おいおい。
おいミク。
何?お茶いれてくれ。
自分でいれなよ。
父さん今忙しいんだよ。
忙しいってテレビ見てるだけじゃん。
お前だってず〜っとさっきからメールやってんだろお前。
電話すりゃ終わりだろそれ。
もうお母さん!お父さんうるさい。
いいじゃないのたまにはいれてあげたら。
もう!違う!えっ…。
待て。
はっ?父さんはなおいしいお茶が飲みたいんだよ。
おいしいお茶。
それもおいしいかもしらんけどな急須を使っていれるんだよ急須を使って。
これも十分おいしいじゃん。
急須を使いなさい!お母さん。
お父さん面倒くさい!え〜っもうちょっと忙しいの今お母さん。
何でもかんでもお母さんって言うんじゃないよお前。
はいはいはいはい。
ったくもう…。
そう急須を使うんだよ。
待て娘!えっ?待て!はい。
お前けんか売ってんのか?父さんに。
えっ?父さん買わねえぞ。
何?急須。
お前急須にそれ入れて…意味分かんねえや。
急須お茶入れた。
待て!万事休す!ったく最近の若いやつはお茶も満足にいれられねえのか。
ああ?はいはいはいはい…。
ったくもうしょうがねえやつだな。
あ〜あまたペン字か。
今の若いやつはなあお茶のいれ方も分からねえんだよ。
ったく母さんちゃんと教えとけよあれ。
(ため息)母さん背中かいて。
は〜い。
早く。
は〜い。
早く!はいはい。
バカかおめえ。
背中かいてって言ったんだよ。
書いたじゃない。
そ…それはこれでうまいよ。
じゃないんだよ!背中を背中をかいてくれってこう!こういうかくんだよ背中を!ああこう?背中?そう!そうか君もいよいよ結婚か。
はい。
そりゃよかったな。
しかしえぇ?こんなすてきな彼女がいるとは知らなかったな。
ああ?ハハハハハ。
それで式はいつだ?はい秋に予定しております。
もうすぐだな。
じゃあこれから準備が大変だ。
ええ。
それで部長に折り入ってご相談が…。
何かな?
(せきばらい)ねえおじいちゃん遊ぼうよ。
今駄目だ。
1人で遊んでなさい1人で。
やだ。
いや…おじいちゃん今ほらお客さん来て大事な話してるんだから。
いいじゃん遊ぼうよ〜!わがまま言うんじゃないの。
ねえおねえちゃんと遊ぼうか。
えっ?うん!い…いいのいいのいいの…。
大丈夫です。
私子ども大好きなんで。
あっそうですか…。
お名前何ていうの?翔太。
じゃあ翔太君おねえちゃんと遊ぼう。
うん!す…すまんなすまんな。
すまんね。
いや今うちのやつもなせがれ夫婦もな出かけちゃっていないんだよ。
わがままでしょうがないんだ全く。
フフフ。
しかしあれだな。
君の彼女は気が利くしスタイルはいいし美人だしん〜?どこで見つけた?あれ。
ん〜?この野郎羨ましい。
フフフフフフフ。
で用事は何だ?こんな事を部長にお願いするのは恐縮なんですけど…。
言ってみなさい。
(彼女)おしりプリプリ〜!
(部下)僕らの披露宴のですね祝辞のあいさつをお願いしたいと…。
(彼女)おしりプリプリ〜!アハハハハハ!
(彼女)やってみて。
せ〜の…。
(彼女翔太)おしりプリプリ〜!あ〜惜しい。
もう一回やろうか。
いくよせ〜の…。
(彼女翔太)おしりプリプリ〜!フフフ上手上手。
(彼女翔太)おしりプリプリ〜!部長部長!どうかされましたか?いやいや…何だっけ?何だっけ?いかがでしょうか?やっぱり…。
おじいちゃんもおしりプリプリやろうよ〜。
おじいちゃん今お話ししてるだろ大事な話を。
おねえちゃんと遊ぼうねっ。
ほらおねえちゃんと遊びな。
向こう…。
おじいちゃん嫌い!そういう事言うんじゃないの!すまんなすまんな。
で何だっけ?
(彼女)すみません。
はい?奥の部屋使わせてもらってもいいですか?そうだね。
ゆっくり話もできるしいいですか?あ〜いいけどでも私はそこでやってもらった方が…。
ありがとうございます!いやいや…えっ?
(せきばらい)そ…それで?お忙しいのは重々承知ですが僕の中で一番尊敬している上司は部長です。
・
(彼女)おしりプリプリ〜!祝辞の挨拶は…。
・
(翔太)おしりプリプリ〜!・
(彼女)おしりプリプリ〜!・
(彼女)じゃあ今度は挟んでムギュ〜!
(小声で)挟んでムギュ〜?・
(彼女)挟んでムギュ〜!
(小声で)どこ挟んでんだろ…。
・
(彼女)もう一回ムギュ〜!・
(翔太)アハハハハ!・
(彼女)挟んでムギュ〜!・
(翔太)アハハハハハ!苦しいよおねえちゃん。
(部下)部長!ん?なっなななな…何だ?ですから僕らの披露宴でですね…。
・
(彼女)あ〜動いたら暑くなってきちゃった。
じゃあ今度はまた新しいのいくよ。
開いて…パカ〜ン!・
(翔太)アハハハハハ!
(小声で)開いてパカ〜ン?・
(彼女)もう一回。
どこだ?それ。
開いて〜…パカ〜ン!・
(翔太)アハハハハハ!・
(彼女)開いて…パカ〜ン!
(部下)部長いかがでしょうか?あっ何が?何が?・
(彼女)こらこらそこは駄目。
駄目だよ〜。
(部下)部長!?部長!分かった分かった分かった。
いいよいいよいいよ。
本当ですか!?分かった分かった。
ありがとうございます!ねえOKもらったよ。
よかった〜!お忙しいところすみませんがよろしくお願いします。
(部下)よろしくお願いします。
えっ…何を?
(部下)じゃあ僕らはこの辺で。
あっそうか。
じゃあね翔太君またね。
うんバイバイ!はいはいはいはい。
ありがとうございます。
何だっけ?翔太「開いてパッカ〜ン」って何だ?何それ?「開いてパッカ〜ン」ってどこを開いた?ん?もう覚えてない。
バカな事を言うんじゃない!思い出せ!思い出すんだ翔太〜!あ〜ひっでえ雨だなこれ。
傘なんか持ってねえぞおい。
(足音)はあはあ…はあ〜。
ああぬれちゃった。
最近こういう天気多いですよね。
ですよね。
近くに…。
コンビニって…。
えっ?あ〜…。
う〜んないんだ。
はあ〜…。
駅までも結構ありますよね。
そうですね…。
まあ急がないんですけどね。
家に帰るだけなんで。
ああっ!おっ…。
ごめんなさいごめんなさい!だ…大丈夫ですか?ごめんなさい…すみません。
どうしよう。
あれっ島田さん!おうおうおう…。
いや〜すごい雨ですね。
だなあ。
知り合いですか?いやいやいや…違う違う。
あっ入っていきます?俺?一緒に?いやいいよいいよ。
そうですか?よかったら入ります?駅まで行きますけど。
あっ…じゃあお願いします。
ありがとうございます!すみません何だか。
どうぞ。
ああ足元気を付けて下さい。
うわ〜すごい雨!ハハハハハ!行っちゃう?昨日もおとついもでしたよね。
そうですそうです。
ねえ雨ばっかり。
わ〜すごい…わ〜っすごいすごいすごい!寄って下さい寄って下さいもっと。
傘持ってりゃな〜!
(男)近場がいいかな?近場。
(女)近場?温泉?
(男)温泉行く?
(女)温泉行こうよ。
(男)箱根とか…。
箱根いいじゃん!箱根だったらどこがいい?箱根そうだね…。
どこどこ?
(ため息)帰っても1人か…。
行ってみるか。
(女将)いらっしゃいませ。
どうぞ。
はいありがとう。
ああうまい。
ぬるくもなく熱くもなくこれが人肌ってやつだね。
うまいね。
ありがとうございます。
しかしこんな近くにこんないい店があるとは気が付かなかったな。
入り口が分かりづらいですもんね。
まあそこがいいんだけどね。
お食事はどうなさいますか?え〜っと…あっ大根もらおうかな。
はい。
この店何年やってるんですか?もう3年になりますかね。
あっ3年ですか。
ふ〜ん。
はい。
どうぞ。
はいすいません。
お口に合いませんでした?似てる…。
えっ?女房の味付けに似てる。
うれしい。
今度是非奥様もご一緒に。
どうかなさいましたか?実は3年前に女房を亡くしましてね…。
あっごめんなさい…。
いえいえもう3年前ですから1人暮らしも慣れました。
うちはお一人様のお客様も多いですからこれからもお越し下さい。
またちょくちょく来ますよ。
週3日ぐらい来ちゃおうかな。
ハハハハ!奥様はどんな方だったんですか?優しい女でした。
自分の体が弱いのにこんな私の体を気遣って…。
こんな私に毎日おいしい食事を作ってくれて。
料理っていうのは人柄が出るんですかね…。
優しい味でした。
ここの大根も優しい味ですよ。
奥様はとっても愛してらっしゃったんでしょうね。
ご主人の事。
どうですかね…。
今となっては確かめようもありませんわ…。
絶対そうですよ。
再婚はされないんですか?こんなじじい誰も相手にしてくれませんよ。
そんな事ないですよ。
お料理どうなさいます?あとじゃあ…きんぴらをもらおうかな。
はい。
こういう家庭料理に飢えてんだね。
お口に合うかどうか。
ありがとう。
う〜ん…。
うまい。
こういうおいしい料理を毎日食べれたら幸せだろうな〜。
うん。
どれ食べてもおいしい。
ありがとうございます。
あなた!料理どれもおいしいって。
あなた?うちの料理全部主人が作ってるんです。
(主人)初めて褒められた。
そうなんだ。
酒くれ酒。
はい?酒くれ冷やでいいや。
はい。
コップ。
コップ。
コップ。
コップ…。
早くしろ。
はいすいません。
早くしろ。
はい。
ちょっとグラス!まずい酒だ。
行ってきます。
頑張って!おい。
おいうるさいよお前。
こんないい天気の日にだらだらだらだら。
ぶよぶよぶよぶよ。
やめろ!お前だって最近脇腹がぶよぶよしてんだぞお前。
何?ごめんなさい。
ミクどこ行ったんだ?走りに行った。
ダイエットだって。
どうせ長く続かないだろうな。
それが続いてんのよ。
あっそうだ。
あなたも行ったら?痩せるわよ。
俺はこのままで十分だよ。
川沿いの遊歩道結構若い子が走ってるらしいわよ〜。
へえ〜。
私も走りに行こうかしら。
ねえ。
若い子なんかどこにもいねえじゃねえかよ。
あいつだましやがったな。
チクショー。
お父さん!友達のマリ。
いつも一緒に走ってんの。
こんにちは。
こんにちは。
どうしたの?珍しいじゃん。
ハハハ…。
なんてこった。
はあ〜疲れた…。
ファイト!帰ろう。
いらっしゃいませ。
あの〜…すいませんこれ。
はい。
確かに古いタイプにはなりますが当店でお取り扱いしているブランドのものですね。
じゃあ修理できますか?お任せ下さい。
ただ状態をお調べするのに少々お時間がかかりますのでお待ち頂く事になりますが…。
時間はたっぷりありますから。
ハハッハハハ。
では店内でお待ちになりますか?お飲み物もコーヒーからアルコール類まで各種そろえております。
はあ〜すごいですね。
実は今日届いた新作もございまして。
少しご覧になりませんか?新作…。
はい新作です。
いやちょっと表で…あの…。
せっかくですからどうぞ。
えっ…。
君。
・はい。
いらっしゃいませ。
それでは少々お待ち下さいませ。
お飲み物は何に致しましょうか?シャンパンなどいかがでしょうか?シャンパン!?はい。
いや…あのコーヒーでいいです。
コーヒーですとエスプレッソカプチーノ深煎りローストなどございますが。
あの普通のコーヒーでお願いします。
かしこまりました。
すっげえなこれ…。
値札がねえなこれ。
値札が…。
お待たせしました。
お客様がお持ち頂いた時計かなりの年代物のようですね。
あっそうですか。
あれ亡くなったおやじからもらったもんでね私どうもそういうのはね疎いんですよね。
今おおよその納期の方を本国に問い合わせております。
その間にこちらどうぞご覧下さい。
これ新作ですか?はい。
ちょっとこれ若者向きじゃないですかね?そんな事はございません。
こちらはどちらかといえば年配の大人の男性が身につけてこそ光るものでございます。
あっそうですか。
せっかくですからご試着なさって下さい。
いいんですか?はいどうぞ。
はあ〜…。
う〜んどうですかねこれね。
うわ〜すごくお似合いですね。
本当ですか?はい。
こんな時計をさりげなくしてる方とデートしたいぐらいです。
デ…デート?はい。
それくらいお似合いです。
フフ…フフフフフ…。
それではほかの新作もございますので少々お待ち下さいませ。
ああ…ちょ…。
本当にお似合いですけどね。
デートしたいぐらい。
ほ…本当ですか?はい。
お似合いです。
いやいやデートしたいくらいっていうのは。
はい!したいくらいお似合いです。
「したいくらい」ってのが分からねえな…。
あの時計お父様のものなんですよね。
そうなんですよ。
おやじからもらった時計をね今日は修理に来ただけなんだけど何か新作とか言われて…。
すてきなお父様ですね。
どんなお父様だったんですか?どんなおやじって…まあ頑固者でね。
ええ。
家族とはあんまり会話もしないようなおやじでね。
最後まで黙ってました。
あの時計もね死ぬ間際に黙って渡してくれたんですよね。
(泣き声)すてきなお父様ですね…。
時計が家族の絆をつなぐ…。
私この仕事してて本当によかったです…。
ねえねえ新作入った?あれ。
あれ?これだ。
ええ島村様いらっしゃいませ。
そうでございます。
ああうわかっこいいね。
ちょっとごめんなさい。
でもこれ俺似合うかな?デートしたいぐらいお似合いだと思います。
出たデート。
出たデートが。
よしじゃあこれもらうわ。
買うの?はい。
お支払いはいかが致しましょうか?一括で。
はい。
では180万円一括で頂戴致します。
180…!?ではあちらでお待ち下さい。
お飲み物は何に致しましょうか?えっとシャンパン。
あ〜やべえ。
車だったわ。
ハーブティー。
かしこまりました。
180…。
えっ…どこだこれどこだこれ…。
いかがされました?これをちょっとこう…。
あっこちらでお外ししますよ。
あの修理の方は分かった?修理の方は。
ああそれがですね…。
藤崎さん。
こちら島村様がですねそちらの新作をご購入されたいそうです。
これはこれは島村様。
ただいまお持ちしますので。
あっじゃあこれお願い。
はい。
こちら先ほどのものとは違いましてお客様のご希望どおりのものになっております。
いや希望はしてないんだけどね。
とてもシンプルで大人のデザインとなっております。
ああ確かにね。
ちなみにこちらの2点ですとやはりこちら…。
う〜ん…。
こちらがお好みですよね。
さすがでございます!こちら一見普通の作りになっておりますが中身は大変高価なパーツを使用しておりまして一つ一つ熟練の職人の手作りになっております。
で…でもねえこれあの…。
新しいものをお持ち致しましょうか?いや…あの…ちょちょ…ちょっと待って。
はい。
これあの…お値段はどのくらいなの?これ。
こちら1,200万円となっております。
何を?1,200万円でございます。
1,200万?…でございます。
はあ〜…ちょちょ…ちょっと待ってちょっと待って。
ではこちらに致しましょうかね。
そ…あのね私は本当あの…修理に来ただけなんでね。
ええ。
今日ここに来られましたのも何かの縁だと思います。
私先ほどのお父様のお話大変感動致しました。
是非私どもの扱います時計をお客様に使って頂けましたらと切に願っております。
アフターフォローも万全を期します。
何とぞ末永いおつきあいをお願い致します。
フフフフフ…。
う〜ん…。
じゃあこ…こっち。
私もこちらがお似合いかと思います。
デートしたいくらいです!是非代々受け継がれる時計にしてあげて下さい!フフフフフ…。
お支払いはいかが致しましょうか?あの…カ…カードで。
お支払い回数はいかが致しましょうか?一番多いやつ。
5年間で60回になりますが。
60回?はい。
あ…5年間…俺もつかな?もう長〜く受け継いでいかれる時計になるので。
じゃあそれでお願いします。
かしこまりました。
せっかくですから時計つけて帰られますか?…の方がいいよね。
ねえ。
はい。
今ないから。
承知致しました。
では。
あ〜お似合いですこと。
少々お待ち下さいませ。
(ため息)お待たせ致しました。
ああはい。
失礼します。
おおよそこのぐらいになりそうです。
2…24万?古いタイプのものですので本国に送るほかございません。
お時間かかって申し訳ございません。
いや…時間はどうでもいいですわ…。
これ…。
あっお似合いでございます。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
お似合いでございます。
俺も頑張ったからな。
ご褒美だ。
これからもよろしく。
ジャ〜ン!一眼レフを買ってしまいました!何だよおいおい。
おい!
(シャッター音)俺カメラ嫌いなんだよ。
やめろ!大丈夫だよシャッター切ってるだけだから。
そういう問題じゃないんだよ。
やめろっつってんだよ!いや〜ボーナス全部使い果たしました。
バカじゃねえか?お前。
携帯でカメラついてんだからさそんなでかいカメラ要らねえだろお前。
はあ〜?えっ分かってないな〜。
あのねボケ味が全然違うんだから。
ボケ味?そう。
撮ってみる?いいよ嫌いなんだよ俺よ。
いいじゃない。
撮りましょう家族写真。
えっ?家族で?ほら最近みんなで撮ってないじゃない。
いいでしょうお父さん。
え〜?これわざわざ着替える必要あったか?お前。
いいじゃないせっかくなんだから。
はいじゃあ撮るよ。
はいはいはいはい。
はい。
どう?どうだ?撮れてるか?うまく。
うんうんいい感じ。
いい感じ?うんうんいいね。
あっお父さん一人だけの写真もお願い。
俺一人?あっそれいいね。
恥ずかしいだろお前一人はよ。
じゃあさお父さんそっち立って。
そこの木の下。
えっ?花をバックにか?花をバック。
そこそこ。
えっ?ここでいいか?うんいいねいいね。
はいじゃあ撮るよ〜。
はい笑って。
大丈夫か?どうかな?あ〜ちょっと背景がゴチャゴチャしてるわね。
そう?えっ?お父さんもうちょっと横にずれてくれないかな。
ん?もうちょっともうちょっともうちょっと。
もうちょっと?もうちょっともうちょっと。
あ〜その辺りいいかも!えっ?ここでいいの?うんバッチリ。
気が変わらないうちに早く撮って。
じゃ撮る…撮るよ!はい。
ちょっと笑わない!えっ?笑わないの?うん。
ああそう。
うん。
いやもうちょっとこう…家族を見守るような感じで。
家族を見守るような感じ?うん。
うん。
じゃあ撮るよ!はい。
手はいらない!いらない?うん。
はい。
(シャッター音)はい。
いい感じ。
いい?いいの?うん。
いいいいいい。
母さんも撮られとけよ。
私は花の所で撮ってもらう。
お母さん花で撮ろうか。
お花の所。
ああいいねいいね。
どう?かわいい。
いいね〜はい撮るよ〜。
アイドルかお前。
フフフ。
いいね。
いいね。
写真出来たのか?うん出来た。
おお〜いいじゃねえか。
ん?やっぱり携帯とは違うな。
う〜んプロが撮ったみたい。
当たり前じゃん!一眼レフは描写力が違うから。
おお。
おお〜いいね。
なかなか。
お父さん。
ぼやけてる後ろがな。
ボケ味ねボケ味。
あ〜お母さんかわいいね。
いいねいいね。
花しょってる。
(笑い声)わっすごい。
これすごいでしょ。
これいいね!これきれいだこれは。
うんすてき!あっこれはあれだ自分で撮ったんだなこうやってな。
お父さんの顔。
本当だ〜。
いいね。
これあの携帯へ送れるのか?うん送れるよ。
じゃあ送っといてくれな。
うん。
父さん寝るぞ。
は〜いおやすみ。
おやすみ〜。
いや〜いい写真。
うんねえ。
例のあれは?ああ作ったよ。
うんうん。
うわ〜いいじゃない!でもさ早くない?えっ…えっ?もしかしてお父さん…。
えっ?元気よ。
こういうのはさ元気なうちに撮ってあげた方がいいじゃない。
いい。
うんいい。
(親戚1)ねえねえ。
(雄三の妻)ん?
(親戚1)ずっと気になってたんだけどさあれは誰だっけ?
(雄三の妻)ああ…拓郎さんのとこのエミちゃんよ。
(親戚1)えっエミちゃんって…あの真面目だったエミちゃん?ほんとか?間違いないわよ。
さっき拓郎さんに聞いたもん。
(親戚1)うわ〜何かショックだな。
(親戚2)確か東京にいるんだったよな?
(雄三の妻)うんそうそう。
(親戚1)何やってんの?今。
(雄三の妻)あ…ダンサーって言うの?
(親戚1)へえ…すごいじゃないダンサー。
(雄三の妻)でも鳴かず飛ばずらしいわよ。
もう30になるっていうのにね。
独り者だしどうすんのかしらねえ?
(親戚2)まああれじゃ誰ももらってくれねえよ。
(雄三の妻)拓郎さんも立つ瀬がないわね。
(ため息)
(ため息)どうぞ。
ありがとう。
久しぶりだね。
エミちゃんなに覚えててくれたか?当たり前でしょ。
そうだよな。
おじさんあんまり変わってねえからな。
そのまんまだよそのまんま。
エミちゃんは随分変わったな。
そうかな?何かダンスやってんだって?まあね。
あのエミちゃんがダンスか…。
何言ってんのよ?雄三おじちゃんのおかげじゃない。
え?覚えてないの?高校生の時だっけかな?おじちゃん私に言ってくれたよね。
(ノック)・エミちゃんいるか?雄三おじちゃん…。
おうおう!へえ〜これが女子高生の部屋か。
ふ〜ん…。
ちょっとあんまり見ないでよ恥ずかしいから。
何だ?勉強中か。
あ?親戚みんな集まってんだからよ。
勉強はいつでもできるだろ?下行ってほらみんなでワイワイほらしゃべろうぜ!ありがとうおじちゃん。
でも私ほら試験近いから。
エミちゃんはなかわいいんだけどよちょっと真面目すぎるのが「玉に瑕」だな。
うん?エミちゃん勉強好きか?え?おじさんなちょっとなエミちゃんがな無理をしてるように感じるんだけどな。
それはな親がな学校の先生だからしょうがねえかもしんねえけどな。
そんな事ないよ。
勉強好きだよ。
そうかな?周りを気にしてんじゃねえのか?はいああ…。
おじさんはな拓郎と違ってよふらふら生きてきた。
だから偉そうな事は言えねえけどなこの年になって分かったんだよ。
人間ていうのはな自分の好きな事をやって飯が食える。
これが一番幸せだ。
なあ。
エミちゃん本当に好きな事は何だ?分かんないよ。
とりあえず大学入ったら考える。
心を開いて自分に聞いてみな。
頑張れよ。
(エミ)あの時のおじちゃんの言葉で私決めたの。
自分の好きな事しようって。
人の目なんか気にしないで自分の好きなように生きようって。
まあでも大学やめるのお父さんに言いづらくて卒業したんだけど。
うん…。
ねえ!おじちゃんにはほんとに感謝してるの。
伝えられてよかった!死んだおばあちゃんに感謝だね。
・
(拓郎)全く!苦労して大学まで出してやったのに何てざまだ?葬式にそんな格好で来て!昔は真面目でおとなしくて親の言う事をよく聞いてくれるいい娘だったじゃないか!
(拓郎)死んだ母さんに会わせる顔がないよ。
なあ?なあエミ。
教えてくれ。
父さんどこで間違えたんだ?私は今の自分が好きなの。
父さんは教育者として生きてきた。
なのにお前は!私は自分らしく自由に生きてる!雄三おじちゃんがそれに気付かせてくれたの。
兄貴が?え?あなた本当なの?兄貴どういう事だ?いやいやいやいやいやいや…。
あの…違う違う違う。
私はあんまり覚えてないんだけどなあの…ちょっと酔った勢いでな。
酔った勢い?あれ酔った勢いだったの?いやそういう事じゃなくてねあの…私はもっと軽い気持ちだった。
ひどい!私初めてだったのに。
初めて?あんな気持ちになった事なかったのに。
うわっ兄さん…うわっ兄さんあんた!いやいや違う違う違う違う。
あの時から私は変わったの!目覚めたの!目覚めた?目覚めちゃった?自分を開放するのがあんな気持ちいいなんて知らなかった。
気持ちいい?気持ちいいって駄目!エミちゃんその…その言い方はねおかしくなるよ。
話がおかしくなるよこれ。
子どもだった私を雄三おじちゃんが大人にしてくれたの。
あなた!いやいやいやいやいやいや。
違う違う違う。
あんたの姪っこだぞ!分かってるよ。
姪っこだから何かしてやんなきゃいけねえと思って。
(親戚2)何だと?そういう目で見てたのか?変態!変態て言うのか?俺の事。
兄貴許せねえよ!暴力は…。
俺は許せねえよ!
(エミ)やめて!やめて!何か勘違いしてない?
(親戚2)え?
(拓郎)兄さんすまん。
いいんだいいんだ。
おい。
私のひと言でなエミちゃんの人生変わったのは事実だ。
俺こそすまん。
これまで意固地になってた。
何か自由に生きてるお前を見ると自分の人生を否定された気がしてな。
すまん。
お父さんは教える事が好きじゃん。
同じだよ。
今度舞台に出るんだって?えっ知っててくれたの?チケット頼めるか?ありがとうお父さん。
(拍手)
(せきばらい)そろそろ始めてよろしいですかな?あっよろしくお願いします。
ああ…。
(笑い声)あ〜しびれた。
あ〜しびれた。
あっ…。
2015/12/25(金) 22:00〜22:43
NHK総合1・神戸
となりのシムラ#3[字]
大反響!第3弾。志村けん演じる、どこにでもいそうな普通のおじさんが笑いを巻き起こす。あるある!とクスクスしてください。実力派俳優との競演で贈る大人のコメディー。
詳細情報
番組内容
志村けん@NHK。誰もが共感できる「あるあるネタ」を題材にし、人生の機微を鮮やかに描く。今夜演じる「普通のおじさん」は… ▽ビルの軒先で雨宿りする男。そこに美女がかけこんできたら!? ▽時計の修理にきた男が店員にのせられ、超高級時計を買うはめに…など、クスッと笑えて、しみじみしてしまう珠玉のコントの数々。高嶋政伸、井川遥、石野真子をはじめ実力派俳優たちが競演。演出は「あまちゃん」の吉田照幸。
出演者
【出演】志村けん,石野真子,高嶋政伸,井川遥,高橋一生,野間口徹,笛木優子,中村ゆり,山本美月,菊池亜希子,村岡希美,八十田勇一,宇野祥平,松本岳,中上サツキ,須田瑛斗
キーワード1
志村けん
ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
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