(貴島順一)元気にやっているかな…明智君。
(明智)貴島先生もご健勝で何よりです。
先を急ぎますので…失礼。
(貴島)ハハハッ…いかがかね?食事でも。
さぞや味気ない食事でしょうね。
これでも君と話すのが楽しくてね。
他にもやることが山積みのはずですが。
(貴島)たとえば君の進退について…かな。
私などより…息子さんと食事に行かれたらいかがですか。
(貴島)ハッハハ…私に息子などいないよ。
(金田一一)美雪〜!ハァハァ…。
美雪!美雪!…美雪!
(美雪)あっ…。
大丈夫なのか美雪!えっと…何が?だってとんでもない悪漢に襲われたんだろ!?ええっ!?お前か〜!
(小林)はっ!?お前が美雪に聞くもおぞましい事をしたんだな。
この悪党〜!
(小林)ちょっちょっ…君。
このこの…。
(小林)いい加減にしろ!
(殴る音)あっ!このこの…。
(小林)痛っ!すいません!すいませんすいません!本当にすみません。
大丈夫ですか?まあ大したことはないけど…。
もうはじめちゃんのバカ!小林刑事はねあたしを助けてくれた恩人よ!ごめん。
まあひったくりの現場に偶然にね…で君は?あっ金田一って言います。
美雪のクラスメイトで。
金田一?って…金田一一君!?はっ?はあそうっすけど…。
自分は小林竜太郎といいます。
以前警視庁捜査一課で明智警視のもとについていました。
明智さんの!?ええ。
今は異動しましたが警視とは時々は連絡をとりあってて捜査の相談にも乗って貰ってるんです。
(小林)自分にとっては最高の先輩です!へぇ〜最高ね〜。
警視からはよく金田一君の名前が出てくるんです。
自分には及ばないがなかなかの頭脳の持ち主…だと。
ほらきた…自分には及ばないとかす〜ぐそうやって自分のこと上に見せるし。
んん〜…。
明智さんとはいつから?自分が刑事になってすぐについた上司が明智警視で。
あっあの頃は警部でしたけど。
警視もその頃ロス市警の研修を終えて日本に戻ってきて間もなくでした。
警部さんの頃の明智さんってどんな感じだったんですか?そんなの聞いてど〜すんだよ〜。
だって気になるじゃない。
俺は気になんねぇぞ〜。
警視は素晴らしい方です。
誰よりも犯罪を憎み熱い正義の心を持つ警察官になるために生まれたような人なんです。
褒めすぎだろ。
いいから聞こうよ!そんな風に思うようになった事件があります。
あの人の下について1週間経った頃に起こった少年事件です。
どんな?回想
(貴島洋平)フザけんなよ!ヘボ刑事!うっ…。
(洋平)盗品なんかどこにもね〜だろ!おっかしいな〜。
確かに入れるとこ見たんだけどな。
(洋平)名誉毀損で訴えてやる。
親父が黙ってね〜ぞ!お前…何かといえば親父親父って。
(ノック)ん?
(杉野)ん?ずいぶん楽しそうですね小林君。
明智警部!現在花束〜!?キザ〜!黙って聞く!回想それ何ですか?向かいの花屋さんからいただきました…あなたに。
えっ!はい…すみません。
はぁ…。
また君ですか…貴島君。
だからやってね〜し。
いや入れてたぞ!この鞄に!見たんですか?小林君。
はい!なるほど。
ちょっと失礼。
あっ…何すんだよ返せ!ありがとう。
何したんだ?5分ほど待ちましょう。
それで問題解決です!えっ?
(足音)警察だ!鞄を見せなさい!うっ!?
(山田)なんだオマワリ…てめっ!わっ!
(3人)あっ…。
(明智)盗ったのはこれですね?えっこれどういうカラクリで?わかってなかったんですか?え…ええ。
(明智)彼が商品を鞄に入れたところを君は見た。
そして追いかけ声をかけた。
だけど鞄からは何も出てこなかった。
商品を棚に戻した形跡もなければ店内に放置されてもいなかった。
だとすれば鞄そのものが入れ替わった。
そう考えれば済むことです。
彼を追う時一瞬目を離したでしょう?えっ…はい。
フン…じゃあなぜこのもう1人の犯人は戻ってきたんですか?私が呼び出したんですよ。
(小林)えっ?
(3人)へっ?
(明智)財布に入っていた診察カードは貴島君のものでした。
しかし鞄に入っていた答案の名前は異なっていた。
そこで彼の携帯の履歴から答案に書かれた人物の名前を割り出し誘い出すメールを送ったわけです。
なるほど。
やっぱり先輩はスゴイですね〜。
この程度も見抜けない君もある意味スゴイですよ。
えっ!?現在いちいち一言余計なとこは今もかわんね〜な。
それでこそ明智さん…な気もするけど。
小林さんが感動したのはその推理のことなんですか?いえ…。
それはまだ始まりにすぎなかったんです。
回想
(課長)お前たちいい加減にしろ!貴島先生よりまたクレームがきたぞ。
(明智)クレームというより圧力でしょう。
(小林)また揉み消しですか!
(課長)どうしてあんな不良少年を気にする?そんなものは少年課に任せておけ。
目の前で犯行が行われて見過ごすことができますか!
(小林)貴島洋平の悪さは今に始まったことじゃない!万引きどころか傷害だって一度や二度じゃないんです!今しっかりと更生させなきゃもっと大変なことになりますよ!貴島先生だってそのあたりのことは考えている。
とてもそうは思えません!生意気な口をきくな。
でも!小林君。
いいんですかこのままで!警察も組織だ。
「カイシャ」の言う事には従っておけ。
(課長)書店にはこれ以上話が広がらないように口止めしておけよ。
(小林)納得いかないっすよ!一課も一課だ。
幻滅もいいとこですよ!先輩だって…んっ?あっあれ?
(明智)アップルパイ1つ。
(小林)ああっ!午後3時はティータイムと決めているんです。
自由すぎます先輩…。
それよりさっきの貴島の件を!んっ…あっ!
(おばあさん)はぁ…。
(小林)えっ。
ほんと自由な人だな…。
いいですか?
(おばあさん)ええ。
市役所へはこのメモの通りに。
(小林)ちょっと待って下さい。
あっ…。
その道順は近いんですけど途中に急な坂があるんですよ。
(おばあさん)はいはい。
(小林)だから少し遠回りになりますけど…。
こっちの方が楽だと思います。
(小林)気をつけてねおばあちゃん!ありがとう。
(明智)知りませんでした。
坂があるなんて。
え?地図をね…暗記するのは得意なんです。
ロスの入り組んだ路地も一目でほぼ確実に把握したものです。
(明智)でも地図の上からではわからないことがある。
あ〜たまたまですよ。
交番勤務この辺だったんで。
(明智)私には交番勤務の経験がほとんどない。
しかし君には交番で守るべき市民とふれあい絆を結んだ経験がある。
私にはない経験です。
でもっそれは…。
ん?
(明智)君は立派な警察官です。
(明智)君には君にしかなし得ない正義がある。
納得いかないのなら自分の正義に従うべきです。
《俺にしかなし得ない正義…それが何なのかはわからないけど昔からウソだけは苦手だった。
課長は口止めとは言ったけど俺は全ての事情を正直に話してしまった》
(杉野)あの子先週も来てたんです。
(小林)えっ!
(杉野の声)先週も怪しい動きをしていたんです。
なので声をかけたら一目散に逃げ出して…。
証拠は何もなかったからその時は諦めましたけど。
現在ただ二度目は違った。
でもどうして鞄を交換したんだろう?あそれも明智警視が…。
簡単なことだよ!ん?美雪鞄の入れ替えが役に立つのはどんな時?えっう〜んと…。
一度捕まって鞄の中を見られちまう時だよ。
そういう状況にならない限り鞄を入れ替える必要なんてないんだ。
そっかそんな余裕があるならすぐ逃げればいいものね。
でも先週にも万引きを疑われてどうしてまた同じ店で?仕返しだよ。
仕返し?先週恥をかかされた腹いせさ。
もしバレても父親の力で無罪に出来るってね。
すごい!その通り。
明智警視が見抜いた通りだ!これだけの話でよくそこまでわかりましたね!えっ?もしかして俺ほめられてる?かな?回想仕返しなんて…笑っちゃうわ。
私の知り合いの書店もねどんどん潰れていってる。
その原因の何割かは確実に万引きなんですよ!ウチもねここ1年は赤字ギリギリなんです。
それでも父の代からやっているし何より近所の子供たちがクリスマスやお正月になると本や漫画を嬉しそうに買っていく。
それが本当に嬉しくてお店のみんなと努力して父さんの店守ろうって…。
(泣き声)上司の話では迷惑料としていくらかの…。
(杉野)いりませんそんなの!あいつを捕まえて!どうして警察がそんなことも出来ないんですか!
(泣き声)
(泣き声)
(小林)先輩俺はこういう被害者のために刑事になりたいと思ったんです。
(小林)先輩に迷惑はかけません。
ここからは俺の個人プレーです。
(明智)小林君万引きは捜査一課の仕事では…。
捜査一課は強行犯係窃盗は守備範囲のひとつです。
フン…よく勉強していますね。
憧れていましたから正義の刑事に!
(明智)我々警察は特に私服で勤務する刑事にはプライベートの場では「警察」のことを「カイシャ」と呼ぶように徹底して義務付けられていますがその理由を?それはいたずらに自分の身分を明かさないためで…。
それもある。
でもねもうひとつ自分は組織に給料をもらっているということをしっかりと意識に根付かせるためでもあると私は思う。
我々とて組織人です。
刑事である前に…。
先輩の考えは正しいです。
でも俺は納得しない!小林君相手はただの不良少年ではありませんよ。
わかっています本当の相手は貴島先生…。
そういうことですよね。
うん。
現在その貴島先生って?国会議員の貴島順一でしょう?元どこかの大臣だったし今だって何かとテレビに出てきて影響力の強い人よね。
(小林)そうです大物ですよ。
あああれかぁ。
揉み消しとかいうやつやっちゃうんだ。
へえ〜。
でも先輩は一歩も退きませんでした。
回想我々は刑事である前に組織人。
組織に波風立てるのは御法度です。
ですが組織人である前に私は明智健悟です。
あ…。
捕まえますよ。
誰にも文句を言わせないやり方で必ず…。
フッ。
あでも課長は…。
課長?それがなんです?たとえ警視総監総理大臣が相手でも私は正義を譲らない。
正義はここにある。
はい!現在おもしろくなってきた〜。
波風立てる気満々じゃないか!回想
(洋平)俺は万引きなんてしてなかったことになってる…でしょ?ええ。
万引きも暴行も飲酒も窃盗も君はやってないことになっている。
揉み消すお父さんも一苦労だ。
よくこれだけの悪事を短期間で重ねられますね。
フン…調べたのかよ。
書類上の罪は消せても人の記憶は消せません。
君のことを聞いたら色々な人が快く喋ってくれました。
それがどうかしたか?うっ!
(明智)こんなことはやめなさい。
次は無罪ではすまさない。
フン…。
(小林)貴島お前の父親は政治家だろ?金には困ってないはずだ。
なのに何で万引きなんかするんだよ!小林君。
あの書店さんは生き残るために必死だったんだ!なのにお前は!フゥ…。
(洋平)あんたらにはわかんねぇよ。
生まれた時から親父の期待を勝手に背負わされ続けてさ。
えっ?俺自身はそれに全然応えられなくて。
でもやっぱり気にはかけてほしくて…。
悪いことすりゃちょっとは心配してくれるかなぁって思っちゃったりして…。
でも意味はなかったよ全然。
「俺の邪魔をするな」ってそれすら親父直接の言葉じゃない。
秘書からの伝言だ。
貴島親父さんは…。
(洋平)わかってるもうやめるよ。
意味ね〜もんな。
あそこの本屋には謝っといてくれ。
もう顔も出さないよ。
やりきれないですね。
これじゃ誰が悪者なのか…。
君は本当に純粋ですね。
はっ?貴島〜親父さんは〜!ってあの刑事バカだね!自分に酔ってんじゃねえっつうの。
(根元)だっせぇなその刑事!
(渡部)お涙頂戴ドラマの見過ぎだわ!・アハハハハ!・・ウケるわ〜!・許せん!芝居だったのかよ!
(洋平)つかあの本屋マジうぜぇよな。
負のオーラ全開でムカつく。
あんなボロい店さっさと潰れりゃいいんだよ。
(明智)違いますよ小林君。
えっ…。
その怒りは向けるべき相手が違います。
(三橋)お前らのところの課長からも話があったはずだが貴島洋平の件なあまり手を焼かせるな。
そのことでしたら私からも質問が。
(三橋)なんだ?彼を逮捕できないのはあまりにも理不尽です。
貴島先生からどんな圧力が?なんのことだ…。
(明智)フンそうですか。
では捜査を続けます。
次に彼が事件を起こしたら必ず証拠をあげ…。
やめろ。
貴様らごときが相手に出来る人間じゃないんだよ貴島順一はな。
それじゃ警察の負けですよ!下っ端引っ込んでろ!!チッ…バカが下手な正義感を持つから面倒なことになる!だいたい刑事部は教育が甘すぎ…。
くっくっくっくっ…。
(三橋)明智何がそんなにおかしいんだ?ふっふっふっ…おかしいですよ。
結局悪党の圧力に屈した負け犬ごときが偉そうに私に説教をぶっていることが…ですよ。
威勢のいいことだ。
さすがロス帰りってやつかな。
ガキに挑発されたから捕まえる?それが刑事の仕事の本分か?貴様こそわきまえろ明智!あ…。
フッお断りします。
(三橋)ヘラヘラ笑ってんじゃねえよ〜!!
(明智)私は貴島君に怒りを覚えてなどいませんよ。
それは彼の様子を見ればわかる。
あれは悪事を悪事と知らない子供のやることです。
罰を受けさせてやるのが我々大人の務めでしょう。
私が怒っているのは彼にそんなことさえしてやれなかった親と警察の脆弱さです。
フン!きれいごとで組織は回らん。
エリートのつもりかもしれんが調子に乗るな。
(明智)わかりました。
(明智)少年課には何も期待しません。
だからせめて私の邪魔はしないで下さい。
現在へえ〜やるなぁ!明智の奴。
大丈夫だったんですか?明智さんも小林さんも立場が危うくなっちゃうんじゃ…。
立場…というか事件が…。
(小林の声)仕事を終えてうちに帰ろうとしたところで…。
ん?あっ!
(男たち)フン!ハァ!
(小林の声)まったく反撃できませんでした。
俺そのまま気を失って…。
ひどい…。
それに同じ日の夜もう1つの事件が起こったんです。
回想あ…。
現在火事…本屋さんが?小林さんが謎の連中に殴られたことと何か関係があるのかな?まさか同一犯…とか。
それは順を追って…。
回想
(明智)どうなってるんですか小林君…。
(鑑識)警部。
火元の近くにこれが落ちていました。
これは…貴島君の生徒手帳。
え…。
あ…。
(携帯の着信音)明智です。
なんですって!?
(小林)あ…警部。
小林君。
エヘヘヘ…。
現在エーッ!全治2ヶ月!?あばらやっちゃって。
体中擦り傷や内出血だらけでしたし。
(2人)あ〜…。
回想すいません俺何も覚えてなくて。
やったのは2人組の男ってだけで…。
短絡的に考えるのも早計にすぎますがこれは警告かもしれません。
警告?
(明智)貴島君の件ではないでしょうか?じゃあ父親が?タイミングを考えれば。
ただし相手もプロです。
両者の関係を立証するのは難しいでしょうね。
しかし日本でもあるんですねこんなわかりやすい脅迫。
貴島…あの息子の方は今どうしてますかね。
彼には放火犯の容疑がかけられています。
放火!?うっ!いてて…。
ゆうべすぎのこ書店が全焼しました。
回想
(洋平)ハァハァハァ…うわあっ!…ううっ!
(刑事)貴島洋平。
書店放火の容疑でお前を逮捕する
(刑事)昨夜の1時頃どこで何をしていた?
(刑事)アリバイ無しか。
連れて行け!ちょっマジでムカつくわ!お前ら俺の親父が誰だかわかってんだろうな!
(刑事)残念だがその父親からの指示だ。
お前を逮捕してほしいとなあっ…
(刑事)おい待て!逃げても無駄だ!親父!クッ!フゥハァハァハァ…。
うああっ!藤堂さん!親父は…。
(藤堂)それ以上はどうか。
なんだよ親父と話させてくれよ!出来ません。
(洋平)なんで!
(藤堂)すでに貴島先生は洋平さんとの親子の縁を切っております。
(洋平)はぁ!?
(藤堂)さすがに放火はやりすぎましたね。
(洋平)俺じゃねえよ!信じてくれよ!では失礼。
待てよ!ハッ!
(藤堂)失礼ですがどちら様で。
明智…と言えばわかるかと。
明智?
(貴島)フン捜査一課か。
貴島先生ですね。
はじめまして。
(貴島)後ろに放火犯がいる。
捕まえろ。
(明智)その前にお話を。
(貴島)なんだ。
う…う…うわぁ!追いかけないのですか?彼の立ち回り先は想像つきますから。
(貴島)では行きたまえ。
ひとつお話が。
うん?おかげさまで小林君は入院しましたよ。
警告は承りました。
しかし我々はもう屈するつもりはありませんので。
(荒川)ハハハ…!あ?あ?
(渡部・佐竹)あ?
(飯田)ん?ハァハァハァ…。
どうした貴島?すんげぇ汗じゃん。
サツに追われてんだよ。
あの本屋を燃やしたとか言ってよ。
(根元)へぇ放火かぁあれお前がやったのか?んなわけねぇだろ!つか根元よぉお前らが待ち合わせバックレたせいだぞ!こんな事になってんのは!知らねぇな。
知らねぇってなんだよ仲間だろ!フン!触んなよ放火魔。
クッ…んだとこらぁ!
(飯田)オラッ!
(洋平)うっ!
(洋平)あ…う…。
(佐竹)なあ根元こいつサツに突き出そうぜ。
(渡部)俺賛成〜。
親父から縁切られたって話だしな。
ああ…うっ…。
(根元)親父のバックがなきゃお前になんか価値ねぇよ。
最初っからただの金づるだ。
《くそったれ!》ヘヘヘ…。
(洋平)《金づるってなんだよ!仲間じゃなかったのかよ!》うりゃあ!うっ!《ちくしょう!》つまんねぇな少しは抵抗しろよいつもの元気はど〜したの?クッ!
(根元)ウッ!ああ…!
(一同)あ!?暴力はよくないですね。
誰だお前!
(佐竹)なんだこいつ!おに〜さ〜んまさかこいつ助けに来たの?かっこいい〜!1人でこんなとこ来ちゃって!最近の若者って怖いんですよ〜。
これはこれは…穏やかじゃあないですね。
現在明智さん1人で!ええ。
でも…。
回想この野郎!オラァ!エイ!くそぉ…でぁ〜!《なんだこいつ一発もくらってねぇ》
(根元)バケモンだぁ〜!もうどうでもいいよ。
警察でもどこでも連れてけよ!行き先は署ではありません。
は?ここは…。
あ…。
(おばさん)あの子が犯人なんでしょ?よく顔を出せたもんね。
(若い男)何かやりそうな顔してるよ。
ち違う!だから俺はやってない!なんだよお前ら!俺が何したって…俺が!《誰も信じてくれない。
この世に俺の味方はいない》《俺は本当に孤独…》少しはわかりましたか?被害者の気持ちですよ。
失うものの大きさと痛み。
君は今強く感じているはずです。
あ!あんた俺がやってないって信じてくれるのか?まさか。
君のような人間の言うことなどひとかけらの信憑性もありません。
現在うわぁさらっとひどいこと言っちゃってる。
そういうとこはホント変わんねぇなぁ昔っから。
放火犯…やっぱり小林さんを襲った人たち?いや違うな。
その根拠は?現場に残された生徒手帳だよ。
貴島洋平は生徒手帳を大事に持ち歩くような奴とは思えない。
小林さんを襲ったのは本当にプロなんだと思う。
それに比べたらわざわざ不自然な証拠を置いていく放火犯は素人丸出しだよ。
明智警視も同じ推理でした。
回想
(洋平)捕まえてくれよ!真犯人をよ!勘違いしないで下さい。
私は君を許したわけじゃない。
それでも犯していない罪で裁かれる人間が存在するのは私の正義が許さない。
約束しなさい。
以後二度と人を傷つけないと。
これまで傷つけた人たちに謝ってまわると。
君は多くの人を傷つけた。
父親のせいで罪にならなかったその罪はもう警察でも裁いてあげられない。
君が犯してしまったその罪は君自身が裁かなければならないんです。
くっ…わかったわかったよ。
だから頼む俺の濡れ衣を晴らしてくれ。
貴島…。
いいんですか?動いて。
寝てられるわけないじゃないですか!先輩前に言いましたよね?君には君にしかなし得ない正義があるって。
だから俺自分の正義にしたがってきたんです。
あんたそのケガどうしたんだ?あのなぁ!あ…親父か!私たちが今なすべきことは放火犯の捜索です。
行きますよ小林君。
ここからは正義の刑事の出番ですよ。
はい!書店火災の捜査資料じゃないすか。
そんなもの見て…。
イテッ!う…俺これでもケガ人。
じっとしてられなくてついてきてるのは誰ですか?
(小林)すいません。
小林君はもう少し自分の頭で考えるクセをつけるべきです。
はい…すいません。
現在あれでもどうして消防署に?捜査資料なら警察にもありますよね?そりゃ貴島が逮捕令状の出てる被疑者だからだよ。
警察に連れて行ったらアウト。
下手すりゃ逃亡幇助だ。
(小林)ええそれで調べるのも消防署で。
大胆ですね明智さん。
回想ええっと状況は…放火で間違いなさそうですね。
出火元は漫画のコーナー。
放火前に何者かが店内へ侵入した可能性あり。
防犯カメラにも破損が?なんか妙ですね。
(明智)どこがですか?貴島を罠にはめるための放火でしょ?だったら店内に入る必要なんかない。
わざわざ防犯カメラを壊したのも不自然です。
その通りです。
ほら考えればわかるでしょ?でもなぜそんなことをしたのかわかりません。
すぐにわかりますよ。
なにしろこれから犯人に会いに行くんですから。
現在結局警視が犯人の潜伏先として向かった場所は…。
回想
(洋平)なあここって…くっ。
幕を下ろしに行きましょう。
貴島君に濡れ衣を着せるための条件は2つです。
1つは事件の瞬間君のアリバイを成立させないこと。
あいつらがドタキャンさえしなければ。
(明智)そしてもう1つは君の生徒手帳をこっそり奪っておくこと。
両方とも出来たのは貴島君君の仲間たちしかいない。
つまり彼らはまず隙を見て君の生徒手帳を奪っておき事件当夜人気のない公園に君を呼び出した。
そしてその間に書店で犯行に及んだのです。
(笑い声)・冗談だろ・・マジか・・すごくね?・行きましょうか。
(洋平)待ってくれ。
フッ悪りぃな。
(根元)貴島!お前サツに連れて行かれたんじゃねぇのか?サツ?殺っちまったよ。
殺したのか!?マジで!?
(洋平)いくら強くてもよぉ後ろからじゃどうしようもねぇよな。
ヘッあいつらから聞いたぜ?お前らが俺に濡れ衣着せたってよぉ。
はあ?何だそれ?意味わかんね…。
お前らはあの夜金を盗みに店に入った。
はなから俺に罪を着せるつもりでな。
そして高値で売れそうな漫画を盗ってこれ見よがしに俺の生徒手帳を置いて逃げようとした。
が防犯カメラに気づき慌ててぶっ壊した。
でも映像はどこかに記録されてるかもしれねぇと思い店ごと燃やすことにした!フンッ。
その様子じゃ図星みてぇだな!
(飯田)ウソだろおい!どうせこれで人生終わりだ。
どうなったっていいんだ!本気かよ…。
(佐竹)やめろって貴島!
(洋平)じゃあ1人だけは助けてやるよ。
1人だけ?
(洋平)教えろ!最初にこの計画を立てたのは誰だ?白状した奴だけ生かしてやる。
ここいつだ。
こいつが最初に言い出した!なってめぇ!生徒手帳を盗んだのはてめぇだろ!うるせぇ!火ぃつけたのはてめぇのライターだろ!そもそもてめぇが防犯カメラに!俺はただついてっただけだし?ふざけんな!窓割って最初に入ったのはてめぇだろ!ハハハ!おい何がおかしい?だってよ刑事さん。
話は聞かせてもらったぞ!貴島!グルだったのか!フン。
続きは署で聞きましょうか。
それとももう一度やりますか?フッ。
(洋平)あいつらどうなるんだ?少年事件とはいえ放火は重罪です。
相応の罰を受けることになります。
そうか…。
ひどい奴らだったな。
仲間に濡れ衣を着せるなんて。
考えることは似てんだよ。
俺だって逆の立場なら同じことしたさ。
でもよ…そういうのってなんか虚しいよな…。
放火の犯人別に居たそうですね。
あっ…。
それで何の用?それはその…。
すすみませんでした!万引きのこと謝って済む問題じゃねぇけど。
保険には入っていたからこの店を建て直すことは出来るんです。
でも時間もかかるしその間働いてくれたみんなを待たせるわけにもいかないから他の店に…。
だからここはもう…。
(小林)閉めるんですか?潮時だったんですよこの店は。
そそうですか…。
いろいろありがとうござい…。
(洋平)俺が!俺が10人分働く!給料だって1円でいい!だから…俺を雇ってくれ!私からもお願いさせてください。
俺からもあっ!痛っ!いててて…お願いします!
(杉野)楽な仕事じゃないんです。
ずっと立ちっぱなしだし品出しや返品は力仕事だしだから…。
男手は必要なんです。
給料は安いわよ?はい!現在何だかほっとしました今の話。
いやまだ問題は残ってるぞ。
(小林)父親の方ですよね?
(明智)その件なら心配いりませんよ。
げっ!出た明智警視!明智さん!けっ警視!ご無沙汰しております!小林君久しぶりですね。
はい!心配いらないとかかっこつけんなって。
大物政治家とやりあってよく消されないな?理由がありますから。
私に何かあれば貴島氏が一気に失墜するだけの爆弾を握っているとだけ言っておきましょうか。
(2人)ええっ。
それ何ですか?教えてくれ!教えたら切り札になりませんよ。
(小林)さすがです警視!決して安心は出来ませんがね。
私は君に暴行を働いた2人組も必ず暴き出してみせますよ。
はいっ!なああのさ拳銃なんか貸して貴島がもし撃ってたら大ごとだったぞ?
(小林)銃ならここに。
おいおいおい!貸したのは小林さんだったんですか?撃ったらこうなりまぁす。
イマドキ子どもも持ってねぇよ。
ふぅ〜。
心臓とまるかと思いましたよ。
まだ持っていたんですねそれ。
自分にとっては正義のお守りです。
君のそういうところが私は好きなんですよ。
ま〜たカッコつけてる。
何か言いましたか?あんたのそういうところが俺は苦手なんですぅ。
君のそういうところも私は好きですけどね。
えっ…。
フフフッ。
2015/12/26(土) 17:30〜18:30
読売テレビ1
金田一少年の事件簿Rスペシャル「明智警部の事件簿」[字][デ]
明智が警部時代、万引きした不良少年の貴島洋平を捕まえるが、洋平の父親の代議士の圧力で、事件を揉み消される。明智は悪党の圧力には屈しないと洋平をマークするが…。
詳細情報
声の出演
金田一一:松野太紀(「犬夜叉」鋼牙)
七瀬美雪:中川亜紀子(「フレッシュプリキュア!」キュアパイン)
明智健悟:森川智之
小林竜太郎:千葉雄大(ドラマ「黒崎くんの言いなりになんてならない」白河タクミ)
貴島洋平:咲野俊介
貴島順一:五代高之
杉田円:生天目仁美
三橋健三:高橋広司
捜査一課課長:黒田崇矢
山田和夫:真木駿一ほか
番組内容
明智が警部だった数年前、明智と後輩の小林刑事は書店で万引きした不良少年の貴島洋平を捕まえるが、捜査一課に洋平の父親、貴島代議士からクレームが入る。貴島代議士は万引き、傷害など、これまでも息子の悪事を何度も揉み消していた。明智と小林は悪党の圧力には屈しないと洋平をマークしていたが、ある日、小林が見知らぬ男2人に襲われる事件が起き、同時に書店が放火される事件も発生。明智は2つの事件の関連性を調べるが…
制作
【シリーズディレクター】
池田洋子
【音楽】
和田薫
【脚本】
冨岡淳広
【キャラクターデザイン】
浅沼昭弘
【色彩設計】
豊永真一
【アニメーション制作】
東映アニメーション
番組ホームページ
www.ytv.co.jp/kindaichi_r/(PC)
【ツイッター】
animekindaichiR
原作・脚本
【原作】
天樹征丸
【漫画】
さとうふみや(講談社「週刊少年マガジン」連載中)
音楽
【オープニングテーマ】
「四銃士」NEWS(発売中)
【エンディングテーマ】
「瞳の奥の銀河(ミルキーウェイ)」Flower(発売中)
おしらせ
※名探偵コナン毎週土曜夕方6:00放送中
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32725(0x7FD5)
TransportStreamID:32725(0x7FD5)
ServiceID:2088(0x0828)
EventID:9522(0x2532)