2012.05.11(Fri)

権力を使うだけでは、絶対にうまくいかない。
お互いに嫌だとしても社員と対話することを心がけています

ドーム 安田秀一

週刊現代
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一生の仕事

日の丸 大学4年次に、アメフト日本代表主将をつとめる。東京ドームで、米国の名門私立大学8校からなるIVYリーグの選手たちと戦った

 大学卒業後、商社につとめたんですが、私は社員としては使えないヤツでした。辞めて会社を立ち上げてからは、テーピング用品の輸入販売をしつつ、アメフトのプロコーチとしても活動したり・・・。明確な起業コンセプトがあったわけじゃなくて、スポーツに関わる仕事なら一生懸命取り組めるはずと考えていただけなんです。

大胆な電話

 今、アンダーアーマーは、ジャイアンツの澤村拓一投手やモーグルの上村愛子選手など、数多くの一流選手に使われています。'98年、僕がヨーロッパにアメフトのコーチとして派遣された時、たまたま使っている選手を見たんです。フィット性が高いのに動きを妨げず、その上、汗をかいても不快じゃない。

 きっかけは一本の電話。タグを見て「日本で販売代理店をやりたい」と言ったんです。運命って、ある瞬間に、大胆に変わるものですよね。

嫌か?

 社長として心がけているのは、社員と対話すること。経営者ってやっぱり権力があるじゃないですか。でも、権力を使って社員に言うことを聞かせても、最終的には絶対うまくいかない。だから、自分も時間をとられるし、もしかしたら社員もイヤかもしれないけど(笑)、何でそれが必要なのか話し合い、理解した上で動いてもらうようにしています。

芯で打つ

 社員を叱る時もありますが、ちゃんと相手を思って叱っています。ミスや失敗は、間違いなく「人格」に原因があります。だから、相手のそこまで踏み込んで話さなきゃ意味がない。他人を変えるのって、「ラーメンに胡椒をかければおいしくなる」なんてわけにいかない。本気でなく、迫力もない言葉なんか、トイレに行けば忘れられちゃいますよ。

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