Dockerがプライベートクラウドとパブリッククラウドへのコンテナ展開に対応
Docker Inc.は,バルセロナで今月開催されたDockerCon EUの2日目に,Docker Universal Control Plane(DUCP) 1.0を公開した。Dockerを使用した分散アプリケーションを運用レベルでデプロイおよび管理するための,オンプレミスのソリューションだ。
DUCPは,Docker Trusted Registryを統合したCaaS(Container as a Service)を有償サービスとして提供するものだ。このソリューションは,開発者と運用担当者を対象とした,継続的アプリケーションデリバリのパイプラインを構成する。提供されるサービスでは,Docker HubとTutumを組み合わせて利用している。Dockerは今年10月,CaaSをクラウドサービスとして提供する目的でTutumを買収した。
Tutumの創設者でCEOのBorja Burgos氏とDockerの製品管理シニアディレクタのMatthew Soldo氏は共同で,DockerCon EUの火曜日の一般向けセッションの中でデモを実施した。デモではDocker ToolboxとDocker Hub, Docker Tutumをそれぞれ使った,‘build’, ‘ship’, および‘run’サイクルが公開された。Pythonで記述されたコードを修正し,それをCaaSとしてパブリッククラウドに公開する方法も紹介した。アプリケーションコンテナはすべて,TutumによっDigital OceanとAmazon Web Serviceに分散されていた。デモ中にはひとつのサイトを切断して,すべてのアプリケーションが正常に動作しているサイトに移行し,ダウンタイムなしで動作を継続できることをBurgos氏が示した。
DUCPはオンプレミスソリューションとして設計され提供されているが,Dockerを使用したアプリケーションの,Microsoft AzureやDigital Ocean, Amazon Web Service, Soft Layerなどのパブリッククラウドとプライベートインフラストラクチャへの同時デプロイを管理することも可能だ,とDockerのプレスノートには記されている。
製品担当上級副社長のScott Johnston氏はDUCPについて,Docker Engine, Docker Swarm, Docker Trusted Registryなどの,Dockerネイティブなソリューションが基本になっている,と説明する。既存のDocker ToolboxやDocker APIに対応しているので,開発者が新たなツーリングや操作を習得する必要はない。また,Docker APIはオープンであることが保証されており,DockerはDocker APIとの統合を検証するためのサポートを提供する。
Docker Universal Control Planeは現在,パブリックベータ版として提供されている。将来的には,Docker Trusted RegistryやDocker環境の公式有償サポートにバンドルされた,サブスクリプションソリューションとして提供される予定である。
DockerはDocker Universal Control Planeのウェビナを12月1日,太平洋時間の午前10時に行う予定だ。
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