低迷する韓国経済:製造業の不振深刻、地域経済に大打撃

韓国経済に危機警報
統営の造船会社、3社のうち2社が破産
蔚山の輸出、2011年の1000億ドルから700億ドルに急落

 一時は「産業首都」とも呼ばれた蔚山では、地域経済を発展させてきた造船、自動車、石油化学という3大輸出産業がそろって深刻な不況に陥っている。蔚山は11年に自治体で初めて輸出1000億ドル(約12兆2000億円)を達成したが、今年は700億ドル(約8兆5000億円)台にとどまる見通しだ。蔚山市のキム・サンユク経済雇用課長は「2010年代前半の好況時には産業団地の分譲に抽選をするほどだったが、最近はいくら広告を出しても売れ残る」と話している。

 造船業が盛んだった南部の慶尚南道巨済市は、商業店舗の数が昨年12月末の1万3646店から今年11月末には1万2148店と1498店減少した。飲食店(694店)や小売店(356店)など生活と密接に関わる店舗が特に打撃を受け、店をたたんだ。

■中小企業の経営難は一段と深刻

 大企業も厳しい状況だが、中小企業はそれを上回る苦境に立たされている。繊維メーカーが集まる京畿道楊州市の工業団地で繊維の染色加工を手がけるトンボP&Tのヒョン・ドンマン代表は「38年にわたり会社を経営してきたが、今年ほど厳しい時期はなかった」と語った。昨年130億ウォン(約13億4000万円)ほどだった売上高は、今年は10%以上落ち込んだ。毎年どうにか利益を出してきたものの、今年は10億ウォン(約1億円)の赤字を計上した。ヒョン代表は「ズボン生地は1カ月に100万ヤードの注文があったが、今では10万ヤードにも満たない」と嘆いた。大手が海外で自社生産するようになり、仕事が回ってこないという。京畿北部商工会議所のハン・ジェフン事務処長は「企業家の間では『火事を出してでも廃業したい』という話が出るほど雰囲気が良くない」と話している。

蔚山・統営=チョ・ジェヒ記者
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