羽がない風力発電機が開発されている。画像を見るとわかるとおり「棒状」だ。この形にすることで得られるメリットは意外にも多い。
まず、必要な部品が少なく、設置面積も最小限。そのため建設費用が低コストで、多くの人に電力を供給可能だ。プロペラによって鳥を殺すこともなく、騒音だって少ない。つまりは、人・動物・環境に優しいというわけだ。
実際に稼働している動画を見てみよう。
風を受け棒状の機材が揺れることで、柱にある関節部分が稼働し、電力を生み出す。開発したのはスペインの「Vortex Bladeless」社。「INDIEGOGO」でクラウドファンディングしたのは、多くの人に知ってもらうためだそう。まずは商用の試作機を作るための5万ドルの目標金額募っていたが、2015年7月30日に達成した。
建設・維持のコストが
めちゃくちゃ安い
性能については、以下の画像を見るとわかりやすい。
従来の風力発電機と比較して、メンテナンスコストは80%、運転コストは51%、建設コストは53%、とそれぞれ大幅に削減できる。
ギアや歯車などもなくパーツ交換が不要で、油をさす必要もない。信じられないが、寿命も最大96年とタフだ。強すぎる風に対しても、その衝撃を磁力によって和げられる。
幅をとらないため
大量に設置できる
ただし、エネルギーの生産効率は羽付きの風力発電に比べて30%程少ない。が、その分同じ面積に数多く設置できることで補えるだろう。重量が軽いため、設置の作業自体も大きな負担にはならない。
種類も豊富だ。高さ3mの試作機から、150mある400世帯の電力を賄えるものまで様々なプロトタイプを考案している。まずは、発電量100Wと4KWのものをそれぞれ一般家庭用に、また2018年までに1MWの電力を生む大型の発電機を製品化する予定だ。
小型サイズ
(高さ3m/発電量100W)
ファミリーサイズ
(高さ13m/発電量4KW)
大型サイズ
(高さ150m/発電量1MW)
最新のアップデートはFacebookページから、より詳細な情報はホームページでもチェックできるようになっている。
Reference: INDIEGOGO,
Licensed material used with permission by Vortex Bladeless.
David Suriol Puigvert,
David J. Yáñez Villarreal.
Raúl Martín Yunta.