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 世界的指揮者の鄭明勲(チョンミョンフン)氏が29日、ソウル・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を辞任する考えを表明した。楽団によれば、鄭氏は同日、楽団員らに宛てた手紙で「音楽監督の仕事を続けられないことは非常に遺憾だ」と述べた。

 鄭氏は昨年起きた楽団代表(当時)によるセクハラ事件に巻き込まれ、楽団内での立場が悪化していた。鄭氏は手紙で「音楽より人間愛が重要であり、人間愛の問題が解決されるまでは、皆さんと一緒に音楽を続けることは不可能だ」とした。楽団側も受け入れた。鄭氏は30日に現職として最後の公演をソウル市内で行う。

 鄭氏は2006年に同楽団の音楽監督に就任。11年には北朝鮮を訪問し、南北の文化交流にも貢献した。(ソウル=牧野愛博)