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政府 慰安婦問題合意受け首脳間の対話重ねる方針
12月29日 4時39分

政府 慰安婦問題合意受け首脳間の対話重ねる方針
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政府は、28日の日韓外相会談で両国間の最大の懸案だった慰安婦問題の最終的な解決で合意したことを受け、今後、元慰安婦への支援事業などを着実に実施するとともに、韓国との関係改善を軌道にのせるため国際会議の場などを利用して首脳間の対話を積み重ねていく方針です。
日韓両政府は28日、ソウルで外相会談を行い、慰安婦問題を巡って韓国政府が設置する財団に日本政府の予算でおよそ10億円を拠出し、元慰安婦への支援事業を行うことなどで合意するとともに、この問題を「最終的かつ不可逆的に」解決することを確認しました。これを受けて安倍総理大臣は、韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領と電話で会談し、元慰安婦に対するおわびと反省の気持ちを表明したのに対し、パク大統領は外相会談で合意した事業が実施されれば、この問題が再び議論されることはないという考えを示しました。
政府は、今後、元慰安婦への支援事業について韓国政府と協力し、元慰安婦らが納得できる内容にすることで合意を着実に実施していくことにしています。
一方で、政府内にはソウルの日本大使館前に設置された、慰安婦を象徴する少女像の扱いで、韓国政府がどのように関連団体との協議を進めていくのかなど、懸念する声もありますが、外務省幹部は「首脳や外相の間での合意は重い」と述べ、韓国側の出方を見守る意向を示しています。
政府は、両国間の最大の懸案だった慰安婦問題の最終的な解決で合意したことを受け、今後、冷え込んでいた韓国との関係改善を軌道にのせるため、国際会議の場などを利用して、安倍総理大臣とパク大統領との首脳間の対話を積み重ねていく方針です。

韓国政府に難しい課題

慰安婦問題での合意について、韓国では慰安婦を象徴する少女像の問題で韓国政府が解決にむけて努力するとしたことに、像を設置した市民団体が強く反発するなど合意は適切ではないと指摘する意見も出ており、韓国政府には難しい課題が残される形となりました。
28日、ソウルで行われた日韓の外相会談のあと、韓国のユン・ビョンセ(尹炳世)外相が日本大使館の前に設置された慰安婦を象徴する少女像の問題について「解決に向けて努力する」と述べたことについて岸田外務大臣は記者団に対し、像は移転されるという認識を示しています。
これについて、少女像を設置した市民団体は「像は歴史の象徴でありわれわれの公共の財産だ。韓国政府が撤去や移転をうんぬんするのはありえない」などと強く反発しています。
また、日本が法的責任を認めなかったことについても最大野党が「日本政府の法的責任から目を背けた合意で受け入れられない」と厳しく批判しています。
こうしたなか、パク・クネ大統領は28日夜、韓国国民に向けたメッセージを発表し、合意は妥当なものだという認識を強調したうえで「日本との関係改善と大局的な見地に立って今回の合意を理解してほしい」と呼びかけ、国民に対して合意の受け入れを求めました。
韓国では、今回の合意を評価する声がある一方で、合意は適切ではないと指摘する意見も出ており、パク政権には今後、国民の理解を得るとともに、像の移転に向けて市民団体の協力を取りつけるという難しい課題が残される形となりました。

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