(弦の切れる音)
(新次郎)はっ切れてしもた…。
あっお母ちゃん!
(よの)もうええんだっせ。
え?お三味線だす。
フフフ。
お父ちゃんがな…。
回想
(正吉)新次郎があないに三味線好きで…上手になってるというやないかいな。
いっぺん聴いてやらんとあきまへんなぁ。
お父ちゃんが?そうだす。
いっぺん聴かしたって。
お父ちゃんに。
(あさ)暗殺て…。
(三坂)馬車で霞が関を出宮中に向かっている途中で暴徒に襲われ…ご落命と。
(友厚)うそだ…。
回想ああ…。
(大久保)ああ…。
(笑い声)
(三坂)五代さん!大丈夫ですか!?うそだ…。
うそだ。
うそだ〜!・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」・「365日」・「飛んで行け!」・「飛んでみよう!」・「飛んで行け!」・「飛んでみよう!」
日本政府の参議兼内務である大久保利通が暗殺されたという話は瞬く間に東京を駆け巡りました
(うめ)この間お会いしたばっかりのあのお方が殺されてしまいはるやなんて…。
五代様は…?へ?五代様はご無事やろか?どやろか…。
どないしよう。
五代様の身に何かあったら…。
おあさ様ご心配なのは分かりますけどもぼちぼち行かな汽車が出てしまいます。
はぁ…そうだすな。
みんなが待ってますなぁ。
あかん。
やっぱり心配や。
(ため息)おあさ様あきまへん。
汽車が出てしまいます。
堪忍うめ。
確かめたらすぐに帰りますさかい。
ちょっと行ってきます。
うちはまだ何も五代様にご恩が返せてへんのだす!後の汽車に乗ります。
うめは先に帰っといとくれやす。
おあさ様?おあさ様!
(三味線)
(三味線)
(かの)おふゆ。
奥様がお呼びだすねん。
(ふゆ)へぇ。
(三味線)
(三味線)
(荒い息遣い)五代様?あささん…。
五代様…よかったご無事で。
もう船に乗ってる時分や。
はぁ…もうそないな頃だすなぁ。
間に合わへんかった。
うめに謝らな。
何で…?駅のそばで大久保様の事を知ったんだす。
それでもし五代様にも何かあったらて…。
アホな事を…。
はぁ…何でこんな事になってしもたんやろな?こっちゃ!
そのころ大阪の新次郎は…
(亀助)何なんだすか?仕事中に。
ええさかいええさかいおいで!
(ふゆ)へ?手紙だすか?うんそうだす。
あんたのお父さんから加野屋宛てにお手紙をもらいましたのや。
それは…一体何の用で?それがなぁあんたの実家の方でえらいええ縁談があるのやそうや。
へ…?ええ…縁談!?シ〜!なぁびっくりしましたやろ?まあなぁよう考えてみたらふゆかてなもうええ年頃だすさかいなぁ。
へぇほんにほんに。
(よの)この縁談が決まったらなぁ前にツタにしたみたいに嫁入り道具の心配もしたらなあきまへんなぁ。
(かの)そうだすなぁ。
ん?いやいや…嫁入り支度したりはったのはクマの方だす。
ツタはまだ独り身で。
(よの)はれ?そうだしたかいなぁ。
せやけど奥様。
うちみたいな者が縁談やなんて…。
心配する事あらしまへん。
相手の方はなあんたの事をよう知ってはるのやそうや。
知ったはる?知ってるて…。
うんそれがな…。
えらい前の事やけどお店の辺りを誰かうろついてるて話ありましたやろ?へぇ。
サトシのやつか思たら弥七が「わてが見たのはそいつやない」とか言いだして。
(弥七)ほんまだっせ。
まるで違う男だしたんやで。
分かってるがな。
そやけど近頃はとんと見かけへんさかいもう安心やて。
それがその男やったみたいやなぁ。
へ?その男て?せやさかいおふゆの縁談相手やがな。
その男な縁談の話が来てからおふゆの顔いっぺん見てみよ思てお店のぞきに来たみたいやな。
そしたらおふゆはあのとおりのなかなかの器量よしやろ?はぁそうだすなぁ。
それでうれしなって何べんも見に来てるうちに見かけだけやのうてあの働き者のとこや何や何もかも惚れてしもたてそないな事みたいだすわ。
それであないニヤニヤしてましたんやなぁ。
亀助。
亀助!大丈夫か?は?ああ…。
そらけどおふゆは大事なわての妹分だっせ。
あないニヤけた男にやりたないなぁ。
(大声で)アホ!誰がお前の妹分やねん!シ。
おふゆちゃんはなわてをお兄ちゃんや言うてたんや。
シ!勘違いすなアホ!いやそない怒らんかて…。
その男な草履屋やったんが最近洋傘屋いうのを始めて儲けてるみたいでなおふゆのお父ちゃんも是非にとこない言うてるみたいだすわ。
どないや亀助。
おふゆのお父ちゃんがうちに挨拶来てしまう前におふゆに思いだけでも伝えてみたら…?いいや。
何言わはりますのや。
ハッ。
思いを伝えるてせっかくこないおめでたい話が来たいうのにそない不粋な事してどないしますのや?そやけど…。
わ…わては!お兄ちゃんだす。
おふゆが幸せやったらわてはそれでええんだす。
番頭さんでもあない落ち込みはる事がありますのやなぁ。
よし…。
弥七。
千代見といて。
へぇ。
待ちなはれ亀助!
そして東京のあさは…
駅まで送っていきましょう。
馬車飛ばしたら最終列車にまだ間に合うかもしれない。
いいや大丈夫だす。
一人で行けますさかい。
それにちょっと飲み過ぎやございまへんか?さっきからだいぶお飲みになって。
これが飲まずにいられますか。
これで…維新政治は終わってしもた!え…?あの人はまだまだこの日本にとって必要な男でした。
やっとこれから…これから自由にできるてこれからが勝負やて…!そう思ってただろうに…どれだけ無念やった事か!私は…友を守りきれなかった。
せめて政府に入ってそばで支えていたら…!五代様のせえではございまへん!うちは何も分からしまへんけど五代様という友がいてはった事が政府でずっと難しいお仕事をされてた大久保様の心の支えになってたのやなぁて。
お二人を見てたらそない思いました。
離れてはったからこそお互いが励みになってたのやなぁて。
それこそが心の友なんやなぁて!あの五代様に見せてはったまっすぐで偽りのないあのお顔がほんまの大久保利通様いうお人やったんやなぁて。
うち大久保様がこれからの日本のためにしてくれはりましたお話をこの先一生忘れしまへん!大久保様の言うてはったとおりこれからも五代様と共に大阪をそして日本を…!五代様!?許して下さい。
今この時だけ…。
今だけこのまま…。
(泣き声)生字幕放送でお伝えしますおはようございます。
2015/12/25(金) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(77)「東京物語」[解][字][デ]
あさ(波瑠)が東京を去ろうとするその時、大久保利通が暗殺されたことを知る。五代友厚(ディーン・フジオカ)のことが心配になったあさは、五代のもとへ急ぎ…。
詳細情報
番組内容
あさ(波瑠)が東京を去ろうとした日、大久保利通(柏原収史)が暗殺される。号外が飛び交う中、あさは、五代友厚(ディーン・フジオカ)を心配に思い、駆けつける。ショックを受けている五代は、酒を飲んでいた…。一方、大阪の新次郎(玉木宏)は、加野屋で働くふゆ(清原果耶)に縁談の話が来て、あることを思いつく…。ふたりきりになったあさと五代は、大久保利通のことを話していると…。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,ディーン・フジオカ,三宅弘城,友近,清原果耶,楠見薫,竹下健人,風吹ジュン,【語り】杉浦圭子
原作・脚本
【作】大森美香
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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