世界を頬等に変えたのはジョブスではなくウォズニャック的なもの
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作成日時 : 2015/12/27 22:12
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スティーブ・ジョブスのことを、たいていの人はすごい天才で、この人がいなかったら今のIT環境は存在しなかったとさえ考えていると思う。
まあ、それは一面の真実で、インターフェースとデザインこそが、ITの顔であり、我々が最も重視するものだといういうことを見抜いておしすすめたという功績は素晴らしいものだったと思う。
とくにマッキントッシュ以降のことしか印象にない人には、そこが大きいと感じるんじゃないかな。
でもこの世にジョブスしかいなければ、コンピュータは高価なブランド品であり続けて、すべての人に安価なコンピュータパワーが届く時代はなかなか来なかったろう。
ジョブスとウォズニャックが作ったアップルで最初のヒット作となったアップルIIはふたりの思想が合体した作品だった。
外見のスマートなデザインやグラフィックが支えるべきだというところは多分ジョブスのセンスで、ハードもソフトもあらゆる情報を公開して誰でも自由に改造していいとしたのは、昔ながらのハッカー気質のウォズニャックのものだったんだろう。
しかし、LISAなど後継の機種は、GUIを初めて採用して画期的だったものの、価格は高く、内部もクローズドで一切コピーさせない方針、つまりジョブス的な発想が強まり、それがマッキントッシュへつながっていった。
では、アップルiiのウォズニャック的な部分はどうなったかというと、その思想を受け継いだのはPC/ATだったんだよね。
PC/ATはコピーフリーだったため、圧倒的に低価格になってあらゆる人に普及していき、それが新しい技術の開発と低価格化のサイクルの大きな原動力になった。
こういう価格の安いライバルが存在しなければ、マッキントッシュの様な高級ブランド志向品は、今ほどに値段が下がることもなかったろう。
そういう意味では世界を根本から変えたのはウォズニャック的な思想の方で、ジョブス的なものはその上に乗っかっている程度に過ぎないものなんだとおもう。
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