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【政治】

両国の世論に配慮 拠出金上積み1億→10億円

 岸田文雄外相は日韓外相会談後の共同記者発表で、十億円規模の政府予算を投入して、元慰安婦の支援をすると明言した。拠出金は当初想定された一億円から大幅に上積みされた。

 日本政府は国民の募金を原資とした「償い金」を元慰安婦に渡した「アジア女性基金」(二〇〇七年解散)の後継事業として、元慰安婦のもとを巡回して医療支援などを続けている。一五年度当初予算では千五百万円を計上した。

 政府内では、この事業を念頭に、元慰安婦の苦しい生活事情を考慮し「後継事業の十年分ぐらいの支援を一度に行う必要がある」として、一億円規模の基金を創設する案が検討された。

 これに対して、韓国側は二十億円程度の支援を求めてきた。大きな開きがあったが、日本側は「最大限の誠意」(首相周辺)を示すことや、韓国世論の理解を得るために、十億円への大幅増額を決断した。今回の拠出金は賠償金ではないとの位置付けだが、日本政府は慰安婦問題は解決済みとの立場を貫いてきただけに、日本国内の理解を得られるぎりぎりの額だと判断した。

 外相会談の結果、韓国が設立した財団に日本が単独で拠出することになった。日本政府内には韓国との共同出資を目指すべきだとの意見もあったが、政府関係者は日韓共同で元慰安婦の支援を行う枠組みができたことを歓迎している。 (篠ケ瀬祐司)

 

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