【高齢者問題】日常生活の事故で入院になる高齢者の身近な事故
介護施設等でも多いのですが転倒などが原因で入院することになってしまうケースは意外と多いです。
必ずしも何か原因があるというわけではありませんが、
転んでも手が出ずにそのまま顔から突っ込む場合もあります。
画像引用【老人ほーむず】
・要介護になる原因の約9%が転倒
要介護になる原因の約9%が転倒です(原因の第5位)。
大腿骨頸部骨折の治療にかかる医療費は140万円〜180万円とされます。これが年間で約20万人に起こっています。
日本の医療費のうち、約3,000億円が、転倒によって消費されているのです。
さらに、高齢者が、日常的な事故で救急車で病院に搬送される場合の原因の、なんと8割までもが転倒なのです。
今では毎年4万人以上という規模で、高齢者が転倒して救急車を利用しています。
救急車の運用コストも・・・恐ろしいレベルになるでしょう。
救急車コストだけでなく、退院後もリハビリ、要介護となるケースが多いわけで、そこまで含めると、転倒が国家財政に与えるインパクトは、おそらく1兆円規模に近くなります。
少しでも転倒を予防することは、大きく国益に資することです。
・高齢者はどこで転んでいるのか
東京消防庁により、転倒して救急車で搬送される高齢者(65歳以上)に関するデータが開示されています。
平成25年のデータによれば、56.7%までもが、自宅で転倒しています。
中でも、居間(リビング)と寝室での転倒が38.1%です。ここから、居間(リビング)と寝室で転びにくい環境を整えることが、非常に大事だということがわかります。
転倒の防止について、東京消防庁は、以下のような対策のアドバイスをしています。
転倒して、要介護状態になってしまわないように、先まわりしておきたいところです。
・ 段差をなくしましょう。
・ 段差(段の先端部)を分かりやすくしましょう。
・ 足元を十分に明るくしましょう(足元灯・照明器具の設置など)。
・ 滑り止めをしましょう(階段・廊下・玄関先など)。
・ 歩行を補助しましょう(手すりなど)。
・ 継続できる、体力にあった運動をしましょう(散歩など)。
・ ころぶ原因となるものは取り除きましょう(整理・整頓)。
・大腿骨頸部骨折の恐ろしさ
足の付け根あたり、ボールのような形状の部分と足の骨の接続部分は、周囲よりも少し細くなっています。
歩くために、もっとも大事な部分と考えられています。この部分を大腿骨頸部と言います。
そして大腿骨頸部は、とても折れやすいそうです。
大腿骨頸部を骨折した高齢者の3人に1人が、後に外出をしなくなります。
そして、8人に1人が要介護状態になってしまうのです。特に女性は、75歳をすぎると、大腿骨頸部骨折の確率が一気に高まるので注意してください。
繰り返しますが、転倒防止は、親が要介護状態になることを予防するだけでなく、国益に資することです。
これは大げさな話ではありません。それだけ重要なことなのです。
転倒を防止する小さな心がけが、自分も、家族も、そして日本にとっても大切なことなのです。