by Fumiko Mori
フォントの使い方や選び方のコツをしっかり伝授するお役立ち本!
こんにちは、お正月大好き森ふみです。
やっと、待ち望んでいたお正月休みがやってきますよー!
いやぁ~、クリスマスよりもお正月!ケーキよりもお餅でしょ!?
あまりの嬉しさと開放感にちょっとだけテンションが高めになってしまうのですが、そこはご愛嬌。
今回はですね、このお正月休みに是非!じっくり読んでいただきたい本をご紹介します。
もじ部 書体デザイナーに聞く デザインの背景・フォント選びと使い方のコツ
12月7日に発売となったこちらの本。
実は週末読みたい本でご紹介しようと思ったのですが、内容の濃さにじっくり一つ一つ丁寧に読んでいただきたい本だと思いまして、ぜひ長期休みのお正月におすすめします。
この本は、グラフィック社『デザインのひきだし』誌で2010年から連載していた「もじ部 フォントの目利きになる」を書籍化したもの。
- フォントの良し悪しって、どうやって判断したら良いのだろう?
- 書体の制作背景や作り手の意図がわかったら、フォント選びがもっと楽しく豊かな時間になるかもしれない。
そんな想いからはじまった「もじ部 フォントの目利きになる」は、『デザインのひきだし』読者から募った参加者(=部員)が、第一線で活躍する書体デザイナー(=部長)のもとを訪れ、部活動のようにざっくばらんにフォントのあれこれを聞くという企画コーナーでした。
「部長」となった書体デザイナーは、名だたる人ばかり!
書体デザイナーである「部長」が、自分でデザインしたフォントについてデザインの背景やポイントを丁寧に説明しているので、そのフォントのデザインや使い方のキモがしっかりわかります。
私もじっくりとこの本を読んだのですが、ふだん使っていたフォントの見方がかなり変わります!
あ~、このフォントはやさしいフォントなんだなぁ~。とか、今まで全然気にしていなかったトメやハネにやけに目がいったり。笑。
何度も読み返したくなる、フォントの奥深い世界にどっぷりはまれる本です。
それでは、少しだけ中面を紹介します。
01章:鳥海修(字游工房)
誰もが一度は目にしたことがあるヒラギノシリーズや、游明朝体、游ゴシック体の開発に携わった鳥海部長。
フォントの特徴を丁寧に伝授してもらえるだけでなく、制作過程や秘話もたっぷりと掲載されています。
03章:モリサワ文研
モリサワ書体の開発を行っているモリサワ文研部長。
デザイナーや会社によって、制作過程はもちろん異なるわけなんですが、いずれにしても膨大な数のフォント制作は本当に大変ってことを実感。
この工程をあの膨大な漢字の数を仕上げるって、、本当にすごい!
普段目にしているフォントも、誰かが必ずデザインしているフォントだってことを忘れちゃいけませんね。
04章:藤田重信(フォントワークス)
本を読みながら思わず笑顔になっちゃう、そんな回が藤田部長の回。
文字そのものを「タイプフェイス」というように、文字は顔という藤田部長の「も」や「さ」と「き」のこだわりを読んでいるだけでも楽しいです。
ひとつひとつの文字をじっくり眺めてたら、いろんなものが見えてくるんだなぁと改めて感じます。
06章:小林章(モノタイプ)
欧文書体のスペーシングについて伝授してくれたこちらの回も読みごたえあり!
文字そのものが美しくても、文字と文字の間をどのくらいあけておくかによって美しさがまた変わるんだそう。
欧文は和文に比べて文字数が少ないと思っていたんですが、こういったところに難しさがあったんですね~。これまた奥が深い!
09章:マシュー・カーター
エレガントなデザインにかかせないスクリプト体のデザインを説明してくれたのはマシュー・カーター部長。
手彫りの活版文字からコンピューターフォントまで、なんと50年間書体デザインをしているスペシャルな部長です!
13章:赤松陽構造(映画タイトルデザイン)
映画タイトルデザインは、あまり耳にしない職業かもしれませんがなんとも興味深いお仕事!
赤松部長は、大河ドラマ八重の桜のタイトルデザインも手掛けた方です。
タイトルデザインひとつで、その物語に対する解釈が全然変わってくるんですよね。いやあ~すごいお仕事でした。
special report:「機械彫刻用標準書体」制作の舞台裏を追え!
「機械彫刻用標準書体」って知ってますか!?
駅の案内表示や機械の銘柄でよく見る書体なんですが、実はJIS規格にもなっているんだそう!
今回は新規記事として「機械彫刻用標準書体」の謎にせまるレポートが収録されています。
その他にも、もじモジ座談会「フォントデザインについてあれこれ語りました!」という読み応え抜群の32ページの小冊子がついていたり、
各章で使用されている書体は、登場する書体デザイナーにちなんだ書体というこだわりも!
文字好きなみんなが集まって完成した、読み応えたっぷりの本です。
ぜひぜひ読んでみてくださいね~。永久保存版になりますよ。
もじ部 書体デザイナーに聞く デザインの背景・フォント選びと使い方のコツ![]()
発売日:2015年12月刊行
仕様:B5 並製 総144頁
定価:本体2,500円(税別)
ISBN:978-4-7661-2858-1
分類コード:C3070
登場する書体デザイナー
鳥海 修(字游工房)/ 高田裕美(タイプバンク)/ モリサワ文研/ 藤田重信(フォントワークス)/ 竹下直幸/ 小林 章(モノタイプ)/ 鈴木 功(タイププロジェクト)/ 小塚昌彦/ マシュー・カーター/ 大曲都市(モノタイプ)/ イワタ+橋本和夫/ 西塚涼子&服部正貴(アドビ システムズ)/ 赤松陽構造(映画タイトルデザイン)/ 今田欣一+typeKIDS/ 小宮山博史(佐藤タイポグラフィ研究所)/ 祖父江 慎(コズフィッシュ) ※敬称略