宮田亮平・東京芸大学長、佐野氏は「デザイン能力より人間性大きい」
2015年12月28日6時0分 スポーツ報知
2015年、もっとも注目を集めたニュースの一つが、9月に白紙撤回が決定した東京五輪・パラリンピックのエンブレム問題だ。制作したデザイナーの佐野研二郎氏(43)は現在も沈黙を守っているが、このほど広報担当の妻を通じてスポーツ報知にコメントを寄せた。各界の識者の分析も含め今年最も話題を呼んだ佐野氏の今後に迫る。
◆宮田亮平(東京芸大学長、エンブレム委員会委員長)
旧エンブレムに関する問題は、新国立競技場問題と合わせて「いい教科書」になったと考えています。国民のためのものとして「ときめきを共有する」という気持ちが審査委員の中にあれば、あのような結末にはならなかったと思います。
佐野さんが今後、デザイン界で復活できるかは、私には分かりません。ただ、大事なのはデザインの能力よりも、むしろ人間性が大きいと思います。彼本来の人間性が素晴らしく、周囲の皆さんが彼のことを理解できると感じられれば、また仕事を一緒にできると考えるでしょうから。私としては、早くそういう時が来てほしいですね。
現在、新エンブレムの選考は順調に行われています。マイナスからのスタートとなりましたが、公明正大を信念として、これからも進めていくことができればと考えております。