お正月の暇な時に是非ご覧ください
2015年は合計で213の記事を書きました。
こうやって運営できているのも、見てくださる皆々様があってこそでございます。本当にありがとうございました。
今年は検索経由でのアクセスをもたらしてくれる記事の大部分が生まれていて、ヒット記事もありますが、中にはあまり見られてないものもあります。
ということで、今回はお正月用に「長かったり、マニアックすぎて見られてないけど、ちゃんと読むと面白いもの」をまとめてみます。
言い換えると、ぼくが「もうちょっと多くの人に見ていただきたいなあ」と思っているものです。
お正月にヒマでしょうがない時にお読みになってはいかがでしょうか。
年間アクセスランキング
本題に行く前に、2015年の記事のアクセスランキングをまとめてみます。
もし見逃しているものがありましたら、どうぞご覧ください。
- 【事件】無人島で男女が集団サバイバル生活をした結果
- 絶対にイヤだ!最悪な死に方をした歴史上の人物7人
- イギリス料理がまずくなった5つの理由
- 【移民】白人社会に大量の中国人がやってきた結果
- 【奇行・妄想】精神を病んでいた欧州の王族たち
- なぜ「666」は不吉な数字なのか
- なぜ李氏朝鮮は社会発展が停滞したか
- なぜ西アフリカ諸国は奴隷貿易に加担したか
- 【絵画】イエス・キリストの顔はどう変化したか
- 包茎手術の歴史 - 男はなぜ皮を切るのか?
さて、ここから本題です。
あまり見られてないけど、読んだらちゃんと面白い(はず)の記事を主観で選んでみました。
1. アメリカが最も恐れた男 テカムセ
アメリカ・インディアンの一部族ショーニー族の大戦士テカムセの闘争の人生を書いた記事。「アメリカがいかにしてインディアンの土地を奪っていったか」も裏テーマとなっています。
個人的には好きな記事です。
2. 未亡人の後追い自殺はなぜ起こるか
ヒンドゥーの伝統であるサティー(寡婦憤死)の歴史をまとめた記事です。
夫を亡くした未亡人は、すぐに夫の後を追って死なねばならない。ムガル帝国やインド政府など歴代の為政者もことごとく止めさせようとしたのに、根強く続く土着の習慣。
完全に無くすには、そもそものヒンドゥーの仕組みを変えないとできない気がします。
3. 明王朝の物流について
明王朝時代に大きく発展した中国国内物流と、それを支えた徽州商人の活躍を書いた記事。中国のドメスティックな物流パワーの凄さがわかると思います。
4. エジプト農村がブラック搾取社会となるまで
ムハンマド・アリー朝時代のエジプト。
上からの強権的な近代改革に失敗したエジプトは、次第に英仏の経済植民地に堕していく。当時の帝国主義のグローバル経済の恐ろしさに背筋が凍るとともに、現代もそう対して変わらない事実に気づくと思います。
5. どのようにして多民族の島々は「インドネシア」になったか
現在のインドネシア共和国を構成する島々は、もともと全く別の人種・文化・宗教を持つ別の国でした。それが、オランダの植民地支配を受けてその支配に抵抗していく過程で、「インドネシア」という今まで存在しなかった「祖国」の文脈を作り上げていくに至ります。
6. ルネサンス時代のオカルト神秘主義は何を目指したか
ルネサンスと言えば、現代のテクノロジーや思想に繋がる実用的な科学・哲学・芸術が復興したというイメージが強いですが、実は「魔術」が盛んになった時代でもありました。
ルネサンス魔術は、宇宙や自然を「霊魂を含む生き物」とみなして人間はその中で調和をとって生きており、有機連鎖の中で宇宙は人間に影響を与えるし、逆に人間が宇宙に影響を還流させることもできる、としました。
何言ってるか分からないと思ったら、是非記事をご一読ください。
7. なぜピンクは女の子の色なのか
古代から現代まで「ピンク色」が絵画やファッションでどのような文脈で使われているかを羅列して、ピンク色がどのような過程を経て「女の子の色」とみなされるようになったかをまとめてみました。
8. いかにしてハワイは「南国の楽園リゾート」になったか
「楽園ハワイ」のイメージは、日々の生活に疲れた欧米人が作り上げたイメージだった。ただの普通の太平洋の島が、「楽園」に作り変えられていく様をまとめています。
9. 移民と自由貿易で経済発展したアルゼンチンの光と影
今ではデフォルトの常連で「不良国家」の烙印を押されていますが、昔は「優等生」だったアルゼンチン。
自由貿易がアルゼンチンにもたらした発展とその後との停滞。
目先の利益だけを追い求めるヒドいことになるという良い教訓であります。
10. イスラム思想から見る国家発展論
中世イスラムが産んだ偉大な歴史学者イブン・ハルドゥーンの「国家発展論」のサマリです。日本ではあまり有名じゃありませんが、欧米を中心にイブン・ハルドゥーン思想のファンは多くいます。
11. 「真のイスラム国家」を巡る議論の歴史
イスラム教はその成り立ちの直後から、現在のような「イスラム原理主義」が生まれる火種を抱え込んでいた。
イスラムの成り立ちから近代まで、「正しいイスラム」とはどのようなものかの議論をざっくりまとめました。自分で言うのも何ですが、これはかなり面白いと思います。
13. ドイツ社会が軍隊のように規律的な理由とは?
ドイツという国を思うとき、「規律的」「冗談が通じない」「堅苦しい」というイメージがありますが、案外間違いじゃないかもしれない。
バラバラだった領邦国家が統一されてドイツという近代国家がまとめ上がっていく際に、軍隊が果たした意義は非常に大きなものがあったのでした。
14. 日本と中国の近代製糸工業の展開の違いについて
明治以降、日本は官民挙げて製糸工業の発展に邁進していくのですが、その発展の仕方は一様でなく、それまでの土着の製糸産業の文脈を継続しながら、徐々に近代化していきました。「技術移転」という観点で、ビジネスマンに是非読んでいただきたい記事です。
まとめ
歴ログは何というか、
「これ食ってみろ!旨えだろ!?」
と何か食べ物を勧めてくるオヤジのようなブログだと思っています。
中にはあまり好きな味じゃなかったり、マズいものもあると思いますが、
皆様と知る喜びや楽しさを共有できたらよいなと思いながらやっています。
そんなうっとおしいおせっかいに、2016年度も是非お付き合いください。