今日は人生の指針ともいえる価値観をつづっていきたいと思います。
「風船の魔法で世界中を笑顔に」
これは私が天職と思っている「風船の魔法使い」の活動の中で指針となっている言葉です。
「世界中」なんてウソっぽい?
私も以前はそう思っていました。
でもある事件をきっかけに、心の底から思うようになったのです。
死を覚悟した日
だいぶ昔の話です。
夜道を歩いていたらナイフを持った人に追いかけられ、叫んで走って逃げたけどつかまりました。
仰向けになった状態でナイフを突きつけられ、死を覚悟。
このとき頭に浮かんだのは「こんな死に方では家族や友人が悲しむ」ということ。
その後、いつどうなるかわからない状況の中で数時間、犯人と過ごしました。
一番傷ついたこと
幸い私は途中で通りすがりの人に助けられ、体に傷がつくことなく無事でした。
心の方も、1年くらいで普通に暮らせるように。
(1年間はひとりで外に出るのを避けてました)
その後犯人がつかまり、裁判を傍聴しました。
私が最初の被害者で、その後複数名の女性…というには幼い子供までが被害に遭っていたのです。
「私があのとき捕まえていれば、その後の被害は起きなかった」
「直接捕まえられないにしても、もっと情報を提供できていれば」
「二度とそういう気を起こさないような打撃を与えていれば違ったかもしれない」
この考えは、しばらく頭の中をグルグルしていました。
この件に関して、私ではなく犯人が悪いのは重々承知。
そうだとしても、自分の行動で誰かが助かったかもしれないと思うといたたまれない気持ちになったのです。
被害者とその家族の悲しみを目の当たりにし、自分が傷つくこと以上に、自分の行動が誰かを傷つけることの怖ろしさを実感した出来事でした。
これはあちこちで起きている
私が体験したことは氷山の一角。
同じようなことやもっとひどいことが世界のどこかで日々起きています。
それを忘れていることもできるけれど、目の当たりにしたことはふとした瞬間よみがえります。
自分の大切な人が巻き込まれたら…と考えると、不安になります。
どうすれば起きなかった?
あの事件はどうやったら起きなかったのか、と考えていたら。
「犯人が幸せだったら」というひとつの答えが浮かびました。
鬱屈したものを健全に発散できる趣味があったら。
行動を気にかけてくれる人がいたら。
実際、それで状況が変わったかどうかわからないけれど。
こういう事件を少しでも減らすために自分ができる方法として「幸せな人を増やす」ということを思いついたのです。
たくさんの経験が積み重なった上での私の価値観ですが、この出来事が大きく影響を与えたのは確かです。
自分だけでは幸せになれない
自分ひとりだけで幸せになれるのなら、私は今のままで十分幸せです。
大切な人たちがいて、暖かい部屋があり、ご飯がおいしく食べられ、生活していく収入があり、やりがいのある仕事がある。
だけどそれだけだと、心のどこかがうずくのです。
自分さえ幸せならいいのか?
自分の身内さえ幸せなら良いのか?
自分の周囲にいる人さえ幸せなら良いのか?
まったく関わらないでいられるなら、気にしないでいられるかもしれません。
でも実際は、大勢の人と関わって生きています。
すべてが影響しあっているから
すれ違う誰かがイライラしてたら、こちらもちょっぴりイヤな気持ちになります。
電話で話した相手が暗かったら、こちらもつられてしょんぼりしてきます。
悲しいニュースが流れてきたら、知らない人のことでもショックを受けます。
すれ違う誰かがほんの少し優しさを見せてくれるだけで、心があたたまります。
電話で話した相手が朗らかだったら、こちらもつられて笑顔になります。
嬉しいニュースが流れてきたら、知らない人のことでもテンション上がります。
すべてが影響しあっているから。
自分が幸せに生きるためには、世の中が幸せである必要があるのです。
自分のために世界を笑顔にする
私はとても利己的な考えで、世界を笑顔にしたいと思っています。
自分が幸せであるために、世界を幸せにしたいと思っています。
自分が大切な人が幸せであるために、世界を幸せにしたいと思っています。
自分が楽しく暮らせる世の中を作るために、世界を幸せにしたいと思っています。
私ができることで一番人を喜ばせられるのが、「風船の魔法使い」としての活動です。
「好きなことで生きていく」を体現したような仕事ですが、それでもやめたいと思ったことが何度もあります。
#好きなことで生きていく 胃がキリキリするような緊張がある。 産みの苦しみから逃げ出したくなることがある。 悔しさに叫び出したいことがある。 「もうやめたい」と思ったことが何度もある。 それでも続けたい理由が、そこにある。
— エリサ/魔法使いのシンプルライフ (@erisaslife) 2015, 12月 29
「風船の魔法使い」の活動への思いが掲載された本
「はんかくさい人」10人のうちの1人として、私も掲載されています。
今回お話していない、人生のどん底期のことなどをお話しました。
そして風船から教わった大切な言葉が、最後の一行にぎゅっと詰まってます。
ご覧になった方の背中を押すきっかけになったら、うれしいです。
そのための、シンプルライフ
風船の魔法使いとしての活動は、大きなプレッシャーと、煩雑な作業と、責任を伴う選択の連続です。
シンプルライフがあるから、プレッシャーを乗り越える余力をたくわえ、大切な作業以外を簡略化し、優先順位を見極めた選択ができます。
好きなことで生きていく。
それをシンプルライフが支えてくれています。