11月16日午後8時、タイ・プーケット島のパトンビーチ近くにあるレストラン「ユーロタイ」は多くの客でごった返していた。40台のテーブルのうち39台が埋まるほどだった。タイ料理の定番「トムヤムクン」が特においしいことで名が知られるこのレストランの外には、十数人の観光客が、席が空くのを待って行列を作っていた。その中の一人のオーストラリア人観光客が、一つの席が空いているのを見て、従業員に「席が空いているのに、なぜ列に並ばなければならないのか」と詰め寄った。女性従業員(21)は「予約しているお客さんの席だが、まだ来ていない」と困惑した表情を浮かべた。このテーブルは前日、2人の韓国人が「あす午後7時30分に行く」として予約した席だった。その事実を知ったオーストラリア人観光客は「韓国人たちは約束の時間に来ないくせに、なぜ予約なんかするのか」と怒りをあらわにした。結局、このオーストラリア人観光客の抗議に耐えかねたレストランの店主は席を譲った。
本紙は、1年間に約26万人の韓国人観光客が訪れるプーケット島のホテルや飲食店、スパ、コンサートホールの事業主27人に会って、韓国人が現地で繰り広げる「ノーショー(予約の取り消し)」の実態を取材した。その結果「韓国人のノーショーによって被害を受けた」と答えた人が17人(63%)に上った。プーケット島のある飲食店の店主は「ほかの国の観光客たちと違い、韓国人たちは直前のキャンセルが際立っている」と話した。この店を含め、記者が会った現地の事業主たちは「1日に平均1-2組の韓国人観光客が、予約しておきながら連絡もなく来店せず、予約の時間に遅れても『なぜ席がないのか』と抗議する」と語った。
現地の韓国系住民たちは、韓国人観光客によるこの「ノーショー」のために頭を悩ませている。韓国人観光客の飲食店やコンサートホールの予約などを代行する、現地の韓国系旅行代理店の関係者は「韓国系住民の大部分が旅行業に従事しているが、韓国人観光客の『ノーショー』のせいで、私たちが現地の業者の『ブラックリスト』に挙げられている」と話した。