教科書が変わる!?日本人のルーツをさぐる旅 2015.12.27


今日本の各地で起きている不思議な現象を…。
厳重に封じられた立ち入り禁止区域。
その先にあったものは…なんと骨!それも…こののどかな島で一体何が!?地面の下からこれまた91体もの人骨が続々!人骨が出てくるよって。
相次いで大量発掘されているこれらの人骨。
実は私たち日本人の原点とも言えるはるか大昔のご先祖さまの骨です。
最新科学によるその骨の分析からこれまで謎に満ちていた日本人のルーツがついに解明され始めています。
そこには教科書には書かれていない驚くべき日本人の秘密が隠されていたのです。
さあはるか太古からよみがえるあなたのご先祖さまを訪ねて冒険の旅の始まりだ〜!いや〜ちょっとねこれ…すごいのが見つかってますよ。
こういう人骨から大昔のご先祖さまがどんな方だったのかっていうのが分かるんですって。
日本はですねこれまでたくさん…それが結構今回は出てきてですね。
はい今日追っていく謎に満ちた太古の時代こちらなんです。
これ現代から遡って縄文まで戻って更にその前の旧石器時代。
旧石器から縄文はまさに日本人の出発点だと。
しかし我々のご先祖さまってどういう人だったのかね。
知りたいですよね。
まず1時間目。
最新分析から日本人のご先祖さまがどこから来たどんな人たちだったのか分かってきたんです。
これは楽しみですね。
そして2時間目。
これまでのイメージを覆す驚くようなご先祖さまの暮らしぶりに迫っていきます。
ちなみにこの縄文時代。
こんな感じの竪穴式の住居だったと。
すごいですよ。
どんなふうに暮らしてたんでしょうね。
その謎に一緒に迫ってもらうゲストをお招きしてるんです。
こんにちは。
どうぞ!ウェルカム!うわ〜トンネルを抜けると…。
ようこそようこそ!ふさわしいゲストです。
壇蜜ちゃんはね和なテイストあるんすけど。
でも和じゃないでしょ。
サモアとか…。
確かに。
ちょっとイースター島の感じもするよね。
阿部さんは?阿部さん絶対違う。
欧米系でしょ?よくね言われるんです。
まあ純日本人じゃないよねって。
もう何か分かったの?
(クリス)何そのフリ。
東京から2,000キロ。
美しい海に浮かぶ石垣島。
その一角に研究者たちを驚かせた遺跡があります。
その名も…舌かみそうだな…。
2013年に開港した新石垣空港。
建設に伴う調査でとんでもないものが掘り出されました。
うわっ人の骨!?分析の結果古いものでおよそ2万年も昔。
旧石器時代のものだと分かったんです。
石器時代!?旧石器時代といえばそう日本列島に人類が住み始めた時代って学校で習いましたよね。
つまりこの骨日本人の先駆けとも思われるご先祖さまのものだったんです!うわっこの丸い骨…頭蓋骨ですよね!歯までしっかり残ってる。
「キャ」っと言ってないけど研究者も大興奮!それもそのはずこんなに大昔の骨が見つかるだなんて日本では奇跡に近い事なんです。
実は日本列島には旧石器時代の遺跡が1万か所以上もあります。
ところが人骨が見つかっているのは沖縄のほかには静岡県で骨の一部が見つかっているだけ。
どうしてなんでしょう?その理由は日本列島の大半を覆う土の性質にあります。
太古の昔から火山列島だった日本は火山灰で分厚く覆われています。
実はこの日本の火山灰酸性なんです。
だから地中に埋まった骨は数百年もすると酸で溶かされて無くなっちゃうという訳。
じゃあ何で沖縄では溶けずに残っているのか?その秘密が沖縄のあちらこちらにた〜くさんある白い岩。
もともとは海の中のサンゴだったものです。
石灰岩といえばアルカリ性。
これが見事に土壌の酸を中和してくれるんです。
そんなサンゴのパワーに守られた沖縄。
とはいえこれほど大量の人骨が見つかるのは初めてです。
その分析からおよそ2万年も前のご先祖さまの意外な姿が浮かび上がってきました。
例えばこの骨。
太ももの骨と骨盤が組み合わさる部分ですが骨の根元が大きくくぼんでいます。
何か強い衝撃を受けてこんなふうに骨が潰れちゃったみたい。
痛そ〜う。
でも注目はここ!こんな大ケガのあとにまた骨が育っているんですって!つまりはこのご先祖さま歩けないほどの大ケガを負いながらそのあとも長生きしたって事ですよね?へえ〜太古のご先祖さまがそんな優しい助け合いの社会を築いていたなんて!教科書には書かれていない新事実!富山県からは大昔のご先祖さまにまつわるもっとすごい発見が!現場は今年開通して話題になった北陸新幹線!…の高架の真下。
なんと新幹線の建設前にすごいものが掘り出されたんです。
これまた人骨!しかも91体も!ものすごい状態がいいというか…。
(森)いいね。
発掘された人骨を見せてもらうと…。
6,000年前というと旧石器時代のあとの縄文時代。
日本各地にご先祖さまが定住し始めた頃です。
そんな太古のご先祖さまの骨が…。
すご〜い!ほとんど全身そろってる。
こちらは身長157センチの男性。
全身の骨の実に8割以上が驚くほどよい保存状態で発見されたのです。
あれ?でもここではどうして人骨が溶けずに残ってたの?その秘密は人骨が発掘された現場の環境にあるというのですが…。
ねえみんな!そこで何してんの?えっこんな田んぼの真ん中で貝?実はここおよそ6,000年前のご先祖さまたちが貝殻を捨てた貝塚。
貝殻の成分もサンゴの石灰岩と同じアルカリ性。
そのおかげで土壌の酸が中和されたんですね。
貝殻のおかげで奇跡的に守られた大量の人骨。
骨や歯の中心部分から驚くべきものが取り出されました。
それはなんと…そこに記された膨大な遺伝情報を最新技術で読み解くとこれらの骨の持ち主であるご先祖さまがどこから来たのかルーツが明らかになったんです。
これまで謎に包まれていた日本人のルーツ。
いよいよスタジオで明らかに!うわ〜。
(天野森)すごい!人骨が富山から!パーフェクトな状態で見つかった訳ですよね。
そっから更に調べてDNAを採取して…。
何の情報だろう。
ね〜。
さあ今日は専門家をお呼びしてるそうでございますね。
国立科学博物館の篠田謙一先生ですどうぞ。
(拍手)どうも先生お願いします。
しかしあのような古い骨がDNAとれるんですね。
長い時間っていっても半端じゃないですよね。
現在では一番古い人骨ですと40万年ぐらい前の人骨からDNAがとられてると。
そんなに前でも!?先生40万年前っていうとえ…人間ですか?人間のルーツもかなり分かるようになってきて日本人のルーツなんかはまた更に分かるようになってきた。
ここでちょこっと解説!そもそも私たちは父と母の両方からDNAを受け継ぎます。
中には母親からそのまま受け取る特別なDNAがあります。
それはミトコンドリアDNAです。
私たち人類はおよそ20万年前アフリカで誕生しました。
その最初の母親のミトコンドリアDNAが子孫に受け継がれ世界に広がっていきます。
実はその間DNAの遺伝情報が時折変化するような事が起きました。
するとその度に世界各地に違うタイプのミトコンドリアDNAを持つ人が現れます。
という事は…今回人骨から取り出されたミトコンドリアDNAのタイプを調べるとそれが世界のどこで最初に現れたタイプか分かるんです。
それが母方のルーツと推定できるんですね
まあ先ほどあったようにですね91体の人骨が出てきてるんですね。
実際はしかしそこでDNA分析ができたのは全部で13体でした。
で13体の中からですね5つのミトコンドリアDNAのタイプが発見する事ができました。
名前が付いてるんですね。
AというタイプGというタイプN9bとかですねM7aとかM9とか。
小竹からはこの5つが見つかりました。
それから見ていくとですね例えばAという人はこれは北アジア恐らくバイカル湖周辺だというふうに考えられて…。
寒いとこの人という事です。
それからGというタイプも日本の北の方になるとこの辺ですかね。
(森)ロシア。
そうです。
ロシア領の辺りです。
いわゆる先住民族という人たちがたくさん持ってるタイプでMの9というのは非常に南のタイプでしてこの辺りと考えてます。
(森)あったかいとこですね。
すごく面白いのは日本の方にも入ってくるんですけれども一方でこれチベットにも入るというタイプでして。
分かれてるんだ。
ここで2つに分かれて両方に進んでいったんだという事がいわれているタイプという事です。
それからこのM7aというのはこの辺りだと…。
実はほとんど日本にしかないというタイプでして今でも沖縄の人の4人に1人ぐらいはこのタイプを持っているんですけれども。
このN9bっていうのも実は今回の小竹でも一番たくさん出てきたタイプなんですけどもこれは恐らくこの辺りから出てきたんだろうと。
こうやって見てもかなり広い分布で分かれてるじゃないですか。
それが同じ富山県の貝塚から出てきてるんですか?
(篠田)出てきたという事なんですね。
それが実は縄文人のルーツというのを考える時に今まで割と狭い地域からワッてやって来てというふうに考えていたんですけどもどうも縄文人とひと言で言っても相当いろんな所から恐らく入ってきて…。
ルーツはてんでばらばらだったって事ですか。
北の方の人南の方の人そういう人が日本列島の中であったんだと。
(クリス)面白い。
もう既にかなり面白い。
しかもびっくりした。
先生古い人骨からも分かるって事は…そうですね。
そしたらルーツが分かるって事ですよね。
皆さん何かされたでしょ?された。
こういうの。
やりましたね。
事前に皆さんの唾液からDNAを採取させてもらって…。
大丈夫ですか?皆さんのルーツ分かってるんですよ!まず天野さん。
俺からいくのか!俺のルーツ!Dの4。
急に出てきたんだけど!何何?Dの4!実は天野さん富山の貝塚からは見つかっていないD4というグループでした!これは大体中国大陸の真ん中ぐらいって考えてるんですけども…。
中華メチャクチャ好きなんですよ。
私も実はこちらD4なんです。
(クリス)え〜同じなの!?同じなんです。
濃い薄いで言ったら薄い方だよね。
それではここからいきましょう。
ゲストのお三方。
俺この地図に載らないんじゃないかと思うよ皆さんは。
そうかな。
私もすごい遠い所かもしれない。
皆さんもこの中にタイプがあるんです。
クリスさんはね何か太平洋の中かもしれない。
(クリス)測定されてるんですから。
そこで住めませんから。
D4なんです。
(クリス)え〜同じ!?え〜同じ!?ご不満ですか?クリスさん違うと思ったわ。
同じここ。
ここ一緒です。
へえ〜。
次どっちいく?どっちいきましょう。
森さん。
はい私いきましょう。
D4なんです。
(一同)え〜!
(クリス)ちょっと待ってよ!全部D4じゃん!
(森)あら〜!さあ阿部さん。
阿部さんいきましょう。
Gの上ぐらい?そうそう。
あの辺あの辺。
D4なんです。
(クリス)え〜つまんない…。
あ…つまんないだって。
ちょっと待って。
D4の集まりなの?先生これ…日本人自体実は全体を調べるとこんなような…。
よく見て頂くとほかのも20個ぐらいのタイプがあるという事になります。
(森)じゃあ多いんだD4って。
多いのはやっぱりD4が一番多いですね。
シェア半端ないですね。
ただですねD4もたくさんいますので更に細かく分ける事ができています。
D4の中にもタイプがある。
縄文時代古い時代から日本列島に入っているタイプとそれから後の弥生時代に入ってきたというグループがあるという事も大体分かってます。
先生我々のはそれまで細かくやってくれたんですか?
(篠田)もちろん。
どっちだろう?実は…うそでしょ?阿部さんと同じなの?
(阿部)入ってきた時期がですか?
(森)兄弟なんじゃないの?絶対兄弟と思えない。
親戚とか?母が同じ。
この2人に一番近いのは実は森さん。
お三方は恐らく縄文時代から入ってきてるタイプだというふうに考えてます。
典型的な日本人のミトコンドリアDNAというともうクリスさんという事に…。
そうなの?私が典型的なの?はいそうです。
日本人の恐らく8パーセントぐらい。
これは大陸にたくさんいますので恐らく世界中見ても一番多いタイプだと思います。
クリスさんが一番平均的な…。
一番平均的。
いろんな平均とってますもんねクリスさんは。
壇蜜さんも実はクリスさんと同じグループで恐らく後から弥生時代から入ってきたタイプだと思います。
(森)後輩?後輩?後輩です。
おっ阿部さんいいところに気が付いたね!そうか。
時代が違うとそれのみ込んじゃうみたいなイメージあったけど共存してるんですね。
弥生は農耕文明ですから恐らくそのDの4を中心とした特にクリスさんとか壇蜜さんたちのグループが後から入ってきて日本列島の中で稲作農耕を進めていく訳ですけども。
クリスさんと壇蜜さんのおかげでお米を食べれるようになった。
力としては弥生の方が強かったと思うんですよ。
それは鉄器であるとか青銅器だとかあるいは農業持ってますから要するに最先端の農業と工業を持った人たちが入ってくる訳ですよね。
そこに原始的な生活をしている人たちを駆逐する事なく一緒に暮らしたんだと思いますけども。
これすごくないですか。
日本ってやっぱり島国だから結構種類は少ないのかなと思ったら…。
いろんなタイプの人が来ても仲よくしてたっていうのがこの日本の平和を愛する国につながってるみたいな…。
その両方がケンカをしてないというところが恐らくこの多様性を生んでこれが私たちの特徴を生んだんだろうっていうふうに考えてます。
皆様宴もたけなわでございますがこれで1時間目人骨からさぐる日本人の意外なルーツこれにて終了なんです。
もっと受けたい先生!先生お名残惜しいのですがありがとうございました。
また新しい事分かったら先生お願いします。
いや〜日本人のルーツってさまざまだったんだな〜。
さてここからは2時間目。
そ〜んなご先祖さまたちの暮らしぶりについても驚くような新事実が分かってきたんです!まずはそのころのご先祖さまの姿にとっても近いモデルさんに登場して頂きましょうか。
名付けて縄文くん。
(クリス)縄文くんって。
うわ〜!
(森)ゆるキャラ?お面か!身長もこんな感じ?身長もこれぐらいだったんだね。
普通毛皮とか着てるのかなと思ってたけどちゃんとこういう技術もあったんだね。
このお面の顔なんですけれども言ってみれば従来の教科書的なイメージなんです。
こんな感じですよね確かにね。
実はこのお面の下に今回…本物の顔で?はい本物の顔で。
生きた縄文人。
はい。
では失礼して…。
うわうわ…怖い!
(クリス)本物の縄文人!いきますよ〜。
はい。
(森)えっ?かわいい!何だイケメンじゃない。
全然古い感じがしないんだけど。
きっとこの骨だったらこういう肉がついてたんじゃないかって復元した顔がこれ。
(クリス)私大丈夫だ。
縄文人とラブラブできちゃうかも。
ちなみにこちらが証拠なんですけれども。
(一同)ああ〜!
(阿部)似てる似てる。
彼をモデルに作った顔みたいこっちが!似てるわ!
(森)ちょっと待って。
あのさ西洋チックな顔ではっきりしてない?阿部さんに近い。
こういう顔。
(クリス)あ〜近いかも。
どう?気持ちは。
縄文人の顔だって言われた。
(クリス)でもいいじゃない。
イケメンなんだから大丈夫。
(腹が鳴る音)えっ?何?あなた。
(森)おなか痛いの?あれ?どうした?あっもしかして…。
さっきまでしゃべれたじゃねえか。
ちょっと…ちょっと待って。
…とここで突然森さんが!食べ物といったら私森公美子でございます。
私縄文の時のご先祖さまの食べ物を…意外な食生活をしてたところを見つけちゃいました!ドコドコン!ほら。
ここ。
ここに行ってまいりました。
ものすごいもの食べてました。
何食べてたの?う〜ん…縄文でしょ。
…な〜んて縄文の食生活には期待もしてない森さん。
目的地に到着したようですよ。
でも…。
ここが8,000年前のご先祖さまが暮らした東名遺跡。
…ってただの池に見えますけど実は縄文時代の食べ物の痕跡が続々と見つかったんですって。
…と思ったらあれ?誰かいるぞ。
(森)こんにちは!実は皆さんこの遺跡と縄文時代をこよなく愛する地元の方々。
口々にこの遺跡の大自慢!最古の!皆さんの話によるとこの遺跡粘土層で真空パックのように保護されて普通なら腐ってしまうようなものもきれいに残っていたんですって!…でそんな自慢の遺跡から8,000年前のご先祖さまが食べていたおいしいものがた〜くさん見つかったんだとか。
ちょうど今…え?池の下って事?無理です無理…。
でも発掘されたおいしいものは資料館にちゃんと保管されていました。
すいません。
あっこんにちは。
すいません。
こんにちは。
森と申します。
初めまして。
初めまして。
館内に積み上げられた1万ケースを超える出土品。
その中に縄文人たちが愛したおいしいものが収められているっていうんです。
ここで突然ですが…おっ頑張ろう。
まず初級編です。
最初はこれです。
これは見ればすぐ分かりますよね〜。
これが出たんだ?あの遺跡から。
(西田)そうでしょ。
何年も何年もかけて…。
何年も何年もかけて育ってる。
なるほど〜。
食べれるか分かんないから大きいんだ。
なんと40センチ近い巨大なカキ!嫌だ!そりゃそうだわな。
タルタルソースも1リットルぐらいあるね。
ではこれは分かるかな?何かの骨。
ヒントは現代人も食べる高級食材。
ウナギ?ウナギじゃないか。
正解はスッポンです!見た事ありますか?ありますあります。
さてお次はどんな食べ物か?
(森)まさか?
(西田)正解です。
はあ〜!ムツゴロウといえば有明海の干潟で暮らすハゼの仲間。
実は現代でも郷土料理で食べられているんです。
その食べたあとと思われる骨が発掘されました。
食べ物の残骸から明らかになったぜいたくな縄文グルメの数々。
縄文人はグルメだったって。
(クリス)おかしい。
私全部嫌いだわ。
実はこれで終わりじゃない。
縄文時代のご先祖さまにとっての特別な食材があるんですって。
黒いのいっぱいありますね。
その特別な食材を保存するのに使われていたのがこれらの道具。
(森)あらららら!そうです。
え〜っ?うわ〜!8,000年も昔のものとは思えないほどきれいに残ってる。
国内最古の編みカゴです。
復元したのがこちら。
手が込んでるな〜。
そうですね。
完全に職人技ですね。
こんな編みカゴが700個以上も発掘されたんですって。
一体この中にどんな大事な食材を保管していたんでしょう。
出土した本物の編みカゴをよ〜く見ると…。
そう!この黒いのは縄文時代の主食どんぐり!実はこのどんぐりを収めた編みカゴ穴の中に入れられた状態で発見されました。
再現してみるとこ〜んな穴の中にこんな感じで。
穴から染み出した地下水をためるなどしてその中にどんぐりをつけ数か月ぐらい保存していたらしいんです。
え〜?水につけとくんだ。
というのもどんぐりって虫がよく卵を産み付けていて放っておくと中の実を食べられちゃう。
そこでカゴに入れて水につけ虫をやっつけていたという訳。
頭いい。
どんぐりは身近でたくさん手に入る大事な食料。
8,000年前のご先祖さまたちもこんなふうにどんぐり拾いをしていたんですかねえ。
あれ?残念ながら…ガ〜ン!そこでどんぐりの食べ方に詳しい方に聞いてきました。
どうも!初めまして森公美子と申します。
こんにちは。
すいませんよろしくお願い致します。
実はご先祖さまがどんぐりを意外な調理法でおいしく食べていたと見られる証拠が発見されてるんですって。
こちらですね…いえいえ。
なんと分析の結果どんぐりのような木の実をすり潰して焼いた食べ物ではないかというんです。
食べ物なの!?それではそのどんぐりクッキーを作ってみましょう!殻を割って中身を取り出します。
メチャクチャ早いんですけど私。
やってましたねこれね。
え〜それをすり潰したらヤマイモやウズラの卵を混ぜ蜂蜜を少し足してあとは焼くだけ。
え〜!どんぐりクッキー完成です。
そのお味はスタジオで〜!これがどんぐりクッキーでございます。
再現してくれた?
(森)再現致しました。
頂きま〜す。
(阿部)マイルドマイルド。
ん?優しいですよ。
かめばかむほど味が。
(クリス)自然な味が本当によく分かる。
ぬれ煎餅みたいな食感なんですよね。
独特の何かね。
案外いけるみたい。
でももっと驚くのがご先祖さまたちが食べていたと思われる食材の数々!スッポンにカキそしてキノコやイモにシシ肉。
でもどうやって料理したんでしょう?縄文人について長年研究してこられました大ベテランの先生に。
はい。
國學院大學名誉教授小林達雄先生です。
お願いします。
(一同)おお〜!
(クリス)教科書で見た事が…。
こんにちは。
縄文土器をお持ちなんですね。
複製ですね。
複製。
(クリス)何ででも食材のとこでこれ持ってらっしゃったの?
(小林)どうしてでしょう?
(クリス)食材と関係あるんですか?えっ!?ちゃんとおこげが中についていたり。
もう紛れもない証拠があるんです。
中に何かを入れて火をつけて焦げたって事が分かってる。
へえ〜。
という事で縄文土器クッキング〜!はいこちらのお鍋…じゃなくて縄文土器に大昔のご先祖さまが食べていた食材を入れます。
(森)こういう…ダバ〜ッとダバ〜ッとガバッと。
スッポンも軽くスポンと。
土器をたき火にかけて煮込む事30分。
おっ出来てきましたね〜!さてお味は?
(森)頂きま〜す。
え〜っ!そんなにおいしいの〜!?鍋です!縄文鍋!具だくさんで。
これにスープが入ってんのがちょっと衝撃。
はいでは頂きます。
(一同)頂きます。
いい匂いですね。
(小林)うんいい味ですよ。
意外とさっぱりしてる。
確かに素材の味はすごいね。
すごいでしょ?今ね私たち現代人はもう本当に塩分とるでしょ?とり過ぎ。
本当はこういう素材のこの味だったんだよ。
(森)おいしいおいしい。
そうそう。
実はそれこそが縄文のご先祖さまたちの生き抜く知恵だったんです。
好きなものだけ食べるんじゃなくて。
(小林)なぜそういう事を言うかというとどんな食べ物でも不作の時があるんですよ。
不作の時に代わりに何か食べなくちゃいけないという時にうっかり食べて毒だったかもしれない。
それを避けるためにと私は思ってるのね。
あ〜!今年はあれが実をつけなかったけどこっちのものが食べれるぞとかそういう代用がきくようにいろいろ食べてたんじゃないかと。
農耕はごく限られた栽培作物に全部依存してますからその作物がこけるともう餓死せざるをえないんですね。
縄文人は分かってたんだ。
すごい。
すごい。
あらら?何かさ…。
縄文くんも笑顔で食べてるね。
おいしい?
(クリス)あ〜やっぱりルーツは縄文くんだ。
縄文縄文。
よかった。
よかったです。
むしゃむしゃ食べてる。
ここで一息
愛媛県久万高原町にある縄文時代の遺跡からなんとご先祖さまがペットを飼っていたという意外な発見がありました。
現場は石灰岩の岩盤の脇。
ここからおよそ7,000年前の埋葬された犬の骨が発見されました。
石灰岩のアルカリ成分で守られて骨がきれいに残っていたんです
慶應義塾大学でその骨が詳しく分析されました。
すると興味深い事実が浮かび上がってきました
注目すべきは…
そうこの犬は7,000年前のご先祖さまたちにとって欠かせない狩りのパートナーだったのです。
でもそれだけではありませんでした。
これは別の遺跡から出た犬の骨のレントゲン写真です。
この白い部分は一度骨折して治ったあとだといいます
猟犬としては働けなくなってもペットのように大切にかわいがっていたなんて。
人間と犬との深〜い愛情ってはるか縄文時代のご先祖さまから受け継がれていたんですね
現代人もびっくりのご先祖さまの姿
まだまだものすごい話が飛び出しますよ
こちら何でしょう?これはあれですね…。
ちょっとどうですか?引け引け引け〜!
(クリス)あ〜印籠。
家紋みたいな事?印籠?現場の阿部ですがこれ塞ぐものですね。
何かを塞ぐ?ヒントはこちらです。
このお写真見て下さい。
これと同じ円い形のものが体のある部分に取り付けられていますが…。
(森)口?耳?あっ森さん。
(森)耳!?はい。
正解です森さん。
耳飾りです。
(クリス)こんな大きいの?しかもピアスですよ。
ピアス!?穴開けてここにこれを入れ込むんだ。
まさかこんな感じ?これがピアスなんて事がありうるのか。
街で調べてまいりました。
どうやってだよ?
(森)街!?やって来たのは若者の街渋谷!ピアスをつけてる人いっぱいいますけど…。
ですよね〜。
でもここでピアスだらけのつわものたちを発見。
うわ〜…。
じゃあこんな大きなピアスをしてる人知りません?えっ?いるの?紹介された人物を待つ事1時間。
現れたのは日本在住9年のブラジル人パラディニさん。
本当だ!大きなピアス!耳たぶ伸びて。
うわ〜!じゃあこの縄文ピアスをはめてみて。
無理だよ。
大丈夫。
いやいややってみて。
あっやっぱり駄目かこの人も。
…と諦めかけたら何か心当たりがあるみたい。
えっ?原宿?原宿にいるの?早速教えてもらった場所へ急行。
そこにあったのはピアス専門店。
縄文のピアスを見せてみると…。
あれっ本当だ!縁の部分のくぼみが縄文ピアスとそっくり!あれをつける人いるって事?じゃあ。
あれ?ちょ…ちょっと待って!お兄さんその耳!み…み…耳が…耳!おお〜!うわ〜!超特大ピアス!耳に入ってるの?これ。
なんと5年もかけて少しずつ耳たぶの穴をこの大きさまで広げたんですって。
この人なら縄文ピアスなんて楽々つけられるはず。
うう…いや〜うわ〜!何?これ。
やめて!痛い痛い痛い。
イカのくん製みたい。
あ〜!余っちゃった!余っちゃった!こんな感じです。
うわ〜!縄文時代のご先祖さまぶっ飛んでるな〜!うわ〜!ありえないわ。
大丈夫ですか?皆さん。
ちょっと最後イカのゲソみたいになってたけど。
(阿部)いるんですね。
ここに入れてた?はい。
(クリス)あれ何でなるんだろう?でもでもあれが土偶のモデルになってるっていう事は縄文人はやってたという事ですね。
はい。
(クリス)あれは上の階層の人?いわゆる身分が高いという?共同墓地の中で発掘していっても1割はいないですね。
すごい貴重な物なんだねこれ。
じゃあせっかくだからつけてもらいましょうか?あっ!縄文人にしたらステータスだから。
最初に何だっけ?ナイフ必要なんでしたっけ?そうですね。
それほど鋭利じゃないものでもいいから。
石のナイフ。
しょうがないからかみちぎる?先生が一番大胆になってきている。
みんなおかしいんじゃない?ちょっと。
まあ無理だというのでこれ用意しました。
よいしょ…。
はいどうでしょう?こんなイメージになります。
(クリス)耳大きい。
でもね立派に見える。
何か分からないけど。
威厳が…。
地位が高く見える。
こういうアクセサリー私もすごい初めて見てすごくすてきだと思うんだけど私ねもっと特別なアクセサリーをね見てきちゃったの。
アクセサリーはほかにもあったんじゃないかと?もっとすてきな!しかも宝石。
はい日本地図出ました。
私が行ってきた所はここでございます。
新潟のある海岸。
ここの場所から出てきたのいろいろ。
ここにあったんですか?
(クリス)はい。
ちょっとちょっと。
今日ここ…縄文時代のご先祖さまがこよなく愛した特別な宝石とは何なのか。
町の人に聞いてみると…。
それが海にあるの?連れてっておねえさん!ヒスイ?それってどんな宝石なの?いやちょっと!いや一応参考までに色。
この色が…違う。
やって来たのは日本海を望む海辺。
この海岸休日になると全国各地からヒスイを拾いに観光客が集まってくるんです。
クリスさんもヒスイ探しに挑戦!緑色の石って言ってたけど…。
ちょっとあの…あっあっ!えっ?これがヒスイ?ヒスイだほら!あったよ。
これは石でしょ。
私が見つけたの!ほらこれ!ヒスイじゃないの?これ。
本物のヒスイはこちら。
ものすご〜く運がいいとこんなふうにヒスイが落ちている事があるんですって。
じゃあちょっとこの落ちてるの探してみます。
ありがとうございます。
あ〜あ!あらららあらららあ〜!でも何でこの海岸にヒスイが転がっているのかって?実は海から20キロほど離れた場所に秘密が。
こんな険しい山の中にヒスイの原産地があるんです。
白く見える岩がヒスイの原石です。
こういう岩が砕けて川を流れ下るうちに中にある緑色の美しい部分が現れあの海岸にたどりついていたんです。
この糸魚川のヒスイ特に優れた品質のものが多いんですって。
10か所って結構あると思うんですけど。
これが糸魚川周辺でとれたヒスイ。
ほかの産地のヒスイと比べてみるとこのとおり。
宝石のように美しいヒスイがとれるのはここ糸魚川周辺だけなんです。
そんな糸魚川の美しいヒスイに取りつかれた人物を発見!おにいさまこんにちは!ヒスイの加工に夢中の龍見雄記さん。
本業の旅館業は息子さんに任せっきりだとか。
工房の中はいろんなヒスイがた〜くさん!龍見さんによると糸魚川のヒスイには隠れた魔力が!石に光を当てるとそれが分かると言います。
蛍?かぐや姫?どういう事か実際に光を当ててみると…。
(クリス)うわっ!ワオ!フフフフフ!
(クリス)いやこれはきれいだわ〜。
うわ〜!これが透き通った糸魚川のヒスイならではの不思議な魅力か〜!光通すんだね微妙に。
神秘的っていうのがやっぱり…その魅力にはもうどうにもならんですね。
不思議な魔力さえ感じさせる糸魚川のヒスイ。
実は最初にその魅力に気付いたのは縄文時代のご先祖さまでした。
それを物語る証拠が長者ヶ原遺跡で発見されたんですって!すいません。
あの木島さんでいらっしゃいますか?こんにちは。
5,000年も前のヒスイが発掘されたっていうんですけど…。
縄文時代のもの?このケースの中なんですけど。
え〜!
(木島)開けてご覧になります?え〜?これ触っても大丈夫?いいですか?はい。
特別な許可を頂いて触らせてもらいました。
うわ〜すごい。
ここがね青いのがはっきり出てる。
これが縄文時代のヒスイ。
原石が丁寧に加工され美しい緑色を放っています。
光を当ててみると…。
うわ〜きれい。
5,000年の時を超えた神秘の輝きです。
蛍だまさに。
このヒスイに円い穴を開け身につけていたと考えられるんですって。
まさか…すごい!すごいでしょ!やっぱり魔力感じました?何かねほんと実際見るともうねうわっていう何かを感じるすごく。
あれ見てみたくありません?どんな感じか。
こちらにご用意してますよ。
ちょっとご覧下さい。
どうぞ。
きれいでしょ!もう見ただけで。
ねえ!きれい!
(クリス)これが龍見さんが作って下さったペンダントなんです。
(森)へえ〜!
(クリス)きれいでしょ!じゃあこれがどういうふうに美しいかちょっと明かりを当ててみたいと思います。
そうすると分かります。
あ〜全然違うわ!きれい!
(クリス)だからこれふたつと同じ輝きはないんですよヒスイって。
そこがすごく魅力です。
せっかくだからやっぱり縄文くんにつけてもらって。
あ〜!こんな感じです。
こんな感じになるんですね。
(森)すごいね。
やっぱりすごい威厳がある感じが…。
俺思ったんですけどこのヒスイに…そうそう!実はヒスイはとっても頑丈でダイヤモンド以上に壊れにくいんですって!どうやって穴を開けるか実際ちょっと体験してきましたのでご覧下さい。
え?
(阿部)やってるんですね。
ヒスイに開けられた見事な穴。
それはこんな筒状の細い竹を使って開けたと考えられています。
その根拠になったのがこちらのヒスイ。
縄文人が途中まで穴を開けた未完成品が見つかったんです。
穴の形が竹と一致するでしょ?この竹の先につけたと考えられるのが石英の粉です。
そのヒスイよりちょっと硬いというのが実はポイントなんですね。
石英の粉でヒスイを削りながら少しずつ穴を開けていきます。
…といっても穴を開けるには途方もない時間と労力がかかったはずです。
ヒスイはそこまでしてもペンダントにしたくなる特別な宝石だったと考えられています。
その理由はやはりヒスイの放つ緑色です。
えっ?緑は命?いわゆる…
(クリス)はあ〜!ヒスイは単に身を飾るアクセサリーではなくご先祖さまにとって欠かせない宝物だったんですね。
いや〜。
すごいでしょ?すごい技術というかそれが分かってたんだ?より硬い物で摩擦を…。
摩擦を起こせば穴が開くっていうの。
すごいですね。
かなり時間はかかりますけどね。
あれ本当に1時間ぐらいやってましたから。
少しへっこみが出来て安定したぐらいです。
だからこういうものを威信財というんですよ。
威信を示す…。
(森)なるほどね。
(篠田)身を飾るとかじゃなくてどんなもんだいという自分の身分を誇示する。
我々の今まで習ってきた縄文時代というのはみんな平等だという考え方でしょ?
(森)はいはい。
そうではないんですよ。
人間これだけ悪知恵発達してるのが競り合ってるんですからもうそこでは上下関係出てくるに決まってるんだね。
使う者と使われる者みたいなそういう主従関係みたいなのがあったと?あったんですね。
それで大変な事実が分かって。
ちょっとこちらをご覧下さい。
実は糸魚川のヒスイを加工したペンダントが全国各地の縄文遺跡でも見つかっているんです。
青森の三内丸山遺跡や北海道でも。
一体どうして?三内丸山のような東北北部とそれから更に津軽海峡を渡った北海道なんですよ。
あそこにいっぱい行くんですよ。
それで向こうとお近づきになって力を誇示する訳です。
その時にこのヒスイを渡したりとか?それで…
(森)へえ〜!丸木舟で?
(森)命懸けじゃないですか!
(クリス)地図なんてまだねないのに。
航海術ですよ。
航海術というのは大和魂でこいでいけばいいというもんじゃないんですね。
それは…。
気合いじゃ行けないと。
そうそう。
天気を読んでね例えば今吹いてるこの風は間もなく嵐を呼ぶ風だとかねいうような事までみんな分かる。
へえ〜!雲の動きとかそういうのもそうですよ。
縄文人ってそれを文字に残してたりするんですか?文字には残ってないけれどもそれを読み取るのは我々ですよ。
かなり頭のいい。
すごいすごい。
天気を読んだり星を読んだり航海術もあったり。
縄文時代のご先祖さまっていうのは科学者の要素もあったんですね。
さあ次はいよいよ「縄文時代のご先祖さま最大のミステリー」の登場だ。
実はですね…
(クリス)何だろう?
(阿部)それは私が答えましょう。
(クリス)おっ阿部さん!阿部さん!縄文時代の先祖の方々を象徴するあるもの。
あるものがとんでもない大事件を起こしたんです。
皆さん事件です。
これ何だと思います?あるもの?事件があるとしたらね阿部さんが前に出た事ですよ。
あるものとはこれ土偶なんです。
土偶?土偶は今年の5月世界的に有名なイギリスのオークションでとんでもない破格値を出したんです。
土偶がそんな値段に?いくらで買うかでいったら3,000円ぐらい。
自分で出すんだったら。
3,000円だったら買う。
…1,000円。
(阿部)話になりませんね。
(一同)えっ?1億9,000万!
(一同)え〜!
(クリス)1億超えるの?マジか。
これが?
(阿部)縄文のこのご先祖の方々これをどのように捉えていたんでしょうか。
私長野に行ってその真相を解き明かしてきました!事件です。
私が来たのは長野県茅野市。
なぜかこの町で土偶にはまる人が急増中だというんです。
一体何が起こっているんでしょうか。
実は茅野市…まさに土偶の里なんです。
土偶の雰囲気まだしませんね。
すいません。
土偶…。
この町ってはまってる人が増えてるって聞いたんですが…。
町の人々をとりこにするこの土偶。
この土偶がですね出土したという縄文の地へこれから行ってみましょう。
さあ。
たどりついたのは尖石遺跡。
この一帯からはおよそ300か所もの縄文遺跡が発見されています。
5,000年ほど前にご先祖さまたちが一大集落を築いた特別な場所なんです。
あ〜。
しかし…雨風そして気候の変化。
これは厳しいものがあったと思います。
そんな遺跡群から発掘されたのが2体の国宝土偶です。
よろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
一体どんなすごい土偶なのか。
はい。
おお…。
うわ〜!どうぞ。
わあ〜!国宝土偶名付けて「縄文のビーナス」。
高さ27センチ女性をかたどった大型の土偶です。
そのおなかの部分を見ると…。
おなか大きい。
(館長)今にも産み落としそうな…これ後ろから見るともうはっきりこれ女性ですね。
女性の体型してますね。
はい。
(阿部)はあ〜。
丹精込めて作り上げられた美しい妊婦の像。
世界的にも高く評価される逸品です。
そしてもう一つ国宝に指定された土偶が。
縄文時代後期に作られた「仮面の女神」という土偶になります。
お面をかけています。
(阿部)あっお面か。
儀式の時につけたと思われる不思議なお面で顔を隠しています。
そしてやはり大きなおなか。
そうですね。
どちらも妊婦と思われる土偶。
一体どうして?
(阿部)あがめてたって事ありますか?この生命の誕生を。
ええ。
そうした事をやっぱり意識的に表現していく。
そこにやっぱりね愛を込める。
大変思いの詰まったものっていうふうに考える訳ですね。
新たな命を生み出す女性という存在への特別な思いが伝わってくるようです。
とそこで阿部さんが目にしたのは…。
ちょっと待って下さい。
皆さんこんにちは。
すいません驚かして。
(一同)こんにちは。
ウオッホッホ。
何してんのかと思ったら…まあ大きい土偶ですねこれ。
(阿部)2倍にした?はい。
これ見てるだけと作ってみるのこれ気持ちは違うんですか?全然違います。
全然違いますか。
はい。
作ってみるとね彼らの心というのかいわゆる縄文人の心というのか何となく共感できるというのか。
なるほど。
そこで阿部さんもご先祖さまの思いを知るべく…イメージを湧かす。
それも身近なもしかして最愛の方を。
うんよし!そう言うしかないだろ。
切り分けた粘土を組み合わせ体を作り上げていきます。
(阿部)娘がこれ生まれる前ね豪快に腹がせり出して。
臨月ねすごかったんで。
それを思い出して。
身重だった時の妻を思いながら2時間。
ご先祖さまの気持ちに近づく事はできたのか?終わりです!ハハハハ。
(拍手)ありがとうございます。
いいね!これ。
よくないですか?これ。
すごく。
これ自画自賛でいいですか?
(拍手)ありがとうございました。
阿部さんこれが。
持ってきて頂きました。
もう焼けたんですねこれ。
ちょっとこの右肩下がったとこがいいですね。
これね。
うちの家内がゴルファーなもんでゴルファーちょっと右肩下がるんですね。
作りながら何か考えました?いろんな事を。
これやっぱり生命の誕生が原点だと思って。
今でもやっぱり…
(阿部)古代縄文の方ねやっぱりなんとかね…実は…何ですか?それがこちら。
ジャン。
いっぱいある。
これは山梨県の釈迦堂遺跡で発掘された大量の土偶。
国宝の大型土偶とは違って…よく見てどれも体がバラバラ。
なんと多くの土偶はわざわざ割られた状態で発見されているんですって。
わざと割ったの?そうなんです。
(阿部)それわざとなの?何のために割ったんだろ。
(小林)だからちゃんとした…そうですね。
一種のね実は道具なんですよ。
土偶も。
道具の中にはね2種類あるの。
一つは第1の道具と呼んでるんですけれども第1の道具は食べ物を手に入れるための道具なんですね。
狩猟のための。
それはもう全世界どこの地域の集団でもみんな手に入れてます。
それに対してある地域に密着してそこだけにしかないようなへんてこりんなものがあるんです。
それを第2の道具と呼んでます。
それがね例えば土偶ですよ。
興味深い事に縄文文化特有のものなんです。
あっそうなんですか。
じゃあ何のために割ったの?私たちはいろいろな日常生活でこうあってほしいと思っても実現できない事がたくさんあるじゃないですか。
私たち力を尽くして駄目なら諦めるというのか駄目だったらせめていちるの望みを託す。
あるいは祈るとか。
はあ〜。
土偶というものをわざわざ作ってそしてその土偶に犠牲になってもらって自分の祈りとか願望というものを実現した。
託した。
なるほどね。
我々はね交通安全の札とか合格祈願の絵馬だとかそういうものに…。
すがりたいけども。
残ってるんですよ。
(森)なるほどね〜。
だから日本の方ってお守りとかも好きですもんね。
お札とかね。
それはもうとても大事ですよね。
縄文人はいち早くそれに気付いてたって事ですか?そうですね。
早いですよね。
先を行ってるのよ私たちの。
全然昔の人じゃないですね。
先生我々がこの縄文時代を学ぶ意味っていうのは何かあるんですかね?縄文人の生きざまというのはとりもなおさず僕たちの生きざまとも重なる部分がたくさんあるの。
その時に…それがず〜っと…まさに縄文人も僕たち現代人も全部同格なんですよ。
なるほどね〜。
私たちの想像を超えたはるかなご先祖さまたち。
彼らはどうやって島国日本へやって来たのか。
沖縄の与那国島で今その謎に迫る新たな挑戦が始まっています。
3万年前海を越えて沖縄にたどりついたと考えられるご先祖さまたち。
彼らは一体どんな方法でどれほどの難業を成し遂げてこの地にたどりついたのか。
人類学者を中心とする研究グループが当時の技術で作れそうな舟を再現。
実験を繰り返しています。
アハハハハ!落ちるわ。
目標は台湾から与那国島まで100キロ以上を渡りきる事。
そのためには世界最大級の海流黒潮を渡りきらなくてはなりません。
私たちのご先祖さまは想像するよりはるかにたくましくおしゃれで賢かったに違いない。
彼らの本当の姿を知る事は私たち自身を知る事でもあるのです。
だってこんなとこ来てるんだもん。
いや〜しかし今日は人骨から始まってもう土偶の由来というかね意味合いまで。
皆さんいかがでした?僕あの竪穴式住居のとこ行ったんですよ。
どうもねこう自分のね住みかのような感じがした。
じゃあリフォームします?竪穴式住居でいいんじゃないか…。
(クリス)縄文ですもんねもとは。
縄文人が残したものっていうものが今の生活の中で息づいてるっていうのがものすごい事だと思う。
すごく興味深かった。
もっと知りたいと思いました。
是非ねこういう番組は2回3回やっていきたいんでその祈りも込めてこの土偶割りませんか?そうだ。
そうだね思いっきりね。
(阿部)これはいいです。
今日来る前にね妻にねあなたの土偶作りましたよって持って帰るからって約束したのね。
今のような話の程度で作ったなら何の役にも立たない。
(笑い声)割りましょう。
阿部さん自身がやらなきゃ駄目だから。
私がですね2時間かけて作ったこの土偶ひねります。
奥様をイメージしたんですよね。
ごめんな!ごめんな!
(一同)ああ〜!またいつかお会いしましょう!どうもありがとうございました。
2015/12/27(日) 19:30〜20:43
NHK総合1・神戸
教科書が変わる!?日本人のルーツをさぐる旅[字]

「日本人の原点」とも言える太古のご先祖さまの人骨が相次いで大量発掘!しかも骨からDNAまで取り出され、意外な新事実が判明!日本人のルーツをめぐる壮大な謎に迫る。

詳細情報
番組内容
人類は1万5千年以上前の旧石器時代に初めて日本列島に現れ、縄文時代にかけて各地に定住を始めたとされている。そんな「日本人の原点」とも言えるご先祖さまの人骨が、沖縄や富山で大量発掘!しかも骨からなんとDNAまで取り出され、その最新分析から、日本人の太古のご先祖さまたちが「どこからやってきた、どんな人たちだったのか」という謎が解明され始めている。教科書には書かれていない驚きの“ご先祖さま像”に迫る!
出演者
【司会】天野ひろゆき,壇蜜,【解説】国立科学博物館人類研究部長…篠田謙一,國學院大學名誉教授…小林達雄,【リポーター】森公美子,クリス松村,阿部祐二,【語り】チョー,谷口恵美
キーワード1
ご先祖さま
キーワード2
ルーツ

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
バラエティ – トークバラエティ

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