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 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に関連した福島県内の自殺者数が、震災から5年を迎えようとする今も減らない。内閣府の集計によると、今年は1月から11月末までで19人に上り、昨年1年間の15人を上回った。原発事故による終わりの見えない避難生活で、心身の状態が悪化しているためとみられる。

 内閣府自殺対策推進室によると、震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県の関連自殺者数は、集計を始めた2011年6月から今年11月末までで計154人に上る。震災関連自殺は、遺族への聞き取り調査などから震災が原因かどうかを警察が判断する。

 福島では10人が亡くなった11年以降毎年2桁が続き、3県全体の累計自殺者数の半数以上を占める。宮城では震災直後の11年は22人、岩手で17人だったが、今年は11月末までで宮城1人、岩手2人に減った。

 福島の自殺者80人について、地元の警察署が遺族から聞き取った結果を内閣府が集計したところ、自殺の動機(複数回答可)で最も多いのが、健康問題(42人)で、経済・生活問題(16人)、家庭問題(14人)が続いた。