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ドクターからのメッセージ 腰痛治療のポイント

ドクターのご紹介

関東千葉県八千代市

診察の時、患者さんから医師に伝えていただきたいことがあります

東京女子医科大学 八千代医療センター 整形外科
准教授/診療科長
山本 直也(やまもと なおや) 先生

ドクターからのメッセージ

腰痛は人間の宿命

もともと、背骨は動物が四本足で歩けるように進化していったものです。そのため、四本足ではなく、二本足で地面に直立して歩くようになった人間では腰に大きな重力がかかるため、その負担は腰痛となって現れてきます。つまり、腰痛が起こることは人間の「宿命」なのです。
背骨は「椎体」という円柱状のブロックが重なってできており、そのブロックとブロックをつなぐ役割をしているのが椎間板という軟骨です。椎間板は、爪や髪の毛と同じように血液が流れていないため、一度傷んでしまうと再生することができない組織です。人間の椎間板のうちで最も負担がかかりやすい部分は、5個ある腰椎のうち4番目と5番目の腰椎をつなぐ椎間板です。

通常の腰痛には安静とコルセットを

椎間板が変性して外側繊維輪に亀裂が入り、椎間板の中心にある髄核が飛び出してしまうのが「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」です。残念ながら、椎間板変性を起こした椎間板を再生させる方法はありません。痛みがあるときはまず安静にし、通常は1週間前後で痛みが半分程度に軽くなりますが、それ以上経っても痛みがとれない場合は、飛び出した部分が大きい椎間板ヘルニアや別の病気を考えなくてはなりません。
椎間板ヘルニアに限らず、動ける程度の腰痛であれば、コルセットの着用をお勧めします。臍より下の部分に幅の狭いコルセットを着けて腹圧を上げることにより、背骨を安定させる筋肉の力をサポートしてあげるのです。

診察時に医師に伝えてほしい4つのポイント

腰痛の原因を診断する際、最も大切なのは問診と診察時にみられる症状で、これらによって病気の診断はほとんどつきます。そして、X線やMRIなどの画像診断を行うことで、私たちの診断結果を確認することができます。
そこで、より適切な診断を行うために、患者さんから医師に伝えてもらいたい4つのポイントがあります。
第1は「痛みのある場所」です。痛いのは右か左か中央か、あるいは指で指せるような狭い範囲か、全体的に痛いのか、骨盤より上か下か、などです。
第2は「どうすると痛いのか」です。立っていると痛いのか、座ると痛いのか、同じ姿勢で過ごしていると痛みが出てくるのか、立ち上がるときなど動くときに痛いのか、などです。椎間板ヘルニアなど椎間板の変性では朝の起床時に痛いという患者さんが多く、また腰痛に発熱を合併しているときには椎体椎間板炎など感染性疾患の可能性もあります。病気の種類により痛みが出るタイミングは変わりますから、診断の目安になります。
第3は「痛みの性質」です。じわじわとした鈍い痛みか、ずきずきとした鋭い痛みか、などです。
第4は「痛みが持続する時間」です。動いた瞬間だけ痛いのか、痛くても翌日には痛みがとれているのか、翌日以降も痛みがずっと続くのか、などです。
これらの痛みの特徴を具体的に要領よく医師に伝えることで適確な診断につながり、適切な治療を行うことができます。そして、実際にどのような治療を行っていくのか、患者さんと一緒に治療戦略を練っていくことが可能になるのです。

病院名および診療科 東京女子医科大学 八千代医療センター 整形外科
住所 〒276-8524 千葉県八千代市大和田新田477-96
電話番号 047-450-6000
医師名 山本 直也(やまもと なおや) 先生
ホームページ http://www.twmu.ac.jp/TYMC/外部リンク
治療責任者 院長:寺井 勝(てらい まさる)
経歴 1978年 千葉大学医学部卒
2006年より 東京女子医科大学附属 八千代医療センター 勤務