よしてよ!何ていやらしいことを言うのよ。
お母さんだって今日富貴子と会って直感的に自分の娘だって思ったんでしょう?ねえ?違うの?でもね赤ちゃんのときに別れたっきりなんだもの。
いくら辻褄が合ってるからといっても急に私の子だって言われてもどうしたらいいのか…。
(女性)あのポシェット先生の?お隣の革製品のお店で。
手作りよ。
(女性)手作り?すてきね。
よかったら行ってごらんなさい。
色々変わったバッグなんかもあるから。
(女性)ああ。
どうぞ。
まあ。
お父さん。
(峰靖)ごめんな。
近くまで来たもんだからついでに寄ってみた。
後で…。
また後でな。
えっ?先生のお父さん?あっ。
嫌ね。
(峰靖)いやぁ。
いい店だ。
(神崎)まあどうぞ。
(峰靖)えっ?昼間から?
(神崎)まあいいでしょう。
(神崎)お父さんは何ていうか…。
どことなく男の哀愁がありますよ。
(峰靖)うらびれた哀愁?年寄りからかうな。
(神崎)すいません。
じゃあ。
(峰靖)ああ。
(神崎)あっ。
富貴子さんの店には行かれましたか?
(峰靖)ああ。
客が来ている。
あんな店に男がうろちょろしたら艶消しだな。
(神崎)そうですね。
(峰靖)何かな?富貴子は赤ん坊のときからの養女だからそういう場合は二の足踏むかな?
(神崎)えっ?何のことです?実の親ならこういう親から生まれた娘なんだって納得いくだろうけど養父母じゃ目安にならないだろう?とんでもない。
育ての親の方が大事ですよ。
(峰靖)飲んだ勢いで言うわけじゃないけど…。
実はここだけの話なんだけど…。
いやいや。
ホントにここだけの話なんだけどね。
富貴子の実の親の素性も分かってる。
(神崎)はあ。
(峰靖)いや。
今ここでどこの誰って言うわけにはいかないけど素性は決して悪くないよ。
(神崎)そうですか。
でもそういうことは僕はどうでもいいんです。
そういう血縁関係なんてめんどくさいですよ。
おお。
さすがだ。
さすがよく言ってくれた。
(神崎)残念ながらこの店は開店以来ずっと赤字なので。
(峰靖)赤字?職人気質と商売は両立しないのかな?僕は真面目に富貴子さんのことを考えてます。
でも何とか店を軌道に乗せてから…。
ああ。
分かるよ。
分かる。
(神崎)富貴子さんの店は寄らないんですか?
(峰靖)やめといた方がいいだろう。
ごちそうさん。
(神崎)失礼します。

(峰靖)えっ?あれは…。
(神崎)彼女最近よく来るみたいですよ。
客なのか?
(神崎)親しい間柄みたいで。
まさか。
いや。
まさか…。
一緒に?一緒に住むってお宅に?そうよ。
小日向家の家族になって一つ屋根の下で暮らすのよ。
私の部屋は広いから2人で使っても大丈夫だしもし別の部屋がいいんなら他にも空いた部屋があるわ。
ねっ?引っ越してらっしゃいよ。
だってそんなわけには…。
あなたのパパだって決していい顔なさらないわ。
パパはそんなケチな人じゃないの。
自分の娘としておおらかにあなたを受け入れてくれるわ。
ねっ?引っ越してきてよ。
姉妹で仲良く暮らしましょうよ。
はい!引っ越し祝い。
おめでとう!ねっ?お姉ちゃま。
危険と隣り合わせの平穏な日常
2015/12/28(月) 13:25〜13:55
関西テレビ1
新・牡丹と薔薇 #21[字][デ]【発覚!!驚愕の事実」】

富貴子(黛英里佳)との再会を運命だと喜ぶ美輪子(逢沢りな)は、眞澄(伊藤かずえ)と会わせようとバラ園へ誘う。そうとは知らぬ富貴子は、眞澄と言葉を交わす事に…

詳細情報
番組内容
 美輪子(逢沢りな)は富貴子(黛英里佳)を強引にローズガーデンに誘う。咲き誇る美しいバラに夢見心地になる富貴子だが、美輪子はここで富貴子と眞澄(伊藤かずえ)を会わせるつもりでいた。
 美輪子とともにカフェで休憩することにした富貴子は店内を見て、足が止まる。そこで眞澄を見つけたのだ。富貴子と眞澄はお互い緊張しつつ、会話を始める。
 眞澄に付き添ってきた萌子(山口いづみ)が富貴子のことをあれこれと詮索。
番組内容2
萌子に問われるまま自分の出生時のことを打ち明ける富貴子の話に、眞澄や萌子は富貴子こそ、真澄が10代で生んだ子だと認めるしかない状況に。
 美輪子は、富貴子と血が繋がっていると分かり狂喜する。ぼたん(黛英里佳・一人二役)の形見である牡丹の花の形をしたネックレスを富貴子に贈る。美輪子が喜びに酔いしれ、恍惚の表情を浮かべる一方、富貴子は美輪子の強い思いに自分が絡み取られるような複雑な心境になる。
出演者
吉田富貴子:黛英里佳 
小日向美輪子:逢沢りな 
牧原世奈子:田中美奈子 
小日向崑一:岡田浩暉 
浅黄萌子:山口いづみ 
瀬尾綱輝:片岡信和 
 ・ 
小日向眞澄:伊藤かずえ ほか
スタッフ
【企画】
横田誠(東海テレビ) 
【原作・脚本】
中島丈博 
【演出】
西本淳一 
【音楽】
中川幸太郎 
【主題歌】
サラ・オレイン「涙のアリア」(ユニバーサルミュージック) 
【プロデュース】
西本淳一(東海テレビ) 
大久保直実(ビデオフォーカス) 
坪ノ内俊也(ビデオフォーカス) 
【制作著作】
ビデオフォーカス 
【制作】
東海テレビ
ご案内
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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