【在宅介護】皆さんは大丈夫ですか?”介護うつ”にならない為の3つのポイント
うつ病は決して珍しい病気ではありません。
そして最近は、介護中や介護をしている家族が亡くなった後に「介護うつ」になる患者さんも見られるようになってきました。
特に1人で自宅介護をがんばっている方が抱える精神的・肉体的な負担はかなり大きいものなのでしょう。
「介護うつで自殺」や「介護うつで殺人」というニュースも最近多く聞かれるようになった気がします。
もしそうなれば、本人だけでなく残された家族や友人だって悔やんでも悔やみきれません。
ここでは、そんな介護うつの実態とそうならない為の3つのポイントを紹介します。
画像引用【介護うつにならないために】
・最近の介護をめぐる悲惨な事件
ニュースなどで取り上げらるケースだけでも、介護をめぐる悲惨な事件(殺人や心中)が増えていることがわかります。
今後、超高齢化社会に突入するにあたって、こうした事件が増えてしまうことを、なんとか防止していく必要があるでしょう。
大事な視点は、こうした事件を起こしてしまうのは、特別な悪人だからということではなくて、普通の人が一線を超えてしまうというところです。
私たち自身にも、危険があるという認識であたらないと、本当の怖さが見えてきません。
こうした問題意識をもって、研究者たちは、様々な調査・分析を行っています。
今回は、そうした成果の中でも広く参照されている報告(湯原, 2011年)から、
私たち自身が加害者となってしまわないための条件について、そして加害者を減らすための施策について、抜き出しながら考えてみます。
・”何か”が起きてしまう前触れ
何か事が起きる時は前触れが存在します。
加害者が、重大な事件を起こしてしまうほどに追い詰められた背景は、
認知症を含む、深刻な要介護状態(認定度合いが高い)を在宅で介護しているという点です。
そこに、介護者自身の不眠、食欲不振、うつ病、体調の悪化が重なり、さらに経済的困窮がかぶさるといった、困難の多重構造がみられます。
そうした環境で、要介護者が、自らの将来を悲観し「死にたい」「迷惑をかけて申し訳なく思っている」「生きていてもしょうがない」「いっそ殺してほしい」といった発言をしています。
要介護者も、うつ病を発症していることもあります。
こうしたとき、介護者は、なんとか「頑張って生きていこう」「そんなことを言ってはダメだ」といった励ましをしたりしています。
いきなり事件が起こったりはせず、加害者も大きな苦悩の中で、なんとか思い留まろうとしているのです。
しかし、こうした介護者に、先に示したような困難の多重構造がのしかかると、
あるとき、ふと、要介護者のネガティブな発言を受けても、それを押し返すだけの気力が失われてしまう瞬間があります。
そして事件に至ってしまうようなのです。
・介護うつが増えている訳
日本は高齢化が進み、介護の必要が現実的にとても高まっています。
デイサービスやショートステイ、介護付き高齢者住宅などの介護事業が全国的に進んでいて、
公的な介護保険制度がしっかりと整備されているとはいえ、介護を必要とする人が家庭にいると、家族は負担を感じるものです。
自分を産み育ててくれた親に介護の必要が出たり、自分の配偶者が介護を必要とするようになると、
家族の愛情からできる限りのことをしてあげたいと思うものです。
それは自然のことですし、とても素晴らしいことですが、ついつい頑張り過ぎてしまい、
介護する側が疲れてしまうということも生じ得ます。
在宅介護の割合もかなり増えてきていることと日本本来の国民性の一生懸命頑張るような真面目さが”介護うつ”の発症に拍車をかけています。
・介護うつにならない3つのポイント
1、介護が人生の全てではないと思うこと
介護中心の生活になることがほとんどです。それが人生になってしまい精神的な負担が増大することになっていくことをお忘れなく。
2、1人で抱え込まない工夫
いくら家族がいなくても自分だけでその問題を解決しようとするのはかなり自分の能力を過信してはいないでしょうか?
多くの人が関わり対応していくことで変化が生まれるのもまた事実です。
3、介護は親への恩返しではない
在宅で親の介護をしている人の心に刻まれている部分だと思いますが、
恩返しだからと躍起になってやっては親御さんも嬉しくないし義務のような考えになってきやすいです。
様々なサービスを使いながら介護とうまく付き合っていくことがこれから求められている部分です。
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