ドクターのご紹介
宇和島市
問診で聞かれること、伝えるべきこと
社団法人 全国社会保険協会連合会 宇和島社会保険病院
院長
松田 芳郎 先生
ドクターからのメッセージ
診察で、聞きたいことが聞けなかったり、言いたいことが言えなかったりした経験はありませんか?
「どうされましたか?」―この問いかけで問診がスタートします。患者さんが脚※や腰の痛みを訴える場合は、痛みを感じる場所が脚や腰のどのあたりかを確認し、次に、安静時にも痛むかどうか、さらにしびれの有無についても尋ねます。※医学的に「足」は足首より下の部分を意味します。
痛みやしびれに比べ、患者さんが気付きにくい筋力低下も診察のポイントです。腰椎(ようつい疾患で起こる神経障害によって、足の親指が上がりにくくなることがあるのですが、患者さんは「筋力低下」という言葉を聞いても分かりにくいと思うので、階段や突起物につまずきやすいかどうかなど、日常生活で具体的に感じる不自由を聞くように心掛けています。また、特徴的な症状である「間欠跛行(かんけつはこう)」についても、「しばらく歩くと痛みやしびれが出始め、休んだら治まり、また歩きだすと痛みやしびれが出てくるというような症状はありますか?」などと、具体的な症状を説明しながら尋ねます。
寝ている時も痛みを感じる場合は、感染症や悪性腫瘍を疑います。糖尿病の持病がある方には、化膿性の脊椎炎(せきついえん)を念頭に、発熱や強い痛みがないかどうか尋ねます。重症になると生じる排尿障害は、患者さんにとって言いにくい症状なので、頻尿(夜間3回以上の排尿)や残尿感については、私から聞くようにしています。高齢女性には、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)に関連する症状についても確認します。
問診で患者さんにお願いしたいのは、痛みやしびれについて、「どこが、いつから、どのように痛くなり、痛みがどう変化したか」を、しっかり伝えてほしいということです。私も患者さんの訴えから症状を引き出せるように問診を進めているつもりです。それでも「こんなことを聞きたかったのに、診察の中では聞けなかった」という患者さんは少なくありません。生活の中で感じた痛みや不具合、疑問や不安などをその都度メモし、診察の前にそれを見た上で、医師に聞くことを整理していただくと、診断にも役立ちます。
さて、問診によって原因疾患はほぼ絞られます。高齢で間欠跛行の症状があれば、まず「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」を疑います。これは、加齢により神経の通り道である脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなり、神経が圧迫されて脚や腰に痛みやしびれなどの症状があらわれる病気です。患者さんの姿勢を観察すると、脊柱管が広がって楽になる前かがみになっているのも特徴です。高齢化が進む当地においても、年々患者さんが増加していますが、高齢ゆえに、一緒に暮らす家族の目が非常に重要です。患者さん本人は自覚していなくても、ご家族は「最近スムーズに歩けなくなった」と感じているかもしれません。そこで、以前できていたことがいつからできなくなったのか、ご家族に聞くこともあります。
腰痛は現代社会が抱える問題の一つです。完全攻略は困難ですが、腰痛のためにやりたいことを諦めたり、生活の質が落ちたりするのも残念なことです。医療はどんどん進んでいます。それを上手に活用するためにも、専門医のもとで腰痛の原因を十分に追究してもらい、自分の病気を理解した上で治療することが大切です。
| 病院名および診療科 | 社団法人 全国社会保険協会連合会 宇和島社会保険病院 |
|---|---|
| 住所 | 〒798-0053 愛媛県宇和島市賀古町2-1-37 |
| 電話番号 | 0895-22-5616 |
| 医師名 | 松田 芳郎 先生 |
| ホームページ | http://uwajima.jcho.go.jp/ |
| 治療責任者 | 院長:松田 芳郎(まつだ よしろう) |
| 経歴 | 1974年 山口大学医学部卒 2003年より 宇和島社会保険病院 勤務 |