オイコノミア「短気は損気 “怒り”の経済学」 2015.12.25


(大竹)こういう時はねイカよりもタコのほうがお買い得。
経済学ではそんなふうに考えるんですよ。
(又吉)なるほど。
まあこちらに…。
あれ?フリップ無いっすよ。
(ディレクター)ちょっとごめんなさい。
一旦カットします!また中嶋ちゃんちゃんとしてよ!これ〜。
ちゃんと準備してお渡ししとかなかったら本番撮れないじゃん!また始まりましたね。
そうですね。
あのディレクターいつも怒ってばっかりですね。
先生…う〜ん。
怒らせないってなかなか難しいんですけど経済学でも怒りに対する研究ってあるんですよ。
そうなんですか!?はい。
じゃちょっと収録の途中なんですけどそちらのお話を伺いたいんでテーマ変えちゃいましょうか?そうですねぇ。
スタッフさんもみんな聞いたほうがいいと思うんですよ。
そうしましょうか!はい。
では又吉さん。
ちょっと出かけましょうか?はい。
じゃ皆さんも行きますよ。
何年目だ!お前は〜。
(中嶋)すいません。
2年目です。
まっ2…。

(テーマ音楽)
(母)タコのほうがお買い得ね。
(兄)父さんはふだんからあまり怒らないよね。
(母)そうね。
小言が多いけど怒らないわねぇ。
(父)う〜んそうだなぁ。
実はコツがあるんだよ。
(兄)あっ父さんのラーメンにハエが落ちたよ。
(父)まさにこのハエが「怒らない」コツなんだがう〜んこんなハエ入りのラーメンなんか…。
(兄)ホントに父さんは怒らないよねぇ。
(父)あっああまあな。
ご主人ちょっとこれ替えてもらえるかな。
(店主)はいよ!極太麺お代わり!私たちは日頃から「喜怒哀楽」の感情を相手に伝えコミュニケーションを取っていますよね。
今回注目するのは特に強い感情の「怒り」!怒りが私たちの行動にどんな影響を与えているか?そしてどうしたら怒りをしずめることができるのか?経済学からあっ!迫っていきます!ドッカ−ン!あれ?大竹先生。
はい。
経済学で怒りの感情をどういうふうに見るかというのを教えて頂けるんですよね?そうなんですよ。
これどこに向かってるんですか?ここにねその話にピッタリの方がいらっしゃるんですよ。
えっ?ここフットサルコートですよね?そうですよ。
このサッカーと怒りといえば…。
はい。
この方ですよ!
(ボールを蹴る音)ああ!前園さん!
(前園)こんにちは!
(2人)こんにちは!よろしくお願いします!よろしくお願いします!お願いします。
怒りをしずめる経済学。
ゲストはサッカー元日本代表の前園真聖さん。
すごい人!サッカー少年だった又吉さんから見て前園選手はどんな存在だったんですか?いやもうホントに天才ですね。
天才?いやもうホントにあのう冗談じゃなくてドリブルシュートもうテクニックもすごくて僕たちサッカー少年からしたらもうみんな憧れてました。
うん。
バラエティーで活躍してる前園さんにスゴイ違和感を感じる時が。
(笑い声)そうっすね。
サッカー選手としての憧れの存在なんで。
なるほど。
もちろん面白い方でもあるんですけど。
はい。
ところで前園さんドリブラーですと相手選手とも激しくぶつかりますよね。
はい。
カッとしたりする事っていうのはあるんじゃないんですか?そうですね。
まああのう当然試合の中相手もいますしそのうアドレナリンが出てモチベーション上がってるのでそういうところでこうやっぱりカッとしたりとか。
うん。
まあ激しいプレイが特徴の前園さんですけれども引退後にちょっと激しいことがありましたよね?激しいのがありました。
先生かなり直接聞くんですね。
2年前のこと。
前園さんはタクシーの運転手さんにケガを負わせる事件を起こしてしまいました。
これを機に自分の中にある「怒り」と真剣に向き合うようになったのだそうです。
酔ってるってのもあったんですが何かしらこう自分の中に怒りというかなんかそういうものがなんかもしかしたらあるのかなとちょっと自分の中で考えててそういったところでちょっと勉強した部分あるんですけどね。
なるほど。
今おっしゃったとおりね前園さんそのあとご自分の怒りをどのようにコントロールするべきなのかっていうのを真剣に考えて今では子供たちにも教えてらっしゃるんですよね。
そうですね。
自分がプレイするほうもそうだしやっぱりこう教える指導者としても指導者としてこう子供に向き合ったりとか伝え方とかそういうところでもこう自分をコントロールするというかそういうのは非常に役立ってるかなと思います。
なるほど。
そのお話ねまたのちほど詳しく伺いたいと思うんですけども。
まずは経済学から考えて怒りっていう感情が私たちにどのような影響を与えるのかっていうのを考えたいと思うんですよね。
経済学と怒りですか?経済学で怒りを見れるみたいですね。
ほうほうほう。
いやあのう僕も高校までサッカーやってたんですけどそのうサッカーやってた時はこうラフプレイとか1点取られたりしたら逆に燃えるというか。
うん。
なんか…やっぱり怒りとか逆にそういうふうに今又吉さんおっしゃったようにパワーに変えるようなそういうプレイにも出来たこともあれば逆にその怒りがなんか自分にマイナスな部分でこう…両方ありましたね。
なるほどね。
う〜ん。
実はね怒りが私たちの行動にどんな効果をもたらすのかということで最新の経済学の研究があるんですよ。
それで有名なのが「マテラッツィ効果」と言われてるんですけどね。
マテラッツィとはある人の名前。
聞いたことありませんか?マテラッツィって又吉さん聞いたことありますよね。
ありますもちろん。
はい。
イタリアのね選手ですよね。
イタリアの選手…フフッ。
そうですね。
ハハハッ。
そうですね。
はい。
サッカー解説されている前園さんはもちろんご存じですよね。
もう知ってますもちろん。
有名なイタリア代表のディフェンスの選手でマテラッツィといえば多分あのシーンかなっていうのがなんとなく。
はい。
2006年のサッカーワールドカップ・ドイツ大会の決勝戦。
この大会を最後に引退すると発表していたフランス代表のスーパースタージダン選手がイタリア代表のマテラッツィ選手に頭突きをするという出来事がありました。
理由はジダン選手本人や家族に対する差別的発言だったとされていますが頭突きをしたジダン選手は退場処分となりフランスは敗れてしまいました。
これね。
はい。
これ…。
覚えてますよね。
覚えてます。
ちょっと後味悪いというか…。
うん。
すごいああこれ要らんかったなぁっていうなんか印象ですね。
そうですね。
最後の大舞台でまさかあのホント世界的スーパースターのジダン選手がああいう行為に及ぶっていうのにちょっとやっぱりビックリとショックと。
逆にああいう選手でさえこういう大舞台でも自分をコントロールできないような何かがやっぱりあったのかなっていうのは思いましたね。
そうですよね。
まあこの試合ね結局延長戦でも決着つかなかったんですよね。
それでPK戦にもつれ込んで最終的にそのPK戦でPKが一番得意だったジダン選手がいないと。
そうですよね。
ということでフランスはPK制する事ができなかったですよね。
ジダンがいればPKまでいってなかったかも…。
そうですよね。
そうですね。
雰囲気が何か変わりましたもんね。
変わりましたね。
う〜ん。
その結果ねマテラッツィのいるイタリアが優勝してしまったと。
そうなんですよね。
実はねこの…作戦ですか?はい。
そうですね。
まずはPKの得意なジダンを退場にしたことが1つ一番大きいですよね。
はい。
それからもうひとつマテラッツィがジダンとトラブルを起こして怒らしたっていうことでフランスチーム全体のメンタル乱しましたよね。
うん。
その結果イタリア勝利につながったっていうふうに考えられますよね。
これが「マテラッツィ効果」なんですよ。
うん。
まあもう多分そのままおっしゃるとおりですよね。
ジダン中心選手ですからジダンさえいなければイタリア勝つチャンスっていうのは出てくるんでそういう意味では僕の経験から言うと試合中に少しずつこういろんなこう心理作戦でいろいろ言ってたんじゃないかなっていう感じはしますけどね。
う〜ん。
う〜ん。
マテラッツィ効果を発表したイスラエルの経済学者ウリ・ニーズィー教授によると人は……のだそうです。
その使いようですかね?そうですね。
怒りをどういうふうに使うかっていう。
はい。
又吉さん言ったようにそのう怒りを逆にパワーに変えるとサッカーでもうまく使えるとは思うんですけど。
はい。
いやミスしたら今度1点取ってやるみたいな。
はい。
マイナスのほうにいくとやっぱりよくない…。
そうですね。
そうですよ。
ここでねニーズィー教授が行った実験というのを再現してみたいと思うんですよ。
はい。
まずそれぞれに握力を計測してもらいます。
次にちょっとイラッとする内容の投稿ハガキを読みます。
そしてもう一度握力を計測。
2回目に計測した握力のほうが上がっていればニーズィー教授の言う怒りによる影響が考えられますよね。
フフッ。
いやあの…。
どうでした?37.4ですね。
(笑い声)ギュってやったらボキボキってなりました。
(笑い声)大丈夫すか?あんまり使わない…。
ちょっと低いですかね僕は。
サッカー選手握力関係ないからね。
関係ないっすね。
じゃいきます!いきます。
…んぁ!いきましたね。
フハハハハッ。
どんだけですか?35.7ですね。
35.7ですね。
ここでイラッとする内容の投稿ハガキが登場!え〜「禁酒してるって言ってるけど本当は飲んでるんじゃない?」。
ハハハハハッ。
いうことなんですがどうでしょう?これはちょっとイラッとくるハガキですね。
はい。
なるほど。
いや変化あるんですかねぇ?いきます。
はい。
ん〜。
どうですか?上がってますよ。
(笑い声)えっ!?38.3ですね。
ああほんまや!上がってる。
やっぱり怒るとあれですかね。
確かにちょっと上がりましたね。
又吉さんにもハガキが来てるんですよ。
えっ?もう読まなくていいですよ。
いやいやこれも読んでみましょうよ。
「心の底では綾部さんに勝ったと思っていませんか?」。
ハハハハッ。
いや思ってないですし。
はい。
(笑い声)それ名前…大竹先生の名前書いてるじゃないですか!バレました?「バレました?」。
なんすか?先生。
ということでちょっと又吉さんちょっと怒ったという事でですね。
いや怒ってないんですけど。
もう一度やりましょうよ。
いきます。
…んぁ!どうですか?あっ?上がってますよ。
前園さんも又吉さんも2回目のほうが握力が上がりました。
やはりイラッとするハガキの効果!?すごいでも実感としてありますよね。
ありますね。
腹立ってその体力とかそっちの面は能力発揮できるけど確かにメンタルがこうちょっとぐらつくというか。
うん。
それは分かりますね。
そうですよね。
なんとなくこうみんなのテンション低いなっていう時にちょっと怒った感じで。
意図的に。
はい。
意図的にけしかけたりはしますよね。
うん。
グループでなんかやるとかなった時は結構使える可能性がありますよねうまく。
まあこういうふうにね……ということお分かりになりましたか?はい。
いやよく分かりました。
よく分かりました。
確かに。
前園さんはそのマンションの掃除とかあるいは町内会の清掃っていうふうな機会ってあります?はい。
ある時あります。
はい。
又吉さんはシェアハウスされてますから共同で使うリビングやキッチンをみんなで片づけるっていう事ないですか?ありますね。
ありますよね。
実はね……ということが分かってます。
はぁ。
へぇ〜!怒ってたら協力しないすか?そうなんですよ。
なるほど。
これは経済学の公共財ゲームっていうのでも実証できるんです。
人は他人の努力に期待して怠けがちになることを実証する公共財ゲーム。
これで怒りが人の行動を変えることも分かるのです。
ルールを解説しましょう!例えば全員が1,000円寄付すると1人当たりの配当金は?はい2,000円。
ところがAさんは全く寄付をせずBさんは500円Cさんは1,000円を寄付した場合全員に1,000円ずつ配当されますから配当金と手元に残っていた金額を合わせた所持金は寄付しなかったAさんが最も多くなるのです。
ほかの人との駆け引きで自分の所持金額を最大化することがこのゲームの目的。
怖い!はい。
はい。
さ〜てここで寄付金額を集計しま〜す。
見せましょうか?はい。
はい!えっ!?えっ!?前園さんいい人ですね。
先生。
1回目前園さんは1,000円寄付しましたが又吉さんは900円。
大竹先生に至っては全く寄付しませんでした!分配金は全員に1,266円。
所持金は寄付をしなかった大竹先生が最も多くなりました。
前園さん納得いきませんよね?僕は1,366円。
そうですね。
これは。
何で0にしたんですか?ワハハハッ。
いやワハハハッじゃなくて先生。
(笑い声)いやいやこれ今見せるからあれなんですけどちょっと私見せないと思ってたんで。
見せないと思ってた!?アハハハッ。
見せないと思ってたって。
えっ?これだと…みんながもらえるのが少なくなっちゃうということですよね。
何かそういう冷たい目で見ないでくださいよ。
そういうんじゃないすけど。
ウフフフッ。
みんなが1,000円出してれば一番大きく返ってきてた。
…っていうのはそうですよね?はい。
先生は?0ですよ。
0ですね。
(笑い声)はい。
いやいや。
私もだから皆さんも同じ行動を取られる可能性があるかなと。
(2人)ああ。
万一ねぇ。
私と同じ行動を又吉さんが取られたとしたら私が1,000円出してたらすごく損するじゃないですか?で今前園さんは実際に損されてるんですよ。
そうなんですよね。
そういうことですよね。
だからこれを踏まえて2回目いきましょうか。
さ〜て2回目の寄付。
皆さんいくら出すのでしょう?それじゃあ出しましょうか?えっ!?前園さんまた500円出して頂いてありがとうございます。
やっぱりみんな出さないんだ。
(笑い声)前園さんそれでも500円出したんですね。
はい出しました。
今回は前園さんしか寄付しませんでした。
それぞれの所持金はこんな感じ。
今回も寄付をしなかった大竹先生の所持金額が最も多いのです。
先生!?さ〜て続いて3回目最後の寄付です。
みんなが出したほうが返ってくるん…。
キックバックは…。
それを…。
それは分かってるんですよね。
もう一回ちゃんと頭に置いてくださいよ。
(笑い声)いや最初から…。
前園さんも大竹先生も。
頭にそれ置いたんですよ。
そうですよね。
先生。
はい。
はい。
みんなが出したほうが…。
が…。
いっぱい返ってくる…。
だから全員得するんですよね。
そうですよ。
それ踏まえて。
それを踏まえて。
書きましたね?うん協力されてますよね?はい。
はい。
ということで…。
ほら〜。
そうなんだよな。
いやだから…。
ほら。
アハハハッ。
だってもうそうなるじゃないですかもう。
ウハハハハッ!いや前園さん出してくださいよ。
なんぼか。
いやいや。
もうもう。
3回目の寄付は全員が0円。
もはや誰もほかの人を信用していないのですよね。
クスン。
ゲームの結果一番寄付をしたのは前園さん。
1,500円寄付をして1,099円の所持金。
そして又吉さんは900円寄付をして1,699円の所持金。
そしてそして大竹先生は1銭も寄付をせず2,599円の所持金。
うわっ。
だから…こういうゲームやると。
だからみんなが協力したらいいって分かってても自分だけこう得したほうがすごい自分だけねこういう行動取ったらすごい得するわけじゃないですか。
そういう…なるほど。
今ちょっと情報で入ってきたんですけど大竹先生最近ツイッターで冷たくなったってつぶやかれてるらしいですけど。
(笑い声)こういう実験を繰り返してるからでしょうね。
いやこれ私の本心じゃないんですよ。
(笑い声)そうですかね。
はい。
ねぇお二人すごく怒ってらっしゃいますよね。
そのう私の行動に対してね。
はい。
まあ若干。
そうですねぇ。
怒るとですねやっぱり寄付しなくなる。
ああ。
でもそうなってますよね。
そうなんすよ。
怒ってない人は寄付をする傾向があっても怒るとやっぱりムカッときて0っていうふうに出したくなる。
確かに大竹先生が全く寄付しないことに「イラッ!」としたのか2人が寄付する額も徐々に減っています。
協力すれば所持金が増える可能性があると分かっていても怒ると寄付しなくなる傾向があるのです。
なんで自分だけって思っちゃうんですね。
そうそう。
自分だけ得したいってのが強くなってくる。
思いやる…思いやる必要がないと思っちゃう…。
だから協力っていうのをしなくなるんですよ怒った人は。
その結果自分が得する分減るんですけどね。
うんうん。
ねえちょっと雰囲気の悪い実験でしたけどね。
フフフフッ。
こういう事傾向があるって事が分かるのはいい事かもしれない。
そうなんですよ。
まあこうやって考えるとね怒ってると例えば町内会の清掃行事に参加しないとか。
(2人)はい。
又吉さんの場合もね誰もリビングを片づけないとかっていうことが起こってしまうかもしれないですよね。
そうですね。
そうするとみんなが使う共有部分っていうのがすさんでくるし。
まああまりよくないですよね。
そうです。
確かにそうですね。
そういうふうに強い怒りを持った人が多い場所っていうのはなんとなく幸福度も低いかもしれないですね。
う〜ん。
空気もよくないですもんね。
そうですね。
今まさにそういう状況ですもんね。
はい。
嫌な空気を入れ替えるためにはい深呼吸〜!スーハー。
今までの話で怒りの感情っていうのは人の行動をどういうふうに変えるかっていうのは分かったと思うんですよ。
で次にね……っていうのを考えてみたいと思います。
(2人)はい。
はい。
怒ってる人に対して。
…人に対してですね。
そう。
又吉さんは又吉さんのお笑い見たお客さんが怒ってしまったっていうふうな経験ないですか?怒ってしまったですか?はい。
スベることはあっても怒らすことは。
そこまでは…。
ない?もしかしたら怒ってんのかもしれないですけど。
「おい!どういう事だ!」みたいな事はまあないですかね。
なるほど。
仕事において怒ってる相手にどういうふうに対応すべきかってどういうふうにコミュニケーションを取っていくと怒りを収めることができるのか?まあそういう事が大切な時代にお二人とも来てますよね。
まあまあ。
(2人)そうですね。
仕事でね相手を怒らせてしまうかもしれない。
はいはい。
それはありますね。
お客さんを怒らせてしまわないように怒った人をどういうふうになだめるかってすごい大切な技術というかそういうことが大事な仕事だと思うんですけども。
万一相手を怒らせてしまった時にどういうふうに対応すべきかということについて又吉さんちょっと体験してきてくださいよ。
じゃちょっと勉強してきます。
(古谷)こんにちは。
いらっしゃいませ。
お待ちしておりました。
又吉です。
よろしくお願いします。
こちらこそ古谷と申します。
よろしくお願いいたします。
企業などにクレーム対応を指導している古谷治子さん。
又吉さんにも実践してもらいます!実はあのう先日お宅でねビールを買ったんですよ。
はい。
よくよく見るとこれね賞味期限切れてんですよね。
あらあら賞味期限の切れたビールを売ってしまった又吉さん。
一体どうやって対応しますか?ちゃんと商品管理品質管理してるの?私飲んじゃったのよもう。
あっホントですか?大丈夫ですか?それはもうちょっと許せないことですね。
それ私のセリフなんで。
はい。
もう絶対にあってはいけない…。
ですよね。
賞味期限が切れてるビールを飲むと体にもしかしたらちょっと悪いかもしれないですから。
え〜っ!ちょっと大丈夫?絶対にあってはいけない事ですよ。
いやだから来たんでしょう!いやだから来たんでしょう。
はい。
どうしてくれんのよ!絶対に!だから絶対は分かったから。
ちょっとすぐにオーナーに…。
じゃちょっと言ってよ。
はい言ってきます。
うん早く。
待ってるから。
大丈夫ですか?一応はまあなんとかね。
はい。
オーナーもなんかちょっと…。
はいはい。
あってはいけないことだって…。
いや…いや。
「許される事ではない。
これは!」って言ってすっごい今怒ってまして。
出てこないんですか?いるのに。
ちょっとはい。
「はい」じゃなくって!はい。
出てきてよ!早く解決してくださいよ。
そうですね。
何やってるんですか?オーナーさんは。
何かおなか壊してるみたいで…。
ちょっと…それ私のセリフなんですけどね。
そうですよね。
怒ってる人が目の前にいる時には感情浄化と言ってまず3つ。
「真剣に聞く」。
聞いてるよっていうところをちゃんと見せる。
相づちうなずき表情。
傾聴力なんですね。
続いて2つ目は「謝罪」なんです。
まず納得いかない事態が起こった。
まずいいからわびろ。
こういうような心理がお客様にはあります。
ですから謝罪をしながら「何があったんですか?」を聞き出す。
謝罪が2つ目。
そして3つ目としては「共感」。
立場は違うけど気持ちはよく分かるよということ。
いいも悪いも言っちゃいけないんですけどね。
「ごもっともですよね」。
「おっしゃるとおりです」。
「大変でしたよね」。
「よ〜く存じ上げております」。
…という逃げない姿勢を「共感」というふうに呼びます。
以上3点で怒りがグッと軽減します。
もちろん0にはなりませんよ。
では先生にお手本を見せていただきましょう!こちらで買ったビール…。
ありがとうございます。
飲んでから気付いたんですけどこれ賞味期限が切れてたんですよ。
あっ!さようでございますか。
ちょっとよろしいですか?失礼いたしました。
お買い求めいただいたビールの賞味期限が切れていたということで大変失礼いたしました。
いやどういう商品管理してるんですか?ええおっしゃるとおりですよね。
もうお飲みになってしまったと…。
飲みました。
おいしくお飲みいただけず大変失礼いたしました。
はい。
あのその後特にお体の具合というのは?いやまだ飲んですぐなんでね。
ええ。
おいしくお飲みいただけず大変失礼いたしました。
はい。
あの何本お買い求め頂いた…。
3本買ったんですけど。
あっさようでございますか。
はい。
お客様もしよろしければ新しい商品と今すぐお取り替えさせていただきますがいかがでしょうか?ああそうですか。
分かりました。
恐れ入ります。
はい。
お客さんが怒ったままだとそれは損失になると。
そうです。
お客さん…そうしないようにもう一度来るようにしないといけないって事。
そうなんですよ。
人は起こしたことを非難するんじゃないんです。
もう起きちゃった事はしょうがない。
だけどもその応対のしかたでファンになるか「もうあのコンビニは2度と行かないぞ!」と去っていくか。
だからこの初期対応というのがクレーム応対ではとっても重要なんです。
他人を怒らせてしまうことも問題ですがあっもうひとつやっかいなのが自分の「怒り」。
自分が怒ってしまったらどうしたらいいの?人間ですから突発的にカッとなったり腹を立てたりして失敗するっていうことはありますから。
はい。
どうです?又吉さんそういう経験あります?突発的にですか?はい。
やっぱありますよ。
ついつい怒ってしまってとか。
あるんですか!?又吉さん。
ありますあります。
ない感じに見えますね。
いやだからないほうがいいと思うんですけどやっぱりありますね。
あの細かいところでいろいろ。
一瞬バッと言っちゃったとかね。
え〜。
あるんですか?はい。
僕はお芝居の稽古みたいなのを昔してたときにもう朝から晩までず〜っとやってて寝てない日々が続いてるときにそのお芝居に出てる女優さんと僕がしゃべってたら綾部が横から僕のとこ来て「おおイチャイチャしてんじゃねえよ!」って言われたときはあの瞬間的に「しばくぞ!」って言ってましたね。
(笑い声)ワン・ツー並みの速さですね。
それはもうすごく早かったです。
早かったですか。
ハハハハッ。
それまで僕「綾部さん」って3つ上やから言ってたんですけど初めてこのやっとコンビになれた瞬間でもあったんですけどね。
初めてこう敬語とか「さん」が無くなってこう対等に。
なるほど。
だからあれはあれでいい経験やったとは思うんですがそれはでも考えてやったんじゃなくて瞬間的に出ちゃったんでそれはやっぱコントロールできたほうがいいですよね。
なるほどね。
ところで前園さんはやっぱりありますよね?いやもうそれはねあのう改めて言いますけれどもあのう2年前そのタクシーの運転手さんと僕は酔っていてケガをさせてしまいましたから。
ただやっぱりそのどっかでその酔ってる中でも自分の中でその怒りとか何かそういうストレスだったりとか何か原因があるんじゃないかなと僕その時に思ってて。
ちょうどその自粛の期間があったんでその時にまあ「アンガーマネジメント」っていうものに出会って。
ちょうどまあ自粛で何もやることがなかったというか期間が空いてたので。
そこでそのアンガーマネジメントを勉強させてもらう機会になったんですよね。
う〜ん。
前園さんも実践しているアンガーマネジメント。
又吉さんがやってきたのは大手企業で実際に行われているアンガーマネジメント研修の現場。
この企業では3年前からこの研修を取り入れ500人ほどが受講。
一体どんなことを学ぶのでしょうか?…イラッとしてから…最初の6秒を何とかしのぐ事が上手にしのぐ事ができればよりよい選択肢を選ぶチャンスが巡ってきますよっていうふうに考えてるんですね。
なのでこれから皆さんはですね…プロジェクトリーダーになったことを機に受講したという大野さん。
研修を受けて何が変わりましたか?
(大野)部下をはじめあのう周囲に共有したのでお互いがこう意識をし始めたということで。
あのう恐らくそういう意味での皆さんのイライラだとかっていうのは減ったんじゃないかと思います。
なるほど。
はい。
衝動の部分をコントロールしてうまく…非常に有効な手段だというふうに思います。
なるほど。
(羽白)ビジネスをやっていく中で必ずこの特に商社の場合ですね絶対に思いどおり物事動かないんですよ。
はい。
ですからその思いどおりにいかない中でそのえ〜フラストレーションイライラあるいは怒りそういった感情をですねそのう破壊的なあるいはマイナスの力に変えるのではなくてそれをプラスに変えていくという事とても大事だと思いますので。
怒りとのつきあい方を学ぶ意味又吉さんも思うところがあったようです。
怒るのはしょうがないにしてもそれで大失敗をすることも多いですから。
(安藤)そうですね。
そういうことがないようにするためのものですか?まったくそのとおりです。
はい。
怒ること自体は人間にとってごくごく自然な感情ですので怒ることはかまわないと。
ただ一方で怒らなくていい事もいっぱいありますのでそれを上手にまあつきあって分けてくって事ですね。
自分自身も壊してしまうんですよね。
はい。
やる気をなくしてしまってふてくされてしまったりとか本来頑張れるところを頑張らなく…やめてしまうとか。
というともったいないですよね。
どうせとか。
はい。
期待するとまたあとで傷つくから。
うん。
もう自分の全体の設定をだいぶ低くしようとかね。
はい。
みんなしますよね。
うん。
そうじゃなくてって事ですね。
そうですね。
なるほど。
はい。
前園さんは自分が開催しているサッカー教室でも子供たちにアンガーマネジメントを教えているのだそうです。
絶対にその喜怒哀楽の中で怒るっていうのは人間の感情の部分の中で絶対あるんで。
多分その怒り方というか怒り方をどうするかっていうのであのう怒らなければいけない事は上手にこう怒ったりとか。
怒らないでいい事を怒らないでいいようにするっていうようなトレーニングをその勉強の中で僕は学んで。
うん。
すごいこうなんかちょっとした事であっイラッとか車運転しててもそうなんですけどあったんですけどそういうのがだんだんだんだんこう怒らなくていいことも怒らないでいいようになってきたというのは自分も実感はしてるんですけれどもね。
ふ〜ん。
怒りがもたらすマイナスの面っていうのはありますからそれに対応・対処する方先ほどのアンガーマネジメントもそうなんですけど別の観点から考えたいと思うんですね。
どういうふうに怒りをしずめるかっていうことでヒントがありまして。
ヒント…。
あれなんですよ。
うん。
うん。
あれ…。
何だ?あれは!何だか分かります?あれ。
前園さん何ですか?あれ。
ハエですか?そうなんですよ。
はい。
ハエの目線。
はい。
はい。
それホントに真面目な話なんですよね。
そうなんです。
ハエの目線になる。
はい。
いやちょっと分かんないすね。
ハエの目線。
まあこれねある実験から導き出された対処法なんですがこの実験ではね…前園さんみたいな方ですね。
はいはい。
はい。
ほとんどの人は…まあだから怒った人はやっぱり人のせいにするっていうのがここでも出てるわけですよ。
なるほど。
はいはい。
もうひとつのグループはあのう違うんです。
それはあの壁のハエですね。
出た。
壁に止まったハエの視点からその体験を視覚化してくださいと。
客観的にまあちゃんと捉えて冷静に見るってことですよね。
そうですね。
まあやっぱりまあ驚くことにですね…はぁ〜。
う〜ん。
だからつまり何が悪かったのかどうしたらよかったのかっていうのをかなり冷静に分析することができるということなんですね。
なるほど。
いやそれはすごく分かりやすいというか。
はい。
理にかなってますよね。
う〜ん。
1回別の目線で今自分がどういう状況かと。
うん。
あい…まあ自分を客観的に見ることもそうですけど相手も。
うん。
何で怒ってんのかっていうね。
はい。
見れますもんね。
そうですね。
ハエっていうのがある種のちょっとそのコミカルというか。
はい。
ハエやって思うのも重要なんかもしれないですね。
そうですね。
客観的に見るって言っちゃうより。
うん。
自分はハエだって思う訳ですよね。
ハエとして僕を見てるというので。
なんか1個この怒りがしずめれるっていうか作業工程が1個増えるから。
なるほど。
それもいいんかもしないですね。
もう自分はハエだと思うけどね。
途中から。
何かやっぱちょっと若干自分の事ハエやと思うと違和感あるんですけどね。
ありますかね。
ええ。
ちょっと怒りがこう来たら自分はハエだから抑えようハエだからっていうので何か抑えられるかなと思って。
それ言っちゃうとあの相手の怒りも収まるかもしれないですね。
そうですね。
(笑い声)町で前園さんが絡まれたりしたときに「あっ俺ハエだから」って言っちゃう…。
俺はもうハエだからさ。
ハハハッ!相手も「どうしたんですか?」ってなるかもしれないですから。
いやハエなんだよ俺は。
アハハッ!分かってはいても何かそれをこう自分でコントロールするのがやっぱり難しいかなっていうのは自分で思ってて。
でそこでやっぱり先ほど言ったアンガーマネジメントをちょっと自分で勉強して少しその怒りの事の自分を客観的に分析できたりするのが結局そこがこのハエにつながってんのかなと。
リンクしてんのかなってのは今ちょっと感じました。
そうですね。
怒りの悪い面結構見てきましたけれども怒りっていう感情っていうのは人間にとって必要な時もあると思うんですよ。
あのう経済学ではね怒っている時のメリットっていうのも考えられてるんですね。
それがこちらなんですよ。
結構いい面もあるんですよ。
そう。
うまく使えば。
うまく使えば。
例えばこう何か医療…治療法っていう時にこの治療法はあのうリスクはあるかもしれないけどかなりの確率でよくなりますよという時に普通だったら怖いじゃないですか。
怖いときにこうすごい何かこうショッキングな病状を言われてなんで俺はこんな病気になったんだって怒ってる人だとそういうリスクを取ってくれると。
だからそういういいとされている治療法に対してあのう恐怖を感じなくなってそれにチャレンジできるっていうのはあるんですよね。
だから感情とやっぱりこれリスクに対する態度ですからまさに経済行動なんですよね。
確かに。
まあということでまあ怒りのコントロールがうまくできれば会社にとっても生産性が高くなるでしょうし個人は信頼を失うこともないと。
うん。
ですからこそまあ今回見てきたように怒りのコントロールが非常に大切になってきてるんですよね。
はい。
ホントそうですよね。
そうですね。
大事ですね。
そう聞くとなおさら。
はい。
はい。
(父)直樹分かったか?ハエの目線が怒りをしずめるんだ。
(母)お父さんはいつもハエの目線を意識してたんですね。
(父)まあな。
(母)いつもブンブン小言がうるさいところはハエにそっくりですけど。
(父)ううう…。
(妹)お母さんひどい。
怒りと経済学いかがでした?いやすごくあのう勉強になりましたね。
うん。
やっぱりコントロールできたらすごくいいようにそれ持っていけると。
そのエネルギーとか。
それがすごくためになりました。
うん。
そうですね。
怒りだけがその怒りってものが自分のふだんの生活の中でもやっぱりすごく重要になってくると。
いろんな選択をする場面でやっぱり自分を客観的に冷静に見つめてあの怒りっていうのもパーにもなるけれどもやっぱりマイナスの部分もあるんでそれをやっぱりうまく使う事が大事なんだなっていうのは改めてふだんの生活の中であるんだなっていうのは感じました。
勉強になりました。
あのう怒らせると協力してもらえませんしね。
そうですね。
はい。
助け合うためにも怒らない事が大事だと。
自分も怒っちゃいけないと。
はい。
ちょっと痛感いたしました。
今日は。
そうですね。
ですよね。
フフフフッ。
ビックリしましたよ先生。
まさかと思いましたよね。
はい。
はい。
(ディレクター)はい!オッケーです!ありがとうございます。
お疲れさまでした。
お疲れさまでした!よかったじゃん。
中嶋さっきの〜。
ありがとうございます!やれば出来るんだから最初からやらないと。
先生番組のおかげかディレクターも変わりましたね。
はい。
ハエの目線が大事ということですよね。
じゃ心がけましょう。
はい。
又吉さん今日は経済学から何を発見しましたか?パラッ。
2015/12/25(金) 00:30〜01:15
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「短気は損気 “怒り”の経済学」[字][再]

“怒り”をコントロールできずに、後悔したことはありませんか?そんなとき役に立つのが経済学。サッカー元日本代表前園真聖さんと一緒に上手な怒りのしずめ方を学びます。

詳細情報
番組内容
喜怒哀楽のなかでも、最も強い感情といえば“怒り”。怒りをコントロールできずに、人にあたってしまったり、思わぬ失敗をしたりして、後悔したことはありませんか?実は経済学では、そんな心の動きも研究しているんです。スポーツ界のスーパースターたちのエピソードから、ビジネスシーンで取り入れられているトレーニングまでも徹底考察!サッカー元日本代表の前園真聖さんと一緒に、上手な怒りの対処法について学びます。
出演者
【ゲスト】サッカー元日本代表…前園真聖,【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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