左宗棠鶏(さそうとうどり、英語: General Tso's chicken)は、揚げた鶏肉に甘辛いタレをかけた、アメリカ合衆国やカナダの中華料理店もしくはアジア料理店で一般的な中華料理である。この料理は一般的に湖南料理と捉えられている。
料理名は清朝末期の政治家、左宗棠から名付けられているものの、左宗棠と料理の関連を示す記録は上がっていない。
左宗棠鶏 - Wikipedia
Netflixオリジナルのドキュメンタリー。
アメリカの中華料理店では定番の「左将軍のチキン」
しかしこの料理は、中国にはない。
料理のルーツを追うと中国人とアメリカの歴史が見えてくる。
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CHINESE MAN IN AMERICA
photo by BiblioArchives / LibraryArchives
もともとアメリカに多くの中国人が渡ったのはゴールドラッシュのころ。
金を求めて中国人が海を渡った。
しかし人種差別によりアメリカで中国人排斥運動が起きる。
1882年、中国人労働者移民排斥法が制定され中国人移民が制限された。
追われた中国人は、西部からアメリカ全土へ。
小さい町なら差別も少ない。ここでアメリカ全土に中華料理店が広がる。
そして第二次大戦が発生。
中国とアメリカが同盟を組んだことを機に1943年、移民排斥法が廃止される。
しかし1949中華大革命によって中国が共産主義に。
再びアメリカと中国の関係が悪化するのと同時にアメリカの中国人は不安定な状況に。
GOLDENAGE
photo by Philip McMaster PeacePlusOne_\!/
1971年。
ニクソン大統領が中国へ渡り周恩来と会談を行うために訪中。
TVニュースでニクソンが周恩来主催の晩餐会に出席し、中華料理を食べる映像が流れる。
中国、アメリカ両国の関係修復を気に中華料理の復権が起きる。
アメリカにおける中華料理の黄金期到来。
様々な地方の中国料理が輸入され、アメリカ流にアレンジされた。
1972年。
NYのレストラン「湖南」の料理人T・T・ワンが考案した「左将軍のチキン」が高評価を受ける。
しかし「左将軍のチキン」はT・T・ワンのオリジナル料理ではなかった……。
CHINESE DINNER
アメリカでは中華料理への敬意は下降気味だと思う。
フランス料理なら手間がかかった分値段が高くてもいい。中華料理も重労働だが価格を高く設定できない
それは文化に対する見方の違いなのだと思う
中国は通貨や労働の価値が低いと思われているからね
中国料理の歴史をたどりながら、アメリカ社会で中国人がどのように扱われていたかを見せるドキュメンタリー。
アメリカの歴史を辿ると人種差別が山ほど出てくる。
黒人に対する差別は有名だけれど、中国人に対しても排斥運動があった。
日本人に対しても排斥運動が起きたこともある(1924年 排日移民法)。
それが法的に定められるんだから。
ひとつの料理のルーツを探りつつ、中華料理がアメリカで根付いて行く過程を見せるなかなか良質なドキュメンタリー。
観てるとともかく腹が減る。
左将軍のチキン
ちなみに「左将軍のチキン」の作り方(概要)
1.鶏もも肉を一口大に切る。塩、卵白、酒、醤油を混ぜ鶏肉を半時間ほど漬け込む。
2.片栗粉をつけて揚げる
3.醤油、酢、砂糖、ケチャップ、水、片栗粉で合わせ調味料を作る。
4.中華鍋に油を敷き、ニンニクを入れ、ショウガ、唐辛子を投入。
5.香りが出たら揚げた鶏肉を入れ、3で作った合わせ調味料を入れる。
6.鶏肉にタレが絡まったら出来上がり
作り方はいろいろアレンジされているらしい。
ネットにもいろいろな調理法が挙がってる。
甘辛炒め(砂糖やケチャップを入れチリソース風?)から、入れないものもある(入れない方がオリジナルに近いとのこと)。
冷凍の鶏のから揚げ買ってきて、合わせ調味料とトウガラシ入れて炒めればお手軽にできそうな雰囲気もあるんでお試しあれ。