今年も残りあと2日。今日で仕事納めだったので、1年の締めくくりとして、仕事に関することを書いてみようかと思う。
みなさんは交通事故にあったこと、ありますか?
宙を舞ってあぜ道に落ちた話
わたしは1度だけある。高校1年生のとき、自転車で学校に向かう途中、四つ辻で横からきた車に跳ねられ、宙を舞った。幸い、飛んだ先があぜ道だったので、骨を折るなどの大きな怪我はなかった。が、両足を大きく擦りむき、手や足はアザだらけ。自転車はボコボコのベコベコ。
放心状態でいるところに、わたしを跳ねた車の運転手が駆け寄ってきた。「大丈夫か」というようなことを尋ねられ「痛いです」と答えたのは覚えているけど、詳しい問答についてはよく覚えていない。
やじうまの人波の中にクラスメイトを発見したわたしは、「先生に遅刻するって伝えておいて!」と頼んだ。笑っちゃうんだけど、このときのわたしの心配事は、自分の容体よりも「朝の課外授業に遅刻すること」だった。
運転手は「いやーまいったな。いやーまいったな」を繰り返していたが、わたしの怪我をみて「病院に連れて行きますから」と言った。そして本当に自分の車にわたしを乗せて、近くの整形外科まで連れて行ったのだ。わたしの中では「危険!危険!」って警鐘が鳴り続いていたけれど、他にどうすればいいのかわからなかったので、ついていくしかなかった。結局、着いたところはちゃんと整形外科で、治療してもらって、無事に親とも連絡がついた。
今だから言える問題点
当時は携帯電話を携帯している人の方がまだ少数派という時代。周りに民家はほとんどなく、田んぼ道での事故だった。
今だから言える問題点をいくつかあげてみる。
・警察を呼んでいないこと
・加害者の車に乗って病院へいったこと
・道行く人に助けを求めなかったこと
結局わたしの事故は、警察に届け出ないまま、示談によって解決した。お金のことなどがどんな風に解決したのか詳しいことはわからないが、事故にあったときと全く同じ型の自転車が届けられた時は目を疑った。「なんでこれなの?」と交渉にあたっていた祖父に聞くと、「俺が頼んでやったんだ。同じものを弁償してくれと」とドヤ顔で言われた。事故にあった時と同じ自転車にもう一度乗りたいと思う人がいる?いねーよ、と言いたい。話が逸れました。
言われるがまま加害者の車に乗ってしまったこと、道行く人に「大丈夫?」と声をかけられたのに「大丈夫です」と答えてしまったこと。どちらも、わたしが子供だったから生じた問題だろうと思う。何か変だと思っていても言えない。事故にあったこと自体に引け目があるから、自分自身が一番「たいしたことない」と思いたい。そんな思いが、それらの行動に繋がったんだと思う。
今ならば絶対に乗らないし、「警察に連絡してください」とお願いする。
交通事故後の対応は大人でも知らないことが多い
交通事故にあったことがないうちは、交通事故にあうなんて想像しないのが普通だと思う。でも、もし交通事故にあったことがないなら、それはただ単にラッキーなだけなのかもしれない。自分が悪くなくても、外を出歩くかぎり、交通事故にあう確率は0パーセントではないから。
仕事で接する交通事故被害者の方たちの中には、初期対応がまずかったせいで、本来相手の任意保険で受けられる治療が受けられず、泣き寝入りした人たちもいる。知っているか、いないかの違いは大きいのだ。
簡潔な初期対応の説明はこちら。
もっと具体例などを交えて知りたければ「交通事故 初期対応」で検索すると、関連ページがたくさんあるので、一度読んでおくといいと思う。
大人でも交通事故後の対応について知らない人は多い。子供なら、知らない子がほとんどだと思う。
子供だけで出歩くことが増える小学生。
自転車で行動する小学生。
我が家の息子たちも、そんな小学生のひとりだ。その子供たちに交通事故について、どう伝えるか。何を伝えるか。各家庭で十分考える必要のある問題だと思う。
子供に伝えておきたいこと
わたしなりに考えたことをまとめておく。
まず、交通事故についての前提として以下のようなことを日頃から話しておくことが大切。
- 交通ルールを守るのは大前提
- でも、ルールを守っていても交通事故にあうことがある
- 事故をおこした人は、事故の大きい小さいに関係なく、必ず警察に連絡しなくてはいけないルールがある
- お母さんは事故にあったことを知っても怒らない!
- お母さんがするのは心配だけ!
お母さんに怒られる〜という認識だけは取り去っておこう!一度言ったくらいじゃダメだよ。え?うちだけ?いやいやいやいや〜そんなことない!
その上で、もし事故にあったらどうするかという対応を具体的に示してあげる必要がある。
携帯を持っている場合
スマホやガラケーなどを持っている場合
- 親に連絡する
- 加害者の連絡先をメモ(写真で撮影、メモ帳に残す)
- 加害者が警察に連絡してくれない場合は、周囲の人に助けをもとめる or 自分で110番する
- 万が一加害者が逃げた場合は周囲の人に助けをもとめる or ナンバーなどの写真を撮る
スマホやガラケーの場合は、 GPSで位置を探すことができるサービス *1を利用していないかぎり、通話しただけでは居場所が特定できないはず。話を聞く側である親が落ち着いて、居場所を聞き出すことが大事。加害者に代わってもらうという手もあるけど、わたしはあまり気がすすまない。その携帯を投げ捨てられたら…?と悪い方へ悪い方へ考えてしまうので。
相手が普通の人なら、事故を起こした時点で警察に電話してくれるはずだし、連絡先も教えてくれるはず。自分も、加害者も、紙とペンを持ち合わせていないときは、免許証や保険証をカメラで撮らせてもらうといい。
3と4については正直想像したくもないけど、万が一のために伝えておきたい。警察に電話するのが当たり前のこと、という意識を植えつけておくべきなのは、そのためだ。「あれ、なんかこの人おかしい」と思えるように。そしておかしいと感じたら、周りの人に助けを求めること。これもぜひ伝えたいこと。
キッズケータイを持っている場合
- 親に連絡する
- 加害者の連絡先を書いてもらう
- 加害者が警察に連絡してくれない場合は、周囲の人に助けをもとめる or 自分で110番する
- 万が一加害者が逃げた場合は周囲の人に助けをもとめる
うちはキッズケータイを1台契約していて、時と場合によって長男が持って出たり、次男が持って出たりする。キッズケータイにはカメラがついていないので、写真を撮ることはできない。でも、通話したらGPSで居場所を教えてくれるメールがきたり、有料オプションでいつでも居場所を検索できたり、といった利点がある。
電話できる相手が数件に限定されるのもキッズケータイの特徴だけど、110番や119番などの緊急時の連絡はもちろん可能だ。普段から、こうやったら110番できるんだなという確認をしておきたい。
携帯を持っていない場合
- 加害者または周囲の人に「電話をかしてください」とお願いする。そして親に連絡する
- 加害者の連絡先を書いてもらう
- 加害者が警察に連絡しない場合は、周囲の人に「警察に連絡してください」とお願いする
- 万が一加害者が逃げた場合は周囲の人に助けをもとめる
自分で連絡する手段を持っていない場合は、加害者または周囲の人に頼るしかない。「親に連絡したいので電話をかしてください」と言われて断る人はいないはず。できれば、加害者の携帯を借りるのがいい。自動的に、加害者の連絡先を知ることができるし、相手の携帯なら「ちょっと代わって」と言いやすい。
まとめ
子供に伝えることで1番大事なのは
交通事故にあったら、すぐ親に知らせること!
これに尽きる。正直、それさえできて、周囲の人に助けをもとめることができれば、どうにかなると思う。子供に携帯を持たせるか否かという議論をここでするつもりはないけど、持たせるならば親との連絡はとりやすくなるのは確かだ。とはいえ、大人だって携帯を家に忘れることがあるくらいだから、子供だって絶対に携帯を持って出かけるわけではない。
そのため必要となるのが、親に必ず連絡がつく、もしくは連絡があったことを比較的速やかに知ることができる連絡先を教えておくことだと思う。もし子供が覚えられない場合は、リュックやバッグごとに親の連絡先を書いたカードを入れておくといい。
こういうものをうまく利用すれば、いいかもね。
考えたくもないけど、自分で連絡できない場合のために連絡先のカードを持っておくことは大事だなとも思う。
小学生になると、子供たちだけでいろんなところへ出かけていく。別に遠出じゃなくても、家の近所であっても、交通事故にあうことはある。交通ルールや自転車の乗り方について、普段から家庭で話し合っておくことはもちろんだけど、もしものときのことを考えて知識と心の準備をしておくのも忘れないでほしいなと思う。
もし他にも「こんないい方法があるよ!」というのがあったら、コメントでお知らせいただけたらうれしいです。こういう知恵は、出し合って共有したほうがいいと思っているので。
年末年始、みなさま事故にはくれぐれもお気をつけて。わたしも気をつけます。
おしまい。
▽ 過去記事
*1:iPhoneの「友達を探す」みたいなやつ