おすすめ無料カーナビアプリ4選、音声案内やオフライン機能も【iPhone/Android】
2015.12.29 22:14高価な車載カーナビを買わなくても、スマホやタブレットで無料のカーナビアプリを活用し、事足りてしまう時代になりました。常に最新の地図データが使えて、リアルタイムに渋滞情報の取得、音声案内やオフライン地図まで、充実の機能を備えたカーナビアプリをまとめてみました。
カーナビアプリのメリットとデメリット
カーナビアプリも多数リリースされていますが、まず従来の車載ナビと比べての長所・短所が気になるところです。代表的なものを列挙してみました。
カーナビアプリの長所
- 費用が圧倒的に安い:無料アプリはもちろん、月額数百円(年間数千円)の有料アプリでも、車載ナビを買うより断然安く抑えられます。極端な話、アプリの使い勝手が気に入らなければ、すぐ別のアプリに乗り換えればよいのです。
- 常に新しい地図データ:車載ナビでは地図のデータが古い、更新にも料金がかさむというケースも多いですが、カーナビアプリでは基本的にクラウド型なので、新設された道路や施設などもすばやく反映されます。
- リアルタイムの渋滞情報:VICSや独自の渋滞情報をリアルタイムで取得し、アプリによっては最適なルートを再探索してくれる機能も搭載されています。
- オービスなどの情報も:交通取締が行われているエリアを地図上に表示したり、そこに近づいた際に通知で知らせてくれるアプリもあります。
- 目的地設定がしやすい:音声入力に対応したアプリなどでは、目的地の設定が簡単です。
- マルチデバイス:IDを登録すれば、スマホやタブレット、異なるOSでも同じようにアプリを利用できます。
- 地図が見やすい:端末に依存するものではありますが、多くの車載ナビの液晶よりスマホやタブレットのほうが解像度が高いため、単純に地図が鮮明で見やすいという点があります。
カーナビアプリの短所
- 通信環境の確保:基本的にオンラインで利用するため、通信環境(セルラー版、テザリング等)を確保する必要があります。当然、通信パケットも消費します。
- バッテリー消耗が早い:常に画面を表示してオンライン利用、GPSによる位置情報取得などによって、バッテリーを消耗します。長時間ドライブでは電源確保も重要です。
- GPS・電波をキャッチできない場合:トンネル内などで現在地が不明になったり、電波が悪い場所ではナビができなくなることがあります。Wi-FiモデルのiPadなどはGPS非搭載であるため、別途GPSレシーバなどが必要になります。
- 動作が端末に左右される:端末スペックが低くかったり、アプリとの相性が悪かったりすると、動作が緩慢、引っかかるというケースがあります。
- 固定ホルダーが必要:端末を固定して使うのが基本になるため、端末やクルマに合った固定ホルダーを購入する必要があります。
こうして整理してみると、やはりカーナビアプリにコスト面、およびナビとしての性能面でも優位性があるといえそうです。以下、おすすめのカーナビアプリを4つ紹介します。
Googleマップ
地図アプリとしては最強といえるGoogleマップですが、普通のカーナビに比べるとガイド表示はシンプルです。しかし、音声ガイド付きのルート案内機能を搭載しており、アップデートによる改良を重ねたことでカーナビとして十分活用できるよう進化しています。VICSに頼らない独自のリアルタイム渋滞情報表示も特長で、渋滞回避ルートの検索もおこなえて有用です。
目的地検索も音声認識が使えるため簡潔で、候補の表示もさすがGoogleという感じです。ルート検索では複数候補を表示してくれますが、高速道路を使う/使わないルート候補を同時表示できないのは厳しいところで、このあたりはクルマ利用に特化したアプリではない弱さかもしれません。
またオフライン機能が強化され、事前に特定エリアの地図データを端末にダウンロードしておき、ネットワークがない状況でも目的地検索やローカル検索、ルート案内などが使えるようになったものの、日本にはオフライン対応エリアがほとんどなく、国内では実用に耐えないのが現状です。
Yahoo!カーナビ
おそらく、現在最も人気のある無料カーナビアプリといえば「Yahoo!カーナビ」でしょう。ルート検索では「おすすめ」「高速優先」「一般優先」の3ルートが同時に検索でき、所要時間や料金を比較して選択可能です。ルートガイドは車載ナビに比べればシンプルながら、必要十分ともいえそうです。
Googleマップより道路の認識しやすさ、上から前方を見渡せる俯瞰表示、大きく見やすい文字など、運転時のナビに特化したUIには定評があります。イラストを駆使した高速道路専用のナビ走行も便利です。検索では、駐車場の満空情報やガソリンスタンドの料金など、その時その場で必要なものも探せます。
VICSに加えて、「プローブ」と呼ばれる新しい渋滞情報に対応。これは、Yahoo!カーナビのユーザーが実際が走行したログ情報で、主要幹線道路以外の渋滞情報も入手できるようになっています。渋滞情報に基づいた回避ルートの検索もおこなえます。
ナビロー
ナビローは2015年5月、DeNAロケーションズからリリースされた比較的新しいカーナビアプリ。カーナビとしての基本機能はもちろん、オービス通知やドライブレコーダー、スマホカメラからの映像にルートや情報を重ねる「ARモード」など、多彩な機能が無料で利用できます。VICSに基づいて交通状況を約5~15分に1回再探索し、最速ルートを案内してくれるのもウリです。
地図データは昭文社から提供を受けているほか、他社アプリに比べて通信量90%オフを謳う独自の「ビーラインテクノロジー」を搭載している点も特長。また、現在地を中心に一度訪れた経験のある目的地(自宅など)が直感的にわかりやすい距離と方角に自動表示するハニカムデザインのUIを採用しています。
ルート案内などのボイスを方言や著名人の声に変更できる「ナビ声」機能や、126cc以上車種専用道路(高速道路など)がルート検索から除外される「バイクモード」の存在もユーザーから好評です。Yahoo!カーナビと比較すると、地図の見やすさなど未完成な部分がある印象ですが、後発ながら将来性は高そうなアプリといえそうです。
カーナビタイム
優れたカーナビアプリが登場している中で、最高峰といえるのが「カーナビタイム」です。月額500~600円の利用料(初回登録時は31日間の無料試用あり)がかかるのでユーザーの目も厳しくなりがちな中、各アプリストアを見ても満足度が高く、実際に前述の無料3アプリにあるほとんどの機能を網羅。その上でオフライン機能やボイスコントロール機能まで備える実力派アプリです。
最大の特長はやはりオフライン機能。山間部やトンネルなど電波状態の良くないエリアでもナビが使えるのは安心です。端末に地図を保存しているため、通信圏外でも音声を含めたルート案内がおこなえます。ルート案内も「推奨」「高速」「無料」「距離」「推奨2」「Eco」「景観」「超回避」の8つのルート検索条件から5つを選択できるなど多彩。走行履歴をアプリが学習する「いつもの道優先」機能も備えます。
地図は遠くまで見通せる3Dスカイビューを採用し、2D地図も選択可能。マップ上にリアルタイムで駐車場の満空情報や価格のわかるガソリンスタンドを表示するほか、スポット情報も充実しています。渋滞情報はVICSに加えて、ここ数年で蓄積されたナビタイムのプローブ情報にも対応。ルート案内中も1分ごとに渋滞情報をキャッチして回避ルートを提案してくれます。
また、音声で地図の操作、スポット検索、自宅までのルート案内開始などアプリを操作できる「ボイスコントロール」機能も、他アプリにはありそうでない機能だったりします。こうみると、カーナビアプリを真の意味で車載ナビの代わりにすることを考えれば、月額600円も決して高くないといえそうです。
なお、au端末を利用している人は「auカーナビ」アプリでも同等の機能が使えます。料金は月額500円で、auスマートパス会員なら初回加入月から最大3か月間無料で利用できます。