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 母親の遺体を自宅に放置したとして死体遺棄罪に問われた静岡県中部の無職男性(54)に対し、静岡地裁(川畑薫裁判官)は17日、懲役1年執行猶予2年(求刑懲役1年)を言い渡した。

 川畑裁判官は「遺体を放置したのは事実だが、経済的に苦しく葬儀費用が出せないなど動機は消極的だった」と量刑理由を説明。その上で男性に「困ったときは周りの人に相談すれば助けてくれることを忘れないでほしい。仕事に就き、生活を立て直すことを期待している」と説諭した。

 判決によると、男性は2月中旬ごろ、自宅で病死した同居の母親(当時86)の遺体を埋葬することなく部屋に1週間放置した。男性は病気の母親を介護するため、約5年前に仕事をやめていた。