海外で日本のsimロック解除(simフリー)スマホに現地simカードを挿してお得に利用する
2015/12/23
海外対応機種であれば、日本のスマートフォンや携帯電話が現地旅行先でも使えるということは皆さんご存じだと思います。
しかし、海外での通話料金・パケット料金は国内で使用する場合と比べてとても高く、月々の無料通話分やパケット分は適用されません。
特にスマートフォンの場合にはアプリが勝手に通信することがあり、以前は帰国後に数万円もの海外パケット料金の請求が届いたというニュースもありました。
海外パケ放題などの海外ローミングは割高
最近では、ドコモやソフトバンクなどで定額でパケット通信を利用できる「海外パケ放題サービス」が出てきており、以前のような高額なパケット通信費の請求が後から届いてしまうということはなくなりました。
しかし、各社一日につき1980円~2980円という金額設定となっていて、以前から比べれば安くなっているものの、例えば3泊4日の旅行中に毎日海外でパケット通信をした場合には1万円以上の出費となってしまいます。
1万円もあればホテルやツアー内容をランクアップして旅行を快適にすることもできますから、これではまだまだ気軽に使える価格設定とは言えません。
また、通話料金は各キャリア共に中国滞在中の中国国内への通話は75円/分、日本への通話は175円/分となり、更に着信時にも145円/分が自分の側に請求されます。SMS(ショートメール)送信は1通につき100円かかりますが受信は無料です(2012年3月現在)。
このように、海外で日本の携帯電話を使うには高い通信料が必要となるため、万一の際の連絡ツールという面では有用ですが、日本にいる時と同じように気軽に使うためには余計な出費が必要となります。
現地のsimカードを使えば通信料が安い
短期旅行でも1万円以上の出費となる場合があるわけですから、長期の旅行や出張など、現地での利用時間が長くなる場合には更に負担が増えてしまうことになります。
そのような場合には、通信費の安い現地のsimカードを購入して使うことで無駄な出費を抑えて安く利用することができるようになります。
中国では、上記のような携帯キャリアの取扱店や街中の商店などでプリペイドタイプのsimカードを単体で販売していて、パスポートなどの身分証明があれば誰でも購入することができます。
例えば、中国移動通信の「神州行」simカードでは、事前に50元分がチャージされたプリペイドsimカードが一枚100元前後で販売されています(他にもいくつか種類があります)。
また、中国聯通の「沃4G」simカードでは、月額10元から個々の利用内容に合わせて無料通話・通信量のオプションを組み合わせるタイプのプリペイドsimカードが販売されています。
ただ、日本の携帯電話やスマートフォンにはsimロック(契約した携帯電話会社以外のsimカードを認識しないようにする機能)がかけられているので、そのままでは中国のsimカードは使えません。
中国のsimカードを使うには、simロック解除済の日本の携帯電話やスマートフォンを用意するか、simフリー機種を買う必要があります。
中国では、街中にある携帯電話ショップで安いものなら200元程で携帯電話が買えますし、スマートフォンも中国国内メーカーのものなら350元くらいから販売されています。
また、最近では日本でも格安simカードの人気が高まってきたおかげでsimフリーのスマートフォンが家電販売店やAmazonなどで安く販売されています。
simロック解除したスマートフォンを使う
私は以前は中国で買った携帯電話を利用していましたが、いまはsimロック解除したdocomoのスマートフォンに中国のsimカードを挿して使っています。
スマートフォンを使うことで、外出時にもEメールや日本語のサイトの閲覧、SNSの利用などができるようになったので、現地での外出時にはかなり重宝しています。
simロックの解除は、docomoでは2011年4月以降に発売された機種が、softbankは一部機種がsimロック解除可能となっていて、各キャリアのショップで手数料3000円+消費税を支払えばその場でsimロック解除してもらえます。
※追記
総務省が2015年5月からSIMロック解除の義務化を決定したことを受けて、これまで「SIMロック解除」を受け付けていなかったauでも、2015年5月以降に新規に販売した機種は購入後6か月経てばSIMロック解除ができるようになりました。
simロック解除の申し込みの際、店員から全てのsimカードが使えることを保証するものではないとの説明がありますが、私のスマホでは、中国のsimカード数枚の他にもsoftbankや韓国のsimカードを挿して試したところいずれも問題なく使えています。
simカードの使い方ですが、基本的には挿し替えるだけで自動で通話回線につながります。N-05Dの場合は裏蓋を開けた赤丸部分にsimカード挿入口があり、バッテリーをはずしてsimカードを挿し替えます。
写真の赤いsimカードはdocomoのsimカード、青いものは中国のsimカードです。ICチップ(金色の部分)の形状が少し違いますが、simロックが解除されていれば挿し替えるだけで問題なく使えます。
ちなみに、購入したsimカードのサイズが違っていても、ICチップ部分の位置が合うようにカットすることで使うことができます。
このように、simフリー携帯があれば、海外ローミングよりも格安で通話・通信ができる現地のsimカードを使うことができます。
もしsimカードを挿しても自動的につながらない場合は、設定でネットワークモード(3G・GSM・自動 など)を切り替えたり、通信事業者設定を購入した通信会社に合わせて変更するなどしてみてください。
LTE接続をする際の設定方法
ここで紹介したN-05Dは数年前のFOMA機種で4G接続ができないため、最近はARROWS NX(F02G)をsimロック解除して利用しています。
F02Gで海外simを利用するための設定方法等をこちらのページで紹介していますので、LTE接続する際の設定方法はそちらをご参照ください。
ネット接続用のAPNの設定
また、インターネット通信を利用する際には、前述の通話設定とは別にアクセスポイント(APN)の設定が必要となる場合が多いです。
APNの設定方法は、Androidスマホの場合、「設定」→「無線とネットワーク」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」の画面で、メニューから「新しいAPN」を選択してAPNの新規設定画面を開きます(選択項目の流れは各バージョンによって多少違います)。
中国移動「神州行」simカードの場合は、一番上の「名前」欄に「中国移動APN」など任意の名前を、次の「APN」欄に「cmnet」と記入して保存し、作ったそのAPNを選択するとインターネットにつながります。
ネット上の情報では、使用するsimカードによっては更に「MCC」に「460」や「MNC」に「00」などの追記が必要となる場合もあるようです。もし上記の方法でうまくつながらない場合は、「中国移動 APN」で検索してみてください。
また、中国の他の通信会社や台湾・香港など他地域で販売されているsimのAPNの一覧表をこちらで紹介していますのでご参照ください。