【コラム】「日本のせい」ではなく、日本を畏怖させる外交を

元慰安婦の女性たちが涙する本当の理由
元慰安婦たちに「希望拷問」ばかりの韓国政府は日本と同じ
日本のせいにばかりせず、韓国が思い切った転換実践すれば日本の方が窮地に

 筆者はしばしば、日本の首相が予定外で来韓し、元慰安婦の女性たちが暮らしている京畿道の「ナヌムの家」を訪れ、頭を下げて謝罪する姿を想像していた。日本と同じく第二次世界大戦の戦犯国であるドイツは、折に触れてナチスの被害者のもとを訪れ、許しを請うた。もし、日本もそれができたなら、日本を見直していただろうし、日本を恐れる気持ちも膨らんでいただろう。だが、日本はそうはできない国だということが今回の交渉であらためて明らかになった。ドイツがヨーロッパだけでなく世界のリーダー国となった一方で、日本が近隣諸国との旧怨(古くからの恨み)に足を引っ張られ、さらに前に進めないのも、こうした理由があるからだろう。

 日本を相手に激しい言葉で感情的に対応すれば、国際社会の中で韓国人自らが「韓国の立場」を狭めるばかりだ。この3年間、現政権がやってきた対日外交の失敗がその証拠だ。韓日関係は慰安婦交渉合意で再び出発点に立った。今こそ日本に韓国を畏怖させる発想の転換と外交戦略を考えなければならない。慰安婦問題を初めて提起した金学順さんは1997年にこの世を去った。金学順さんをはじめ、元慰安婦として登録された約200人のうち、現在生存しているのは46人だけだ。日本のせいにばかりにするのではなく、私たち韓国人が真心をもって元慰安婦の女性たちに寄り添って行ければと思う。

朴斗植(パク・ドゥシク)副局長兼社会部長
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