早朝4時に鳴り響く救急車のサイレン。
ストレッチャーに固定され男性が搬送されてきました。
痛みに耐え切れず声をあげる男性。
するとそこへ…。
男性を一喝したのは上原医師からまた厳しい言葉が。
はい。
そうですね。
男性は法律を犯し事故を起こしていたのです。
迅速に外傷を処置。
しかしその時上原医師はある異変を見逃しませんでした。
呂律がまわらず答えた日付もまったく合っていません。
脳の異常が疑われます。
ただちにCTスキャンへ。
モニターを食い入るように見つめる上原医師。
すると…。
専門治療ができる病院で経過観察が必要と判断。
上原医師が自ら転院先を手配。
運ばれた男性は事なきを得ました。
搬送されてきたのは小さな女の子とその母親。
外傷は見られませんどうしたのでしょう。
肉眼では骨は確認できず…。
お母さんようやくほっとしました。
続いて搬送されてきたのは60代の女性。
自宅でめまいを起こし家族が救急車を呼びました。
脳に異常があるのではないか。
すぐにCTで検査。
その結果…。
聞けば女性はこの日旅行から帰ってきたばかり。
疲労から来る一時的なめまいのようです。
家族もひと安心。
しかしその一方で…。
最初に家族が電話したときには診てもいいと言っていた病院が改めて救命士が連絡を取ると受け入れを拒否。
そう昨今問題となっているいわゆるたらい回しにあったのです。
このたらい回し過去には受け入れを36回拒否された患者が命を落とす事例も起きています。
こうした事態について上原医師は…。
ここ川越救急クリニックは上原医師が日本で初めて個人で立ち上げた救急に特化した診療所。
それがポリシー。
またしかし一介の町医者である上原医師はなぜ救急にこだわるのか。
実は一生忘れることのない上原医師はほぼ年中無休で患者を受け入れる。
この日搬送されてきた女性は…。
全身全霊を傾け患者と向き合う熱き男。
彼が目指すものとは?国道16号沿いに建つ川越救急クリニック。
この日カメラが捉えたのは不思議な光景。
長蛇の列です。
夕方4時から翌朝9時まで救急搬送を受け入れるこちらのクリニック。
一方夜の10時までは外来の診療も。
とはいえ外来患者がこんなに押し寄せるとはいったいどういうことなんでしょうか?診察室を覗いてみると…。
あれ?その格好は?ソフトバンクの大ファンという上原医師。
日本一を祝しなんとインフルエンザのワクチンをセールに。
チクッとします。
平均で3,000円以上する予防接種料金を超格安の1,700円に設定。
待合室もご覧の状態。
利益よりもより多くの人を予防することが大切。
ありがとうございました。
はい。
はいバイバイ。
さながら現代の赤ひげ先生。
そんな上原医師に理想の病院像を聞いてみると…。
そうですね。
上がっちゃダメですよ。
そのとき電話が鳴りました。
瞬時にスイッチが入る上原医師。
20分後。
搬送されてきたのはところがそのときサイレンが聞こえなんともう1台救急車がやってきました。
クリニック前に2台の救急車。
ここではこんな光景も珍しくないといいます。
対応するクリニックのスタッフは常時2名の看護師と1名の救命士。
上原医師まずは男性の脳の状態を心配しCTスキャンの準備を指示。
その間に…。
先に運ばれた親子のもとへ。
子どもの耳かきをしているときにもう1人の子どもが激突。
耳に出血があります。
お母さん胸をなでおろすことができました。
続いて60代の男性のもとへ。
この患者も2つの病院に断られたすえの搬送。
CTスキャンの結果は…。
幸い脳に異常はみられませんでした。
男性はこうした軽症者の救急出動件数は…。
深夜1時前患者が途切れた合間に夕食。
もう大丈夫かな。
今日は上原医師が自らキッチンに立ち肉を焼きます。
しかし…。
救急車の受け入れ要請です。
10分後には患者がやってきます。
1分足らずで食事をかき込みただちに準備へ。
患者を断らない救急クリニック。
こんなことも日常茶飯事です。
夕方4時から翌朝9時までの17時間ひっきりなしにやってくる救急車。
一日16件という日も。
患者がいない隙間に仮眠。
そんな生活を週に5日は続けています。
更に救急医療の現実にはこんな厳しい側面も…。
この日救急の受け入れ要請があった患者は…。
バイクの飲酒運転。
単独事故を起こした40代の男性。
10分後男性が搬送されてきました。
頭を打っているためCTスキャンへ。
しかし…。
痛みと飲酒で錯乱状態のようです。
暴れる男性を動かぬようベルトで固定しCT検査。
脳に何か異常があればすなわち命にかかわります。
幸い脳に問題はないようです。
すぐさま処置室で額の外傷を治療。
迅速な対応ですべての処置が完了。
帰るよ。
うえ〜。
うえ〜じゃないよ。
はいおはようおはよう。
男性はパトカーへ。
そこにクリニックの事務スタッフが駆け寄ってきました。
だんまりを続ける男性。
結局後日の請求に。
夜が明け救急対応も一段落。
すると…。
なにやら音が聞こえてきました。
そこにはサックスを吹く上原医師。
(サックス)8年前に始め今ではなかなかの腕前。
(サックス)激務の日々これが上原流のリフレッシュ法。
かと思いきや…。
なぜこんなにも救急に身を捧げるのか?そこには一生忘れられない患者への思いがありました。
25歳で麻酔科医として医師のキャリアをスタート。
けれどその一年後…。
ある日…。
肺の外側に大量の出血がある血胸と判明。
重症患者の治療経験が乏しかった上原医師はなすすべがなく急きょ外科医に対応してもらいます。
しかしそこで上原医師は救急を一から学び直すためするとある問題が見えてきました。
日本の救急医療の受け入れ態勢は3段階に分けられています。
しかし1次2次救急に対応する病院が受け入れを拒否し…。
ならば1次2次救急は自分が担おうと日本初の個人経営の救急クリニックを設立。
年収2,000万医局長の肩書きを捨て更にはこの日6件のたらい回しのすえ搬送されてきた
(うめき声)息が苦しそうです。
急いで検査をすると男性は肺炎。
ここでは専門の治療ができないため転院先を探し電話をかける上原医師。
しかし…。
生活保護を受けている男性。
身元引き受け人がいなくては転院ができません。
そこで市の福祉課に連絡し身元を引き受けてくれる民生委員を要請。
どんな患者にも最後の最後まで手を尽くし命をつなぐ上原医師。
この日愛車に乗り込んでどちらへお出かけですか?家族を養うためそしてクリニック設立時に負った借金返済のため上原医師は週に二度クリニックでの診療が始まる前の昼の時間帯に他の病院に赴き麻酔科医としてアルバイトをしていました。
取材を始めてちょうど1か月のこの日搬送されてきた60代の女性は…。
この命にどう向き合うのか?どんな患者であろうが受け入れる。
1人の医師が個人で設立した川越救急クリニック。
夜7時30分また救急車がやってきました。
搬送されてきたのは60代の女性。
ご主人が付き添っています。
しかし着いた時点ですでに一般的に蘇生は極めて困難な状態です。
それでも上原医師たちは強心剤を投与し懸命に心臓マッサージを続けます。
しかし…。
ご主人が呼ばれました。
搬送から20分あまりできうるかぎりの治療を続けた上原医師。
自分ができるベストとは?常に問い続ける日々。
そして上原医師が動き出しました。
その新たな挑戦とは?日本の救急医療を変えたい。
今上原医師のもとへは同じ志を抱いた医師や看護師救命士がたくさん集まってきています。
そして更なる同志を求め講演活動も。
こんばんは。
若い医療従事者たちに救急医療の未来を担ってほしい。
いちばんの願いです。
すでに行動を起こした医師もいます。
救急車が着いたのは三重県…。
こちらの院長は上原医師の思いに共鳴。
他の病院が開いていない時間帯に外来診療を行い救急患者も積極的に受け入れています。
たらい回しの無い救急医療を目指して。
今日も上原院長寝る間も食べる間も惜しんで患者と向き合っています。
これは僕の持論ですけど限界は超えて初めて限界がわかる。
まだ全然超えたことないからまだ限界は感じてないです。
好きな言葉は男気。
日本の救急医療を変えようとあなたが始めた闘いを応援します。
今夜の『FOOT×BRAIN』は
そこであのセルジオ越後を迎え
2015/12/26(土) 23:00〜23:30
テレビ大阪1
クロスロード【上原淳/医師】[字]
日本初、個人で救急病院をつくった異端の医師・上原淳に密着。患者と本音で向き合うからこそ時には厳しく、そして、誰にでも気さくな上原の生き様に迫る。
詳細情報
出演者
【ナビゲーター】
原田泰造
番組内容
医療業界である革命を起こし、注目を集めている町医者がいる。日本初、個人で救急病院をつくった異端の医師・上原淳。彼が設立した「川越救急クリニック」は埼玉県川越市にあり、ほぼ年中無休、長時間の外来診療をしながらどんな救急患者でも受け入れている。近年、問題となっている救急車の「たらい回し」を防ぎたい一心で救急医療の現場に立ち続ける上原。その想いの裏には今は亡きある患者への大切な想いがあった。
番組概要
様々な分野で活躍する、毎回一人(一組)の“挑戦し続ける人”を紹介。彼らが新たなる挑戦に取り組む今の姿を追う。挑戦のきっかけになったもの、大切な人との出会い、成功、挫折、それを乗り越える発想のヒントは何からつかんだのか?そして、彼らのゴールとは?新たにどこへ向かおうとしているのか…。そんなクロスロード(人生の重大な岐路)に着目し、チャレンジし続ける人を応援する“応援ドキュメンタリー”。
音楽
【エンディングテーマ】
「youth」竹原ピストル
(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)
ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/official/crossroad/
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
情報/ワイドショー – 健康・医療
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