2015年12月28日05時24分
センター試験の結果はE判定。大阪大学外国語学部(ドイツ語専攻)2年の弘田朱樹子さん(19)=大阪府立大手前高校卒=は、そこから志望校を変えず、私立大も受験せずに合格しました。貫いたのはマイペース。最後は得意科目を最大限に生かした2次試験対策が実りました。
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受験勉強を一言でいうならマイペースでした。予備校には通わなかったけど、焦ることはなかった。集団の中で前に出るタイプではないので、「はい、はい」と手を挙げて質問をするのが苦手でした。周りの人がやっている問題集の進度を見ると、動揺してペースが崩れそうだし、予備校の先生は、たくさんの生徒の対応に忙しそうで、個別に質問をしに行くのに気が引けそうでした。
高3の春くらいから、受験を意識して勉強を始めました。志望校は中3から決めていたので迷うことはなかった。受験本番までやることを時系列に細かく一覧にした計画表をエクセルで作って、ネットの動画教材「受験サプリ」をやりました。
ネット教材は自分の好きなときに勉強を始めることができるし、わからなかったら動画を止めて見返すこともできる。マイペースな私に合っていました。それに月額980円で、予備校ほどお金もかからなかった。毎日1講座ずつ動画を見て、わからないことがあったら高校の先生に聞きに行くというのが、受験勉強のスタイルでした。
■動画見てコツコツ、夏ごろから成果
模試でA判定だったのは1回くらいしかなかった。でも、学校の勉強と受験サプリをマイペースでやり続け、夏ごろからエクセルの計画表の細かいマス目が「やった日付」で埋まってくるにつれて、成績が伸びてきた。阪大の英語は独特の長文があるので、10月からは阪大英語コースがある塾も併用しました。
今くらいの直前期はセンター試験対策が8割、論述対策は忘れない程度の2割くらい。12月から、本番と同じ時間割でセンター模試を5、6回は受けました。あとは、感覚でマークしているような理解では、正解していてもダメだと思って、確信を持ってマークできるように、動画教材を倍速にしてあやふやなところを何度も見直しました。
■センターE判定でも「合格できるやろ」
センターは、得意だった英語は満点だったけど、他の科目が思うように得点できませんでした。大手予備校のセンター判定では第一志望はE判定。正直、ショックでした。でも、2次試験は英語の配点割合が300点と、国語・社会(各100点)に比べて高い。「英語で満点取ったら合格できるやろ」と自己暗示をかけ、「可能性はゼロじゃない」と先生も背中を押してくれたので、思い切って私立大を受けずに阪大1本で挑戦しました。
いま振り返るとかなりの決断だったなと思いますが、そのときは「もしダメなら浪人しよう」という気持ちでした。合格通知が来たときは、思わずセンターE判定の用紙と並べて写真を撮りましたよ。
■得意の英語を信じて退路を断つ
得意科目を最大限に生かせたから合格できたと思います。阪大英語に特化した対策をコツコツやってきて、センターが悪くても私大受験や他大学への志望変更をしなかったのが功を奏したのではないでしょうか。
受験にはいろいろな勉強法があるし、あれもこれもになりがち。私は動画教材を頼りにという当時はちょっと変わった方法でしたけれど、周囲の雑音に流されずにマイペースでやれたのがよかったなと思います。
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