「台湾とも協議を」日本に要請
【台北・鈴木玲子】日韓の慰安婦問題の合意を受け、台湾の馬英九総統は29日、報道陣の取材に対し「(台湾)政府の立場は一貫して日本政府に慰安婦への謝罪と賠償を求め、女性たちの尊厳を取り戻すことにある」と述べた。日韓の合意後、馬総統がこの問題について公の場で言及するのは初めて。
また、林永楽・外交部長(外相)は同日、記者会見し「台湾とも協議に入るよう日本側に強く申し入れた」と発表した。日台の窓口機関を通して日本側に要請したとしている。
林部長は「日韓が合意によって行う細かい部分は我々の要求と完全には一致しないが、被害を受けた台湾の女性にも同様に、同等の権利保障が行われるべきだ」と強調した。
会見には、台湾の元慰安婦を支援する女性人権団体「婦女救援社会福利事業基金会」の康淑華執行長が同席。康氏は毎日新聞などの取材に対し「(台湾で生存している)元慰安婦の女性4人に日韓の合意を伝えたら喜んでいた。賠償や謝罪だけでなく、女性たちの名誉回復が重要だ」と指摘した。