ユーロ圏の国債、200兆円強がマイナス利回り-ECBの追加緩和示唆
2015/12/28 08:45 JST
(ブルームバーグ):利回りがマイナスとなっているユーロ圏の国債は約1兆6800億ドル(約202兆円)に達し、資産購入プログラムを今年3月に始動した欧州中央銀行(ECB)が2016年に金融政策を一段と緩和する可能性があることを示唆している。
ECBの量的緩和(QE)に基づく資産購入は来年1月4日に再開され、ポルトガルからドイツに至る各国の国債が再び1兆5000億ユーロ(約198兆円)規模のこのプログラムで支えられる。同プログラムは少なくとも17年3月にまで継続される予定だ。
ブルームバーグのユーロ圏ソブリン債指数(6兆3500億ドル相当)では、ECBの中銀預金金利(マイナス0.3%)より低い利回りの国債の総額は約6160億ドル。この利回り水準の国債はECBの買い入れには不適格と見なされている。
原油価格の低迷は、ECBが緩和的な政策スタンスから離れる可能性が低いとのエコノミストらの見方を支える。資産購入プログラムの抜本的な狙いであるインフレ率の目安(2%弱)達成にECBが苦しんでいるためだ。
キャンター・フィッツジェラルドの債券ストラテジスト、オーウェン・カラン氏(ダブリン在勤)は、ゼロより低い利回りの国債が非常に多いことは「本当にインフレ圧力の兆しがなく、ECBは必要なら追加措置を講じる準備を続けるとの認識を裏付けている」と述べ、「16年初めにECBの政策と債券利回りがどこに向かうかという点で、原油は恐らく先行指数だ」と指摘した。
原題:$1.7 Trillion of Sub-Zero Euro Debt Shows ECB Outlook for 2016(抜粋)
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更新日時: 2015/12/28 08:45 JST