はじめに
簡単無料でネットショップが作れるというBASE。僕もとある商品を売ろうとショップを作りかけましたが、ログインして5分弱で閉めることになりました。その理由を含めて記事にしておこうと思います。
ただ。僕はBASEというサービスについて否定的な考えはありません。あくまでも僕の使用方法においてはBASEが向いていなかったということだけです。後で理由はわかりますがBASEというサービス自体はしっかりと考えられていて出店者、購入者どちらに対しても真摯なサービスだということを先にお伝えしておきます。
「なんだ、BASEの悪口を見たかったのに」とこの記事を開いた方はここで閉じて頂くほうがいいと思います。でも、BASEで出品しブログでPRをしながら販路を広げようという考えをお持ちの方がおられたら続きを読んでいただければと思います。
BASEとは
BASEのサービス
BASEとはネットショップを非常に簡単に、それも無料で作れるサイトです。ネットサイトのデザインの自由度も高くしっかりとした決済方法を持っています。2015年12月からは「後払い決済」という商品が届いてから購入者はお金を払うシステムも作りました。出店者支援のための売上げデータやアクセス解析もついている「売り手にも買い手にも親切なサービス」だと思います。
BASEの仕組み
出店者はBASEにログインして商品の登録を行ない、商品画像のアップやサービスの説明を行ないます。それを見た購入希望者が購入を決めると決済方法を決定、あとは決済方法にもよりますがBASEが双方の間に入って確実な支払と確実な商品の発送を行ないます。支払いの決済方法によってBASEにいくばくかの手数料が入り、その利益などからBASEは収益を得ていると思われます。
出店方法は
出店方法は本当に簡単。
この画面から
- ショップのURLの一部(自分の好きな文字を選べます)
- 登録用メールアドレス(フリーメールで可)
- パスワード
この3つを決めて入力するだけで完了です。あとは別リンクの利用規約を確認し、利用規約に同意するをチェックするだけ。これを完了すればログインした状態になり画面が切り替わります。そこで、
- メール認証を行う
- 商品を登録する
- 特商法を入力する
- 決済方法を選択する
の4つを決定するとショップを開くことが出来ます。しかし、この4つの中の一つが引っかかってしまい、僕はショップをオープンさせることが出来なかったんです。
特商法って知ってますか?
特商法を入力しましょう!に手がとまり、そのまま動かなくなった
インターネットを利用してサービスや製品の販売等を行う場合、トラブル防止および消費者保護のため特定商取引法に関する表記の登録が法律で定められています。以下のボタンより必要情報をご登録ください。
最初はこんな文言が出てきました。「ふむ、そういう法律を守らないとショップを作ることが出来ないんだな」と一瞬思っただけだったのですが・・・。
この次の画面で入力する内容が、氏名、住所、電話番号などの完全に個人情報。あくまでも出店するのが私個人なので、私の氏名、住所、電話番号を記載する必要がある上、ショップが完成すればその内容はショップ内で確認することができることになっています。
後ほど数店を確認しましたが、個人で作られているショップさんについては男性女性かかわらずフルネーム、住所はアパートの号室、携帯電話の番号まで明示されていました。
匿名でやっているブログでこの内容はオープンすることができないし、そもそもここまでの情報をインターネット上に載せることはできないと判断したため、僕はBASEでの出店を諦めたということです。
特定商取引法とは
特定商取引法(旧称「訪問販売法(訪問販売等に関する法律)」)は、訪問販売や通信販売等、以下に挙げる消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めています。これにより、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守るための法律です。
この法律は1960年台に流行したマルチ商法などから国民を守るために1976年に制定された「訪問販売法」から発展してきた法律です。時代によってクーリングオフを盛り込んだりキャッチセールス、ねずみ講やインターネット商取引などを付け加えながら現在の特定商取引法に繋がっています。
広告の記載に不備があることでのトラブルを防ぐための項目
紛らわしかったり不備がある広告であったために商取引が混乱するのを防ぐ目的で、特定商取引法の第11条に『広告の表示義務』というものがあり以下のものを挙げられています。
| 1. | 販売価格 |
| 2. | 送料 |
| 3. | 販売価格・送料等以外に負担すべき内容及び金銭 |
| 4. | 代金の支払時期 |
| 5. | 代金の支払方法 |
| 6. | 商品の引渡時期 |
| 7. | 返品特約に関する事項 |
| 8. | 事業者の氏名又は名称 |
| 9. | 事業者の住所 |
| 10. | 事業者の電話番号 |
| 11. | 代表者氏名又は責任者氏名 |
| 12. | ソフトウェアに係る取引の場合のソフトウェアの動作環境 |
僕がひっかかったのはこの中の8番から11番の部分。表示義務として必ず記載しなくてはならない部分なんですね。
個人情報を記載しなくてはならないの?
やはりここで引っかかる方は多いようで、住所などはレンタルオフィスなどにしたり、専用の携帯電話を持つことで個人情報の提示をせずに済むこともありますが、個人名はさすがに変更することはできません。法人登記すれば本名を明かさず誰かの名前で・・・等できるかもしれませんが、そこまでして?とも思うところですよね。僕の場合はそこまでしなくてもいいか、とBASEを諦めることにしましたけど。
先ほどの特定商取引法があくまでも「消費者を詐欺などから守る」ための法律と考えれば仕方がないのかもしれませんが、ちょっと納得しにくい部分です。
BASEは適法で運営している良サイトだ
最初にも書いたのですが、僕はこの記事でBASEの悪口を言おうとしているのではありません。簡単にショップをオープン出来ますよ、というサイトのPRにすんなりと登録し、法律のことも知らずにショップを立ち上げようとして勝手に諦めただけです。
BASEは真面目に出店者の店舗運営を手伝おうとしているし、ショップ側に対して遵法を求めるがためにオープン前に特定商取引法についての明記を求めているわけです。さらに言えば、この部分の記載が完全に終わらないとショップをオープンさせる事はできません。ここはBASEの誠意だと僕は思います。
でもただ二つだけ、BASEに言いたい
サイトのトップページで「簡単に無料でショップをオープンさせることが出来る」とうたうことで出店数を増やそうという狙いはあると思いますが、こういう「厳しい部分」も明示したほうがいいのではないか、ということが一点。
それと・・・退会ページを見つけるのがめっちゃ大変。ちょっと悪意を感じる。
↑ここから退会できます。場所でいえばヘルプページの一番下、「その他の質問」の一番最後のところにあります。
最後に
こんな経緯で僕はBASEに登録し、5分ほどで退会しました。BASEに出店できなかったのは残念でしたけど、こういう法律の問題などに触れることが出来て勉強になりました。そんななかででも「いやなんとか氏名を伏せてできないか」などと考えたのもまた自分です。
でも、インターネットを通じて物を買う、サービスを受けるときに「どこの誰かわからない」人や企業から買うのはやはり怖いですよね。怖いから結局Amazonで買ったり楽天で買ったりする人が多いわけで。そんな中でも自分の商品、サービスに自信を持ってBASEにきちんと登録し、販売をしている人というのは責任をしっかり背負って頑張ってるんだなと感じました(ウチが手ぬるくて申し訳ない)
ということで、また次の方法を考えたいと思います(考えるんかい) つづく。