真海喬生、榊原謙
2015年12月28日05時20分
人口減と高齢化が加速する日本で、人手不足の介護を支えるロボット技術や、公共交通網の衰退をカバーする自動運転など、さまざまな技術が独自の進化を遂げはじめた。こうした技術開発は、日本を追うように高齢化していく世界の市場も見据えている。
接客などで人気を集める日本のロボットを介護に生かす技術開発が進む。
11月上旬、大分市の大分東部病院。リハビリ中の姫野成見(なるみ)さん(55)が、理学療法士に付き添われて廊下をゆっくり歩いていた。
腰に白いポーチのような機械を付け、そこから延びた2本のL字形の棒状の部品が太ももに巻かれた布地につながる。ホンダが開発した歩行訓練の支援ロボット「歩行アシスト」だ。姫野さんは10月に脳血管障害で倒れ、しばらく歩くのもままならなかったが、「今はだいぶ足が上がるようになってきました」。
11月から医療・介護施設へのリース販売が始まった歩行アシストの源流は、ホンダが開発した二足歩行ロボット「アシモ」だ。
「最初は人の動きを助けるロボットということだけを決め、あとは白紙だった」と当時の開発責任者、加藤久さんは振り返る。そのアシモが独自の「進化」を始めたのは1999年。アシモが華々しく発表される1年ほど前のことだ。
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