慰安婦合意:専門家「ビジネスパートナーになれても親友には…」

韓日シャトル外交、再開の可能性も

 韓日が28日の外相会談で旧日本軍の慰安婦問題の解決策に合意したことを受け、韓日関係の専門家らは両国の首脳が相手国を交互に訪問する「シャトル外交」が再開される可能性を指摘している。朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相は今年の下半期になってようやく初の首脳会談を行った。外交の基本要素が備わっていないまま、約3年が経過したことになる。

 首脳会談が定期的に開かれれば、経済協力や文化交流も活発になる。韓日関係が悪化すれば日本で韓流ブームが廃れ、韓国製携帯電話も売れなくなる。スーパーでも韓国食品が陳列棚の前列から目立たない後列に移されてしまう。駐日韓国企業連合会の楊仁集(ヤン・インジプ)会長(眞露株式会社〈東京都港区〉社長)は「これまで韓国企業が日本の取引先に韓国商品展の開催を持ちかけても『また今度・・・』と断られることが多かった。今回の合意で活路が開けるのではないか」と期待を示した。

 北朝鮮の挑発への対応、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の再開問題などで、韓日が今まで以上に協力することも可能になる。慶応大の添谷芳秀教授は「今回の合意により韓日が同じ議題を追求することができるようになった」と指摘している。既存の韓米同盟と米日同盟を韓米日による安全保障同盟に拡大させる足掛かりも築いた。

 だが、そこまでの道のりは平坦ではなさそうだ。独島(日本名:竹島)問題、歴史教科諸問題など、あつれきの火種は依然として多いためだ。ソウル大のパク・チョルヒ教授は「韓日は必要に応じて協力するビジネスパートナーになることはできるが『親友』になるまでには相当な期間が必要だ。痛んでいる歯が抜けたのは事実だが、韓日の間にはその歯以外にも虫歯が多い」と指摘した。

 慰安婦問題だけを見ても、韓国政府がこれを外交上の争点としなくなるだけで、韓日両国の民間人までもが静かになるわけではない。短期的には、日本政府が予算を拠出して韓国政府が設立する慰安婦被害者のための財団がむしろ摩擦の原因になる可能性もある。財団は、高齢の被害者が生きている間は医療サービスの提供など支援に努めるものの、月日がたつにつれて人権・歴史教育など慰安婦被害者を記憶するための事業に軸足を移さざるを得なくなり、この過程で日本の右翼の反発が予想される。

東京=金秀恵(キム・スヘ)特派員
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