(友厚)失敬…。
飲み過ぎましたかな。
はぁ…。
このウイスキーは大久保さんと共に飲み干そうてそない言うてたもんで…。
(あさ)五代様。
うち…。
・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」うち…次こないな事されたらびっくりぽん言うて投げ飛ばしてしまいます!え?投げ飛ばす?へぇそうだす。
うちはおなごだす。
殿方に急にこないな事されてびっくりせぇへんおなごはいてしまへん!それにうちこない見えても子どもの頃からお相撲強おますのやで。
ハハッ…。
こら確かに強そうや。
すいません!もう二度とこんな事はしません。
はい。
そやけどもし五代様がうちの事を男や女や隔てのう友としてちょっとでも頼ってくれはったのやとしたらそれはうれしい事だす。
え?これからはうちがいてますさかい。
そら大久保様みたいには一生なられしまへんけど五代様の心の友になれたら…。
何かお役に立てたら…。
おおきに!よし献杯しましょう。
ん?つきおうて下さい。
献杯?永遠の我が友大久保利通に…。
そして新たな心の友あささんに。
チアーズ!ああ…。
はぁ。
あっそない一気に飲んだら…!ウッ。
大丈夫ですか?あささん。
何だす?これ。
ウエッヘ。
ウヘェ〜て。
お酒てお父様や旦那様がいつもおいしそうに飲んではったからどないおいしいもんか思いましたけどちょっともおいしい事なんかあらしまへんなぁ。
はぁ…殿方は何でこないなもんおいしそうに飲みはりますのやろか?へ?
(笑い声)こないな時にかて笑かしてくれるなんてなぁ。
やっぱりあささんは不思議な人や。
私は今まで生きてきていろんなものを見てきたつもりです。
それでもあささんといるといつもびっくりさせられる。
自然に笑顔になれる。
そうだすか?あ…すんまへん。
もう帰らな!ああ。
あっ大丈夫ですか!?あ…そうや。
お水を!考えてみたらうちこないたんとお話さしてもろてんのに五代様の事何も存じ上げてへんのだす。
今までどないな事してきはったんだすか?教えとくなはれ。
人を喜ばせるようなロマンティックなストーリーは一つもありません。
摩や政府にいてた頃はやりがいもありましたけど目を覆いたなるようなものもたくさん見てきました。
それでも…そんな中であささんに会えた。
私はあなたに会えてなかったら…。
はぁ…。
(亀助)ああっ!何だすかこのお酒は!?
(新次郎)おいしいやろ。
これなビールいいますねん。
はぁ〜ビールだすか。
ああ。
せやけどけったいなお店だすなぁ。
茶屋でもないしそば屋とも違うし。
実はなこの店なぁ…。
(美和)こんばんは。
あ…あんさんお三味線の!お久しぶりだす。
ようこそうちの店へ。
へ!?ここはお師匠さんのお店だす。
へぇ。
新次郎様のおかげだす。
新次郎様に五代様とこのビールいう新しい飲み物紹介してもろてそれでこのお店開かしてもらいましたんだす。
ははぁ〜なるほど。
近頃お外にお三味線に行きはれへんのはそないな事やったんだすなぁ。
それとこれとは話が別や!ビールお代わり。
へぇ。
どうぞごゆっくり。
へぇへぇ。
へぇ…。
こら若奥さんには教えられまへんな。
そうか?いつか連れてこう思てましたのやけどなぁ。
そらあきまへん!は?見とくなはれ。
客は皆見た事のある旦那衆ばっかりや。
おなごなんて一人もいてしまへん。
そないゆうたらそうだすなぁ。
みんな羽伸ばして楽しそうだすなぁ。
お前も楽しなってくれたらええのやけどな。
縁談決まってしもた訳やあれへんのやで。
そやさかいまだ諦めんかてよろしのに。
わての事より…新次郎さんだす。
何がだす?若奥さんの事ジリジリしてはるくせに。
ジッジ…ジリジリなんかしてへんがな!わてはなお金儲けは嫌いやけどあさが仕事してんの見てんのは好きなんやわ。
へ?あさ見てたらなぁ何やお金のために働いてるようには見えしまへんのや。
どんだけつろうても忙しゅうても走り回ってて何やそれがかいらしゅうてなぁ。
ははぁ…。
そらえらいけったいな好みだすなぁ。
わてはそれが見てたいだけなんだす。
そやさかいジリジリなんかしてまへん。
それにもう今頃は船の中だす。
亀助。
自分がジリジリしてるからて人をジリジリしてるみたいに言うたらあかん!わてかてジリジリなんてしてしまへん。
してるがな。
してしまへんて!ジリジリジリジリ…男のくせに!まあかいらし殿方たちですこと。
そして東京でもう一晩を過ごしてしまったあさのもとにまた朝がやってまいりました
ん…。
旦那様?はっ!あっうめ!
(うめ)「うめ!」じゃございまへん!こないなとこで何したはるんですか!五代様は?五代様やったらもうとっくの昔に出ていかはりました!うめはもうびっくりしました。
走って走ってようようたどりついて見てたらおあさ様はお酒を飲んで寝入ってしもてて五代様が介抱してはるやございまへんか!飲みましたなぁ…。
飲みました。
うちいつの間に寝てしもたんやろ…。
あかん。
思い出されへん。
はぁ…ほんまにもう!思い出してる場合やあれへん!行こ!へ!?ほら走って!急がな汽車が出てしまいます。
ウッ…。
そやけど走ったら頭痛い。
お酒なんか飲みはるさかいだす。
急いどくなはれ!汽車が出てしまいます。
へぇ。
ハァハァ。
おおきに…東京はん。
おおきに大久保様。
おおきに!おあさ様。
はい!おあさ様…おあさ様!
こうしてあさとうめはようやく大阪に帰ってきました
・ただいま〜!あっ。
あっ千代!あんたまた歩くの上手になりましたなぁ。
せやけど初めに言うてた予定よりちょっと遅い事あらしまへんか?へぇ実は蒸気船に乗り遅れてしもて…。
やっぱりそうだしたか。
何や?何があったんだす?へぇ。
(三坂)ロンドンの新聞には「ミスター大久保は日本の昨今の台頭をもたらした全ての改革の推進者であり彼を失う事は日本国家の不幸である」と書いてあるそうです。
皮肉なもんや。
日本人より外国の人の方が大久保さんの価値をよう分かってる!はぁ…。
回想
(大久保)五代。
おはんにはますます気張ってもらわねばならん。
外国に負けない強い国じゃ。
時は明治11年。
日本にも大阪にもこの加野屋にも…大きな変化が訪れようとしていました
…で五代様のとこ駆けつけてどないしましたんや?もちろんできる限りお慰め致しました。
はぁ?慰めるやて?へぇ。
そやけどうちよその殿方の涙て初めて見ましたさかいどないしよか思て…。
まあそらつらかったやろけどなにもあさが慰めんかて!何心の狭い事言うてはるんだすか!え?さっきからその話ばっかりして!もっと鉄道やレンガやガス灯や牛鍋の話も聞いとくなはれ!まあそらそやけど…。
あ…あと牛鍋屋で会うたけったいなお方の事も!いや…やっぱりガス灯だすなぁ。
あのずらっと並ぶキラキラした明かり。
ほんま千代にも見せてあげたいわ。
そしてあさと新次郎もまた変わろうとしていました
2015/12/26(土) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(78)「東京物語」[解][字][デ]
あさ(波瑠)と五代友厚(ディーン・フジオカ)は酒を飲み、語りあう。酒に酔ったあさは…。一方、大阪では、新次郎(玉木宏)と亀助(三宅弘城)が酒を酌み交わし…。
詳細情報
番組内容
あさ(波瑠)は、五代友厚(ディーン・フジオカ)と酒を飲み、語りあう。あさの仕草を笑う五代は、徐々に平静をとりもどす。しかし、あさは酒に酔って眠ってしまい…。一方、大阪の新次郎(玉木宏)と亀助(三宅弘城)は、美和(野々すみ花)の営むレストランで、ビールを飲みながら、ふゆ(清原果耶)について話し合い…。五代の事務所で目覚めたあさは、慌てて大阪に戻っていく。新次郎に出迎えられた、あさは…。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,ディーン・フジオカ,三宅弘城,友近,桐山照史,野々すみ花,清原果耶,竹下健人,南条好輝,旭堂南陵,武田鉄矢,【語り】杉浦圭子
原作・脚本
【作】大森美香
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:34346(0x862A)