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「AIIB 正式に設立」中国が発表
12月25日 20時37分

「AIIB 正式に設立」中国が発表
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中国が主導し世界の50を超える国が参加するAIIB=アジアインフラ投資銀行について、中国は、創設メンバーの国々による必要な手続きを経て、25日に銀行が正式に設立されたと伝えました。
アジアインフラ投資銀行は、アジアの途上国のインフラ整備を支援するため中国が設立を主導し、アジアやヨーロッパなどの57か国が創設メンバーとして参加するとしています。ことし6月には北京で銀行を設立するための協定が締結され、10か国以上が協定を批准し、出資金が資本金全体の50%以上集まった段階で銀行が正式に設立されることになっていました。
中国財政省は25日、これまでに中国やイギリス、それに韓国など17か国が協定を批准したうえ出資金も50%を超えたとして、銀行が正式に設立されたと発表しました。
今後は、来月16日から18日にかけて設立式典と初めての会合が開かれ、中国の金立群元財政次官が初代総裁として正式に就任するほか、来年半ばごろまでには最初の資金提供を行う計画で、銀行の本格的な運営が始まることになります。
銀行の設立について中国の楼継偉財政相は25日夜、「国際経済における統治システムの改革にとって一里塚となる大きな出来事だ」とするコメントを出しました。
アジアインフラ投資銀行は、日本やアメリカなど創設メンバーとなっていない国に対しても引き続き参加を呼びかけていて、中国が大きな影響力を持つ国際的な金融機関の動向が注目されます。

17か国が批准

中国政府によりますと、25日までに設立協定を批准した国は、ミャンマー、シンガポール、ブルネイ、オーストラリア、中国、モンゴル、オーストリア、イギリス、ニュージーランド、ルクセンブルク、韓国、ジョージア、オランダ、ドイツ、ノルウェー、パキスタン、ヨルダンの合わせて17か国です。
これらの国々が批准したことで出資金は資本金全体の50.1%となり、設立のための協定の発効に必要な、10か国以上の批准と50%以上の出資金という要件を満たした形となります。

国際金融で高まる中国の存在感

AIIB=アジアインフラ投資銀行が正式に設立されたことで、欧米が主導してきた今の国際的な金融秩序の中で、中国の存在感がさらに高まるという受け止めが広がっています。
急速な経済成長を遂げた中国は、国際的な金融の枠組みの中で経済の規模に見合うような発言権の拡大を求め、発展途上国の意見がより反映される国際的な金融機関として、AIIBの設立を提唱しました。
その結果、中国との経済的な関係を強めたいヨーロッパ各国なども参加する形でアジアの発展途上国と合わせて57か国が創設メンバーに加わり、AIIBが設立されたことで国際的な開発金融の枠組みに風穴を開けた形です。
さらに国際的な金融の枠組みを巡っては、IMF=国際通貨基金が先月、中国の通貨・人民元を新興国の通貨として初めて、世界の主要な通貨を組み合わせた「SDR」といわれる特殊な資産に加え、人民元がドルや円と並ぶ主要通貨に位置づけられました。
また、IMFでは、新興国の発言権を高める組織改革にこれまで反対してきたアメリカ議会が承認する形で、中国の出資比率は第3位まで引き上げられることになります。
国際金融での中国の影響力は強まっており、AIIBが今後具体的に動き出すことで中国の存在感は一段と高まるという受け止めが広がっています。

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