【寄稿】敵陣の前で武装解除、韓国国防改革の奇怪

【寄稿】敵陣の前で武装解除、韓国国防改革の奇怪

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の「参与政府」時代から推進されてきた韓国の国防改革は、何度も問題点が指摘されたにもかかわらず、そのまま推進が続いている。北朝鮮の脅威と周辺国の軍事力は増大が続いているのに、韓国だけが兵力を毎年およそ1万人ずつ減らす軍縮を行っている。数十年の伝統がある野戦軍と一部の常備師団の解体も近々始まる。一方、軍縮に代わる幹部の増員や戦力の増強は、予算不足のため実施時期すら不確実だ。敵陣の前で武装解除するという奇怪な国防改革を、韓国政府は強行している。

 2007年の国防改革樹立当時、参与政府は「北朝鮮との関係が改善され、軍事的脅威はすぐに消える」と見込んでいた。しかし現実は、北朝鮮だけでなく周辺国の状況すらも正反対の方向に進んでいる。こうした中にあって、二つの野戦軍を解体して地上作戦司令部に統合する準備が進んでいる。数十年にわたり軸線別に防御力を蓄積してきた軍団も、間もなくその一部が解体され、責任地域の再調整が行われる。既に、毎年1個師団に相当する戦闘部隊の解体と約1万人の兵力削減が行われている。これに代わって増えるはずの幹部や先端装備の確保は、2030年になっても不確実だ。いずれ押し寄せる混乱の渦に、韓国軍がどのように堪えつつ対北抑止力を維持していくのか、底知れぬ不安を抱く。

 兵力事情は、2020年になると入営する若者が不足するため軍縮が避けられないという当初の説明とは異なり、2020年代中盤の時点でも若者の数は十分で、それどころかここ数年は志願が殺到して志願入隊は「天の星を取るようなもの」になっている。最近こうした問題点を認識した国防部(省に相当)の方から、弥縫(びほう)策として、国防改革の目標年度を予算の裏付けが得られる2030年に繰り下げる「国防改革法修正案」が国会国防委に提出されたが、まだ上程されていない。

 核と通常兵器で武装した北朝鮮軍約120万人は、サダム・フセインのイラク軍とはあらゆる面で比較にならない。急変事態が発生したら、安定化作戦だけでも数十万の兵力が必要になる。東北工程(高句麗・渤海などを自国史に組み入れる中国の歴史研究)を狙う中国の介入と、中国の動きにかこつけた日本の集団的自衛権行使は、100年前の韓半島(朝鮮半島)を連想させる。安全保障の状況は、今の韓国が軍隊を削減できるほど平穏なものではない。

 韓国政府、韓国軍および国会は、現時点でこれ以上の兵力削減と部隊の解体を中止し、国防改革上の先端戦力増強予算をまず確保するよう対策を講ずるべきだ。次いで、安全保障の状況を考慮しつつ軍の規模と構造を調節していけるよう、国防改革に関する法律と施行計画に全面的な再検討・調整を加えることを切に要請する。

金判圭(キム・パンギュ)陸軍協会副会長・元陸軍参謀総長
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