2015/12/28
風間フロンターレの是非を問う
今日は川崎フロンターレをボール支配率のデータで分析します。ご存知のように、川崎はJリーグでもっともポゼッションにこだわりのあるチームです。谷口彰悟、大島僚太、中村憲剛、大久保嘉人を中心としたポゼッションサッカーは非常に魅力的で、川崎を高く評価する解説者も多くいます。
一方で風間八宏監督が就任してから4年間タイトルをとれていないことから、このスタイルに疑問を持っているファンも多くいるはずです。風間監督は「ボールを保持しているかぎり守備をすることはない、だから守備力を高めるよりもボール支配を突き詰めるべきだ」というポゼッション信者です。実際に今季のJ1では浦和に次いで2位のボール支配率57.3%を記録しています。ではそのポゼッションが本当に勝利に結びついているのでしょうか。今季のJ1での試合結果をボール支配率とともに振り返ります。
支配率で圧倒した試合
まず注目するのはボール支配率64%以上を記録した6試合です。川崎はこの6試合すべてに勝利しています。相手のスタイルによるところもありますが、これらの試合は川崎が自分たちのやりたいことをできた試合であり、ポゼッションが勝利に結びついたといえます。
やはり支配率を高めるだけ勝利の可能性が高まるということでしょうか。しかし注目すべき点は、この6試合の対戦相手のうちFC東京と湘南を除く4チームは川崎にとって格下のチームだという点です。つまり「勝って当然」の相手なのです。ポゼッションが勝利につながっているというにはもう少し他のデータが必要です。
支配できなかった試合
次に注目するのがボール支配率で52%を下回った6試合です。自分たちがボールを持つことを前提とする川崎にとっては、自分たちのサッカーができなかったといえる試合です。驚くのはこれらの試合で川崎が4勝2分無敗という結果を出していることです。
この6試合の対戦相手のうち名古屋を除く延べ5チームは今季7位以内のチームであり、6位の川崎にとっては苦戦が予想される相手です。そのような相手に対して、自分たちのスタイルで戦えていないにもかかわらず好成績を挙げているわけですから、川崎はポゼッションしないほうが強いという可能性が浮上します。
上位チームとの試合
そして次に見るのが、7位以内のチームとの試合でのボール支配率です。これを見ると、支配率の低い試合のほうが明らかに良い結果を出していることがわかります。
もちろん強いチームは相手にボールを「持たせる」ことがうまいという事情があります。今季のJ1王者広島はその代表例でしょう。ですがその事情を考慮しても、川崎のポゼッションは勝利に結びついていない、川崎はボールを保持しないほうが強いといえるのではないでしょうか。
このような結果が出るのはなぜでしょうか。ボール支配率が高い試合で負けているだけなら「ああ、先制点取られて守備固められたんだろうな」とか「最初から守備固められてカウンターで沈んだんだろうな」と考えられます。しかしボール支配率の低い試合で強い相手にこれほど勝っているわけですから、そもそも川崎はポゼッションに向いていないのではないかと考えてしまいます。
もちろんデータだけでその結論を出すことはできませんし、ポゼッションの質をより高めれば結果も付いてくるでしょう。風間監督もそう考えているはずです。ですが現時点ではポゼッションにこだわらないほうが強いといっていいでしょう。
全試合の支配率と勝敗
最後に今季の川崎のJ1全試合でのボール支配率と勝敗のデータを確認します。川崎が今季ボール支配率で相手を下回ったのはわずかに2試合、2nd13節ガンバ大坂戦と2nd16節浦和レッズ戦のみでした。そのほかの32試合は支配率で相手を上回っています。気になるのは支配率が54~56%の試合の勝率が極めて低いことです。このデータに何か意味はあるのでしょうか。これについてはまたいつか分析してみようと思います。
他のチームの支配率のデータについても興味深いものが見えてきています。今後記事にする予定ですので、また読みに来てください。
次回予定「データで読む監督交代。吉田達磨が柏に捨てられ新潟に求められた理由」



