高橋友佳理
2015年12月28日06時41分
東京・吉祥寺にある絵本専門店「トムズボックス」(東京都武蔵野市吉祥寺本町2の14の7)が、28日で22年余りの歴史に幕を下ろす。こだわりのある作家の絵本を狭い店に取りそろえ、絵本作家らに「聖地」などと呼ばれてきた。
絵本編集者の土井章史さん(58)が大正通り近くの路地に1993年に開店。編集プロダクションの社員当時、故長新太さんや井上洋介さんの絵本に出会い、とりこになった。大人の目線で好きな作家の絵本を集めた店をつくりたいと、吉祥寺の一角に小さな店を構えた。
自ら編集した作品や好きな作家の絵本計3千冊、ピンバッジなどのグッズを所狭しと並べた。口コミで全国から客が訪れ、アジアからの客の姿も。
だが、土井さんは絵本の編集を続け、ワークショップを開き、新人作家の発掘養成も手がける。「肉体的、精神的にパワーダウンした」と感じ、昨年、閉店を決意した。今月、店内の壁に長さんの作品を展示販売すると、初日には開店前から行列ができ、展示した65枚の原画が完売した。
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