[PR]

 お正月の食卓を彩るおせち料理に「変わり種」が続々と登場している。約200万円の高級品や、とれたての魚の舟盛りが自宅に届く商品、さらには人間顔負けの品ぞろえのペット向けまで。ここ数年、おせち市場はじわじわ広がっており、各社は差別化を図ろうと知恵を絞っている。

 ティースプーン1杯で10万円とも言われる黄金色のキャビア、フランス産のフォアグラ、イタリア産の白トリュフ……。結婚式場を運営する「ザ・ガーデンテラスおゝ乃」(新潟県三条市)が販売する高級おせち「極(きわみ)」には、高級食材がぎっしり並ぶ。和洋折衷の5重のおせちで、伊勢エビやからすみも入る。高級ワインがついて、5人前の値段は199万8千円だ。

 県が表彰する「にいがたの名工」に、総料理長が選ばれたことを記念して企画。昨年の注文はゼロだったが、今年は予約が1件(11月下旬に終了)。式場などで提供する料理の質の高さをPRする狙いもある。大野信一社長は「高級レストランが休みの年末年始に、自宅で外食気分を味わってほしい」と話す。

 高島屋は、全国各地で大みそかから元旦にとれた魚を使った舟盛りおせちを始めた。市場が休みの年末年始は漁がないことが多いが、全国の契約漁師に頼んで漁に出てもらう。とれた魚は空輸し、元日の夕方までに刺し身で届ける。東京23区限定で、8~10人前コースは32万4千円(21日で終了)。「家族が集まる元日に、とれたての魚でぜいたくに過ごしてもらいたい」と担当者。

 三越伊勢丹は食塩を使わないヘルシーおせちが完売した。栗きんとん、黒豆、昆布巻き、田作りなどの伝統的な品々で、鹿児島県産の本枯れ節と北海道産利尻昆布の合わせだしなどで味付け。2~3人前で9720円。担当者は「暴飲暴食になりがちなお正月。健康を気遣う人からの問い合わせが多いです」。